アフィヨンの温泉街に行ったとき、キュタヒヤ Kütahyaに寄りました。
アフィヨン県には空港が無いので、毎回キュタヒヤ空港を利用しているんですね。
キュタヒヤといえば、陶器の街‼️
イズニック・タイル発祥の地イズニック👈も有名ですが、17世紀ごろからタイル・陶器の生産の中心はキュタヒヤに移り、今に至ります。
タイル好きとしては、一度は訪れてみたかった場所。
陶器とイメージした噴水と、タイルで飾られた県庁の建物
そんなキュタヒヤで、私が一番行きたかったのがこちら。
緑のモスクこと、イェシル・ジャーミー Kütahya Yeşil Camii
知らなければ、ありきたりなモスクだと思って通り過ぎてしまいそうですが、
中に入ると、こ〜んな乙女チックで可愛らしいモスクなのです✨
建物の隅々まで抜かりなく装飾された、この美しさ。
現存の姿になったのは20世紀初頭。
キュタヒヤの軍政官Mutasarrıfによって再建され、内部の装飾画はすべて宮廷画家によるものだそう。
螺旋階段の、裏側までほどこされた彩画と造形の美しさをみてください。
木製のミンバル(説教台)も、丁寧な彩画と彫刻で飾られていて、なんとも素晴らしい
小さいなが魅力がギュッと詰まったモスクで、これを見にキュタヒヤに寄った価値がありました。
私の旅、一つのモスクを見るためにその街に行く、みたいの多いな……
こちらは陶器の街らしく「タイル張りのモスク」を意味する、チニリ・ジャーミー Çinili Camiというモスク、
遠目に見たらちょっと綺麗ですが、
近くから見ると昭和のお風呂場みたいな、大量生産のタイルが並べられているだけ。
70年代に建てられたもので、歴史的・芸術的な価値はあまりないですね。
商業用のセラミック陶器や建材タイルなど、大量生産系のタイル工場が多くあるキュタヒヤ。
そんなキュタヒヤを象徴したかのようなモスク、と思えば面白いかもしれません。
キュタヒヤ最大のモスク、ウル・ジャーミー Kütahya Ulu Camii
キュタヒヤの街は、14世紀末にベヤズット1世(稲妻王)が、一帯を支配していたゲルミヤン君侯の娘と結婚したため、オスマン帝国領となったのですが、
このモスクは、そのベヤズット1世が皇子時代に建て始めたもの。
『オスマン帝国外伝』好きの方のために書くと、
スレイマン大帝は建築家スィナンにこのモスクの修復を命じ、後にここで出立前の礼拝もしています。
また、彼の息子セリム2世は、キュタヒヤで父の崩御を知り、このモスクで即位を宣言しました。
でも19世紀に、老朽化のため基礎まで壊されて、再建され、今の姿に建て直されました。
その際に使われた大理石の石材は、近くの古代ローマ遺跡アイザノイから運ばれたそうですよ。
キュタヒヤの古き良き街並みを残す通り……
この一角にあるのが、タイル作家メフメット・ギュルソイ Mehmet Gürsoy氏のアトリエ。
トルコの無形文化遺産を継承する者として、ユネスコから人間国宝として認定されている唯一のタイル作家、トルコタイル界の第一人者です👏
我が家の最寄りモスク、バルバロス・ハイレッディン・パシャ・ジャーミー👈の、外の巨大パネルタイルをはじめ、モスク内の多くのタイルも氏の作品。
ご本人もいらっしゃって、日本で展示販売会をしたことがあること、日本人の顧客やファン、弟子がいることなどを話してくれました。
作成中の大作が置かれていました〜ドキドキ
どれもさすがの描写の美しさ・完璧ですが、チューリップなどの定番柄よりも、例のモスクにも描かれていた船の図案がいいかなと思い、
この水差し?壺?をお迎えすることにしました。
さっそく玄関の、一番目立つところに飾りました❣️
ギュルソイ氏の作品は、こちらの公式サイトからでも購入できますよ↓
その後、「タイル屋マーケット Çiniciler Çarşısı」という、タイル・陶器の問屋が何十軒も入る商業施設にも入ってみました
これはこれで面白いですが、一流の作家さんのアトリエを見た後では、食指がうごくものはなく……😂
ぐるっと一回りしてきただけでした。
新婚家庭とかでテーブルウエア一式を安く揃えたい、とかいう時には良さそうです。
という感じの、キュタヒヤ旅行でした。
タイル・陶器が大好きな者として一度は訪れておきたかったので、満足しました
次にアフィヨンから向かったのは、エスキシェヒル県にある、今話題の村です👟