伝統音楽と料理を楽しむ宴、スラ・ゲジェスィ [ウルファ旅行④] | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

ウルファ旅行で欠かせないもう1つは、スラ・ゲジェスィsıra gecesi体験。

 

スラ・ゲジェスィとは、,ウルファで伝統的に行われていた、音楽、歌、踊り、語らいを食事と共に楽しんむ、男性だけの集会のようなもの。

 

 

 

もともとは近隣の助け合い🤝や、精神的に高めあう📚ためのものだったそうで、各自の家を持ち回りで行うことから「順番(スラ)の夜(ゲジェ)」と呼ばれるように。

現地では「順番に周る」という意味の、スラ・ゲズメックsıra gezmekと呼ぶ方が一般的だとか。

 

 

今では完全に観光化・ショーアップされて、もちろん女性も参加できるし、すっかりただのウルファの楽しいディナーショー誕生日帽子バレエという感じになっちゃってますがニヤニヤ

 

スラ・ゲジェスィが宿泊先のホテルでも行われるそうなので行ってみました。

 

 

 

会場がテーブルにソファ席という現代的なスタイルびっくりで、ちょい驚き。

 

13年前にウルファに来たとき参加したスラ・ゲジェスィの会場は、絨毯敷きの石造りの建物で床座という伝統スタイル(↓)でした。

 

 

 

さて、スラ・ゲジェスィには最初から最後まで歌手と楽団がついて、奏でられるのはウズン・ハヴァuzun havaと呼ばれるビブラートを効かせた郷土民謡の数々ですが、

 

その中でも、全国的に超有名な一曲「ウルファの煙る山々 Urfan'ın etrafı dumanlı dağlar」はやっぱり欠かせないでしょう✊私もこの曲好き💕

 

 

 

霧が煙るウルファの山🏔を彷徨う子を失ったガゼルと、自分の傷心💔を重ねた、物悲しくも情緒あふれる名曲です。

このブログ記事の末尾に、歌詞を翻訳しました。

 

上の動画はコマ切れなので、興味ある方はトルコの北島三郎こと、ウズン・ハヴァの帝王イブラヒム・タトゥルセス氏の圧巻の歌声カラオケでぜひどうぞ↓

 

↑載せたい動画に限って制限かかって埋め込めないので、お手数ですがクリック&ジャンプしてください

 

 

彼が歌うような民謡とかアラベスク(歌謡)とか、トルコのオッさんが聴くジャンルの音楽が、かなり好きな私ですてへぺろTune Inでアラベスク専門チャンネルを聴くくらいには。笑  まぁ日本でも演歌好きだし。

 

そしてこういう曲の演奏で使われる、ズルナzurna🎺というチャルメラみたいな楽器の音色が、なんともトライブ感があってイイんですよ〜。

 

 

 

だいぶ横にそれましたが、話をスラ・ゲジェスィに戻すと、民謡のほかにも、ダヴルdavulと呼ばれる太鼓を打ち鳴らすパフォーマンスも登場。

 

 

 

この太鼓もズルナ🎺と同様、お祝い時に欠かせない祭り感祭ある楽器なので、音色を聴くと心はワクワク、体は踊りたくてムズムズしちゃいますね。

 

断食月の頃、夜明け前の食事をとる時間に打ち鳴らされるのもこの太鼓。

 

 

続いては、この地域の民族舞踊隊も登場。

 

群舞では、トルコの多くの地域の民族舞踊と共通して、列になりステップを踏み、両端の人はハンカチを振り回しますが。

 

男性の衣装には地域柄アラブっぽさを感じます

 

 

男性のソロ舞踊は高速!

 

 

 

さてこの演奏の間、お客はテーブルでご馳走を食べていますが、何種類もの冷製の前菜とパンが出たあと、メインは「やっぱこれでしょ」な、ウルファ・ケバブでした。

 

写真はアレですが、とっても美味しくて!子供2人がバクバク完食し、親はほとんどありつけず。

 

 

ウルファ・ケバブは串につけた挽肉の焼肉で、全国的に人気のアダナ・ケバブと見た目は同じものの、チリが入って辛いアダナに対して、ウルファ・ケバブは辛くないのが特徴。

 

超厳密には挽肉に混ぜる脂身とかが違うらしいけど、一般的には辛いアダナに辛くないウルファという住み分けです。

 

 

とはいえ、料理に香辛料を使うことの多い東南トルコ、もちろんウルファにも辛い料理はあって。

 

演奏と間に、ずっとシェフが汗水垂らしながら練るプレゼンテーションをしていたのが、ウルファのもう1つの有名な郷土料理チー・キョフテçiğ köfte

 

 

 

チーçiğは「生(ナマ)」という意味で、文字通り生の挽肉を火を通さずに作る肉団子ですが、大量の香辛料と練り上げることで殺菌されるから食べられる!という、ちとワイルドなお料理。

 

ウルファ以外でも全国どこでも食べられます。大好物💕

 

 

デザートにも、ウルファ名物のシュッルクŞıllıkがありました。

 

しっとりしたクレープのようなものにナッツが包まれていて、トルコの伝統スイーツにしては比較的さっぱり目でした。

 

 

 

スラ・ゲジェスィは20時から23時まで続く長丁場ですが、そんな遅くまで子供たちが我慢できないので途中で抜けました。

 

ウルファの伝統文化と食を満喫できるスラ・ゲジェスィ、やはりウルファに来たらどんな形であれ一度は行って損はないかなと思います。

 

調べた感じ、このEl Ruhaホテルのスラ・ゲジェスィ会場が岩をくり抜いた部屋で雰囲気良さそうでしたー。

 

 

 

おまけハートのプレゼント

Urfa'nın etrafı dumanlı dağlar 歌詞全訳

 

Urfa dağlarında gezer bir ceylan aman aman

ウルファの山を 彷徨う一頭のガゼル 嗚呼 嗚呼

Yavrusunu kaybetmiş ağlıyor yaman

仔を失ったようだ 泣いている 悲しげに

Yarimin derdine bulmadım derman 

私の恋の悩みには 見つからない つける薬が

 

Gezme ceylan bu dağlarda seni avlarlar 

うろつくのはおよしよガゼル この山を、(彼らは)お前を狩ってしまうだろう

Anandan babandan yardan ayrı koyarlar 

お前の母さんや父さんや友から 離してしまうだろう

 

Urfa'nın etrafı dumanlı dağlar aman aman

ウルファの煙に包まれた山々 嗚呼 嗚呼

Ciğerim yanıyor aney gözlerim ağlar 

私のはらわたは痛み、嗚呼、目は泣いている

Benim zalim derdim cihanı yakar 

私の無慈悲な苦悩は この世界を焼きつくすほど

Ceylan senin gibi yüreğim yara 

ガゼルよお前のように この心は打ちひしがれている

Cihanda derdime aney bulmadım çare 

この世では我が苦悩に、嗚呼、救いを見つけられない

Bir yavru kaybettim gözleri kara
愛しい人を失ったんだ 黒々とした瞳の

 

Gezme ceylan bu dağlarda seni avlarlar 

うろつくのはおよしガゼル この山を、(彼らは)お前を狩ってしまうだろう

Anandan babandan yardan ayrı koyarlar 

母さんや父さんや友達から 離してしまうだろう