イスラーム的パワースポットを巡る[ウルファ旅行3] | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル
 

ウルファ旅行に戻ります。

 

郊外のギョベクリテペハルフェティを見たので、今日は市内を散策。

 

ここウルファは、預言者たちの街との異名を持つほど、旧約聖書やクルアーンに登場する預言者にまつわる場所、いうなればパワースポットがたくさんあります。

 

 

 

街のシンボル、バルックル・ギョルBalıklı Göl (魚のいる湖の意)は、預言者アブラハム(クルアーンではイブラヒーム)火刑🔥になった場所で、世界中から参拝客が訪れるパワースポット。

 

 

 

あり?🤔

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

とゆーのも…、聖書十字架とクルアーン🌙では、預言者たちの逸話には多少の違いがあり、この火刑のエピソードは聖書では言及されていません。

 

 

 

クルアーンによれば、偶像崇拝を否定するために神像を破壊したアブラハム(a.s.)👳‍♀️は、シュメールの王👑ネムルードNemrud (旧約聖書ではニムロド、バベルの塔を建てさせた人物)と口論になります。(雌牛章258、預言者章51-69)

 

👳‍♀️「私の神は生を与え、死を下す方だ」

👑「余も人を生かすことも死なすこともできる」

👳‍♀️「私の神は太陽を東から昇らせるが、あなたは西から昇らせられるのか」

👑「ガーン…!こいつを燃やしてしまえ!お前の神に助けてもらうといい」

 

 

ネムルードは巨大な焚き火🔥を用意させ、丘の上の巨大な投石機から、アブラハムを火に投げ入れよと命令!

 

ウルファ城に立つに2本の柱。これを投石機にして、アブラハムを火に投げ入れたとされている

 

 

アブラハムは、この写真↓右の建物の位置の火の中に落下しますが、

 

 

 

その刹那、神が「火よ、冷たくなれ、アブラハムの上に平安あれ」というと、アブラハムは火の中でまるで薔薇の園ピンク薔薇にいるように感じ、なんの害も受けませんでした。

 

火の中が薔薇園になった場面の細密画。後ろに先ほどの柱が投石機になって描かれています。塔にいるのはニムロド。

 

 

で、この逸話、トルコの伝承では、神のことばで火🔥は水波、くべられていた薪は魚🐟に変わり、バルックル・ギョルになった…と言われています。

 

バルックル・ギョルから見上げる、例の投石機になった柱

 

 

夜はライトアップされて、これまた雰囲気がありますね。

 

 

 

ウルファにはさらに、アブラハムの生誕👶の地でもあるんです!

 

アブラハムが生まれたのは「カルデアのウルと伝えられており、それは現イラクのウル遺跡とする説が一般的ですが、トルコのウルファという説もあり…

 

バルックル・ギョルの近くには、が生まれたとされる洞窟があります。

 

 

 

アブラハムが生まれた年、再び登場のシュメール王ネムルード👑が、今年生まれる男児が将来王国を滅ぼすという夢を見たため、国中の男の赤ん坊を殺す命令👎を出しました。

 

それを避けようと、アブラハム(a.s.)の母親が隠れて出産し、7年間育児をしたのがこの洞窟↓

 

↑ここから湧く水は、メッカのザムザムの泉の次に神聖と言われています

 

 

アブラハムがウルファで生まれた説、トルコ人だけが言ってるんじゃなくておいで

 

この洞窟の近くには、今でこそメヴリディ・ハリル・モスクMevlid-i Halil Camiiが建っていますが…

 

mevlidは"神聖なものの生誕"のこと、HalilはハリールッラーHalilullah(アッラーの友)のことで預言者アブラハムの異名。訳すならば「神の友の生誕モスク」。

 

 

この場所には、記録が残っている限りでセレウコス朝時代(前3世紀)から神殿があり、その後もシナゴーグ🕍、教会⛪️、正教会の教会が建てられたそうで、昔から聖なる場所とされているのを見ると…それなりの信憑性がありそう。

 

1523年からモスクが建ってますが、現存の建物は19世紀に修復されたものなので見た感じあんまり歴史を感じない〜

 

 

ちなみに、アブラハムが神に約束されたイスラエルの「カナンの地」を目指す途中で住み着いた、聖書にも登場する「ハラン」とは、議論の余地なくウルファ近郊のハラン村Harranのことです。

 

今回は行かなかったけど、13年前に行きました。

 

 

これ以外にも、聖書のヨブ記でおなじみのヨブ(イスラームではアイユーブ)もハラン生まれで、彼が試練の皮膚病に苦しんだと言われる洞窟も、ウルファ市内にあります。

 

 

 

クルアーンでは、試練に耐えたヨブ(a.s.)の信仰心を認めた神によって、水が湧き出て、それで体を洗うと皮膚病が治るのですが、その万病に効くと言われる聖水白ワイン、私も飲みました!

 

おかげさまで今日まで元気です

 

 

というわけで、聖書やクルアーンの世界がそのまんまのウルファなのでした。