公立中学の過保護主義に思う | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 さて、ノートを丁寧に書こうとしすぎる子はノートの本質がわかっていません。

 ノートとはもともと英語で「メモる」という意味であり、ノートブックはメモをとるための本です。メモをきれいにとる人がいるでしょうか。めまぐるしく状況は変わっていくのです。のんびりとってる場合ではありません。

 なぜか公立小中学校ではノートは「黒板をきれいに写すもの」となってしまいます。 きれいにとった者がほめられ、自分なりに汚い字で書いた子は怒られます。
 もちろん、低学年のうちはそれも必要でしょう。ですが、小4くらいからは一歩上の目線にしてあげないといけないと思います。極端な話、小学校の低学年から高校生、社会人になっても同じようなノートの取り方の人がいます。同じ、ということはノートに関して「何も考えていない」受け身の姿勢の表れです。違和感を感じるべきでしょう。

 写す、ことが過度に大事とされ、ノートを自分でつくることができる子が少ないです。黒板に書かれた内容を自分の書き方で「編集する」ことが大事です。

 何も黒板の通りに書く必要などありません。メモなのですから。これは高校生くらいになるとすごい差になってきます。

 僕の通っていた私立ではそういう指導をしてくれる先生がいました。黒板を使わずに口頭だけの授業やビデオ学習でメモを取らせる(しかもそれがテストに出る)など、ノートに対する工夫を否応なくさせられました。
 ノートを提出させ、生徒を管理し、きれいに書いたノートに評価Aを出す公立では考えられないことだと思います。

 常々感じているのですが、公立の特に中学校は今、過保護教育だと思います。中間テストの範囲表が全員に配られたり、テスト勉強の計画表をいちいち書かせたりとか、「自分で」やるべきことを先回りしてほいほいやってしまいます。提出物も多すぎです。管理されないとできない子を増やしすぎです。
 「できない子がいるから」という意見もありましょうが、過保護にするからできなくなるのです。注意すべき生徒に対してのみ、担任がマークしていればよいはずです。大半の真面目な子の自主性を奪うシステムになっているのは解せません。

 テストはそもそも「生徒のために」やっているのです。もし、テストが一切なくていきなり高校入試だったらだれも受からないでしょう。そこに気付かせるのが教育です。
 結局は全部自己責任でこの世界は回っていくのです。中高で勉強をしなければ大人になってからその分どこかで取り返さないといけないでしょうし、学歴もつかず、苦労するかもしれません。難しい本も読めず、読んでる人に比べて損なことがたくさんあるでしょう。

 「子どもの自主性を開拓する」ゆとり教育ではそういうことが謳われておりました。これはよかったはずなのに……。なんでこんなことになっているのでしょう?

 それでは今日はこの辺で。いつも読んでくださってありがとうございます。
 



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