歴史をくつがえしたギョベクリ・テペ遺跡[ウルファ旅行①] | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

週末に東トルコウルファUrfaへ行ってきました。

 

イスタンブルからは飛行機🛫で1時間40分。南はシリア🇸🇾と国境を接しています⚔

 

 

 

ここでは旧名で通称の「ウルファ」で通しますが、正式名称ャンル(=栄誉ある✨)という称号を冠したシャンルウルファŞanlıurfaです。

 

オスマン帝国末期、連合国🇬🇧🇫🇷🇮🇹🇬🇷🇦🇲に国土を分割占領ナイフされ、あわやトルコはバラバラに?!ゲッソリという危機に、ウルファでは地元民が立ち上がってフランス軍を追い出したため、この称号をつけられました👏

 

 

 

そんなウルファは、チグリス・ユーフラテス川の恵みを受けた肥沃な三日月地帯🌙の北に位置し、古代から文明が栄えた土地、メソポタミアの一部。

 

 

 

十数年前にウルファを訪れた時は、初めてユーフラテス川を見てカンドーしたものです。

 

チグリス(Dicle)ちゃん、ユーフラテス(Fırat)君てな感じで、トルコでは人名にもよく使われてカッコ良い。写真は13年前に撮ったユーフラテス河畔

 

 

ここら一帯の歴史は古いなんてもんではないのですが、最近とくに注目されているのが、ギョベクリテペ遺跡 Göbeklitepe

 

 

 

古代史好きなオットが前から行きたがっていたのですが、やっと来ることができました。

 

 

 

この遺跡、トルコ制作🇹🇷のNetflix配信ドラマ『アティエ (英題:The Gift)』(日本語字幕あり)の舞台にもなったので、日本でもご存知の方もいることでしょう。

 

歴史ドラマ以外興味ないのでフォローしてなかったですが、今回の旅行の前日から急遽観はじめた。私が先月訪問したネムルット山も登場しますね。

 

 

こんな感じで、T字型の石が円形に並べられた部屋のようなものが並ぶ、不思議な遺跡。

発掘にあたったドイツの学者は、神殿だったと主張しています。

 

 

 

その柱のような石には、キツネ、イノシシ、ワニ、牛、サソリ、トカゲなどのモチーフが彫られています。

 

 

 

そしてこの地に固有の、日本のトキに似た黒い羽を持つケルアイナクらしき鳥の姿も。

 

以前ウルファに来た時、この鳥がトキに似ていると引率のトルコ女性に言ったら「はぁ?ここ固有の鳥と日本の鳥が似てるはずない」と鼻で笑われたけど💢 後日調べたらトキ(Tepeli aynak)とケルアイナクは同じaynak(トキ亜科)で非常に近い種類でした。

 

 

で、ギョベクリ・テペの何がスゴイのかというと…

 

スゴイ点その①

 

世界最古の高度文明とされていたメソポタミア文明より7,000年も古い文明ということ!ポーン(放射性炭素年代測定により判明)

 

エジプト🇪🇬のピラミッドが作られたのは7,000年前、氷河期❄️が終わったのが1万年前、メソポタミアで世界最初に農耕が行われたのは1,1000年前。

 

ですが、ギョベクリ・テペの1番古い遺跡は1万2,000年前に建造されたもの…ポーン

 

 

なのにこの、レリーフの精巧さと保存状態の良さ。↑の立体的なライオン?とか、そんな昔のものとはにわかに信じられない

 

 

その頃の人類といえば、木の実🌰を集めたり野獣いのししを狩る、The原始人狩猟採集いて座生活をしていて、畑を作って安定的に食料🌾を得る農耕というものをまだ知らない時代です。

 

ある集落が、ただウッホウッホ言ってるヒトたち🦍の集団じゃなくて、高度な文化や組織化された社会を持った「文明」となるには、農耕による食糧生産🌾が不可欠と考えられてましたが、ギョペクリ・テペには農耕の発明前から高度な文明があったんですね。

 

 

 

…というのを踏まえた上での、スゴイ点その②考古学の常識をくつがえしたこと!

 

これまでの考古学の定説🎓では、人類の発展は

 

狩猟採集いて座生活右矢印農耕🌾はじめる右矢印畑のそばで暮らすため定住右矢印共同体が大きくなる右矢印共同体をまとめるために宗教が誕生   …という流れでした。

 

中心に建てられたT字石には、人間の腕らしきものと、ベルトのようなものが彫られていて…、人間?あるいは神か、先祖かなにかを表してる?

 

 

でも、祭祀の施設らしきものが狩猟採集時代のギョベクリ・テぺで発見されたことで、宗教は農耕生活の前から存在したびっくりことになり、流れはこうなってくる。

 

狩猟採集いて座生活右矢印宗教の誕生右矢印神殿建設の大工事で働く人👷‍♀️のため食料確保の必要右矢印農耕のはじまり

 

 

 

巨大な石を石切り場から運んで設置するには、500人くらいの人手が必要らしく、それだけの人を動かすには、上に立って監督・指導する宗教指導者のような"エライ人"おじいちゃんの存在が不可欠だそうで、

 

狩猟採集(原始共産制)生活右矢印農耕はじまる右矢印貧富の差が出る右矢印身分制度👑が生まれる

 

って、たしかに私も教科書📖で習ったの覚えてるけど、その順番も狂ってくるんですよね。

 

遺跡の周辺の景色。近くには集落跡と思われる新しい発掘現場もありましたが、未公開。

 

 

というわけで、今までの歴史の常識をひっくり返してしまうギョベクリ・テペですが、まだ全体のほんの一部しか発掘が進んでいず、今後また驚くような発見があるかも。

 

 

って、いつもに増して御託の多いブログですみませぬてへぺろ最後まで読んでくれた方いるかしら😅

 

イスラーム史は好きだけど、それ以前、ましてや古代史になると大昔すぎて苦手なので、自分の頭を整理するためにも書いてみました。

 

 

こんなん書いてますけど、幼児2匹連れなんで…。

娘は遺跡を見てる最中で大をもよおし、オットは下界までトイレ探しに娘と消えて見学終了。(あんなに来たがってた所なのに…涙)息子は↑写真のように、猛暑のなか走り回ってたので、その夜中にイキナリ吐くし。いやぁ、散々でございましたわよ。笑い泣き