今日この法堂で
私の師匠が体現・演出する“文人茶”の世界。
テーマは
『明代の文人の文房へようこそ』
“モノ”は撮れても、
“空気”や“雰囲気”は撮れません。
何枚撮っても、“空気感”を持ち帰ることは、
できない。
やわらかな自然光が
堂内に淡くぼんやりとした色彩を届け…
小鳥のさえずりがあちらこちらから。
かすかな音があって感じられる、静寂。
“何とも言えない空気”が堂内に漂う。
お茶は、大和高原で自然栽培された新茶。
無農薬、無施肥。
今日のために特別にブレンドされた煎茶です。
(健一自然農園)
銘は「無為」。
五客一亭。
目の前で一碗一碗お淹れいたします。
さて
まもなく第一席が始まりますよ。
燈明のあかりが
薄暗い文房と心の奥底を仄かに照らし出す…
共に楽しむ。
“文房”という特別な空間で ・ ・ ・
人を喜ばせて自分が楽しいではなく 、
自分が楽しいと思う世界を共有する。
門を閉ざし、
文房で過ごす“積極的逃避”のひととき。
自分が心地好く過ごすために、香を焚き、
花を生け(花を“客人”として招き)、、、
その“プライベート空間”に
気の合う友を招き入れ、語らいに耽り、
時に古い書画を愛で論を交わし、
時に詩を詠い合い、
時に画を描き合って、、、
そこに茶は欠かせなかった──
どこまでも楽しみながら。
その時の行為が、茶の“味”となって ・ ・ ・
癸卯小満 於黄檗山萬福禅寺 法堂
KANAME 記
黄檗宗大本山萬福寺 公式サイト ↓
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