日本人にとっての「いなか」に近いけど、トルコ人にとっての「村」はもっと大切で大きな存在な気がします。いつでも帰りたい、自分の原点、本当のトルコの良さの残る場所、といったような感覚があり、「村(köy)」という言葉は、聞くだけでみんながウットリしちゃうような言葉。
「村のパン」「村のチーズ」「村の蜂蜜」「村風の朝食」「村の家」「村の娘」なんて、普通のものに「村」をつけただけで、素朴で質が良くてヘルシーで…というイメージになって価値が上がります。
天然酵母の「村製のパン」屋さん。村製のチーズ、バター、ペーストなどもあり〼、と書いてあります。(違う県の写真ですがね…)
そんな「村」が、オット家族にも当然ありまして。。。アンカラ県のはじっこにあるY村へ、週末に行ってきました。
Y村には、オット一族の出身部族…というのかな、A族という人たちが住んでいます。
Y村の名前をつけたのは、義父のお兄さんだったかな?当時としては学のあった人が代表でつけたそうな。
村の目の前には雄大なお山。
山肌にはローマ時代だかギリシャ時代だかそれ以前に人間が掘って住んだと思われる洞窟住居が残っています。
その下には小川が流れていて。
オットが子供の時は魚が沢山いて、村に来るたびに泳いだり、魚釣りしたりしていたそうですが…。
今はそこまでキレイじゃなく、ちょっと濁ってます。
それでもこの周辺は、近郊のアンカラなどからピクニックに来る人が絶えません。
私達はいまは亡き義父の両親が住んでいた家に泊まります。
山地で寒くなるので、薪をいれる暖炉があります。
冬はこの上にチャイダンルックを乗せてチャイを暖めたり、栗を焼いたりするらしい。
同じ建物を半分に分けて、半分には義父の兄(ずっと村長だった)夫婦が住んでます。
朝ごはんはいつもバルコニーで一緒に。
村には義父母両方の親戚が住んでいるので、あちこちの挨拶めぐりが大変。
古い様式の、石と木で作った村風のお家が並びます。
小さい村ですが、山の斜面にあるので急な坂が多い。高齢者が多く住んでるのに、大変そうだな~。
でもだからみんな元気なんでしょうが。
義母の母であるおばあちゃんの家は、おばあちゃん同様に可愛らしいです。
ここにも暖炉が。この暖炉は引き出し部分に、熱を利用するオーブンが付いてるタイプ。
キッチンには調理用の釜も。
おばあちゃん家のバルコニーからの景色は絶景です。
昔はあの山に、動物を放牧しに行ったそう。
村に来てやることと言えばピクニック。
山の麓の土地(一族が所有)をならして好きずきに果樹を植えている牧草地にやってきました。
クルミ、あんず、サクランボ、桑、オリーブなんかの木が並んでいて、「ここからあそこまではうちの」「あっち二列は叔母さんちの」「向こう側は従兄弟の」とか分かれているよう。
奥に見える山のある部分も義実家の所有らしい。
足下には春の小花が色とりどり。ちいさいポピーやムスカリ、ヒメオドリコソウ、カモミール・・・それにタイムやローズマリーなどのハーブも自生しています。
大きなスズカケの木の下に、一家が共有で使えるように作った丸太のテーブルとイスがあって、近くの倉庫にはお皿やグラスなんかも入ってます。
火を起こして、近くの市場で買って来たチキンやラムを焼いてケバブにし、茄子は直火で焼いてサラダに。
食後には、直火にチャイダンルックを乗せて、チャイを淹れます。
暗くなるまで、自然の中での~んびり。これがトルコ人の大好きな村ライフなんですね~。