J君と一緒に過ごすときは

お金はすべて私が支払っていた。

 

 

 

 

 

 

J君との最初の出会いが

セラピストと客という関係性であり

J君から

「お互いに両想いでも

良い関係性でいるために

お金を挟んで会ったほうがいい」

と言われていたので

 

 

 

 

私はJ君とプライベート的関係性になっても

引き続き自分が支払うものなのだと解釈していた。

 

 

 

 

(セラピストと客としてではなく

1人の男性と女性として

プライベート的な関係性で

会おうと言ってくれたのもJ君だ)

 

 

 

 

 

 

私は風俗の世界について無知だったので

風俗の世界の経験が長く

私が心から信頼できるJ君が言う事は

その通りにすべきなのだと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

J君がよく口にしていた

「お店を裏切りたくない」という誠実な態度を

尊敬していたので

お店を裏切らない方法で

つまり私が支払いながら

会うことがJ君のためでもあると思っていた。

 

 

 

 

そしてこの時の私は

支払うことがまったく嫌ではなかった。

 

 

 

 

 

なぜならば

大好きなJ君が

海外旅行に二人で行くときには

全額支払ってくれると約束してくれたから。

 

 

 

 

私がJ君と行きたい国は

日本から遠い場所にあり

物価が高い国なので

 

 

 

 

その国にJ君と二人で行って

1週間ぐらい素敵な豪華ホテルに滞在して

美味しいものを食べて観光したりすれば

私がJ君にお支払いした指名料や宿泊代と

同等ぐらいになると思った。

 

 

 

 

 

だからこの頃は

いくらお支払いしても

いつかは海外旅行でJ君が支払ってくれて

私のお支払いがチャラになると思うと

お金のことが一切気にならなくなっていた。

 

 

 

 

J君が連れて行ってくれると約束してくれている

海外旅行が本当に楽しみで

毎日のように海外で過ごす二人の楽しい姿を

頭の中で妄想して私は喜んでいた。

 

 

 

 

 

実はこの頃に

Twitterや匿名掲示板をたまに読んでいて

私と似たような書き込みやツイートを

時々見ることがあった。

 

 

 

 

 

セラピストから

セラピストが退店してからは

支払わなくていいと言われたとか

旅行に行こうと言われたとか

私と同じように海外に行こうと言われたとか

そんな書き込みが見られたのだ。

 

 

 

 

 

だからきっとJ君が言っていることも

本気の気持ちなのだろうなと

私は解釈していた。

 

 

 

 

 

 

 

そんなJ君とのデートでは

J君の前でお支払いするとき

ごく普通の財布を取り出すことが

私はいつも恥ずかしかった。

 

 

 

 

 

J君の誕生日という

大切な日を迎えるにあたって

やっぱり私はもっと素敵な女性になって

もっとJ君に好きになってもらいたかった。

 

 

 

 

 

そのためには

いつもオシャレで洗練されている

J君に少しでも近づきたかった。

 

 

 

 

J君のお誕生日の日に備えて

J君の目に触れることが多い

財布とスマホケースを

新しくすることにした。

 

 

 

 

スマホケースは

地元の雑貨屋さんで2千円ぐらいで購入した

可愛いキャラクター柄の物を使っていた。

 

 

 

 

それもやっぱり情けなかった。

 

 

 

 

 

 

買い物をするときに

いつも欲しいものがないのだが

J君のことをイメージすると

高級ブランド品ではなければ

J君の隣にいる女性として

相応しくないような気がしていた。

 

 

 

 

 

それほどJ君が

いつもハイブランドで

どれも似合っていて

素晴らしいオーラを放っているから。

 

 

 

 

だから今回も

前にバッグを購入したお店と同じ

ルイヴィトンで買うことにした。

 

 

 

 

 

欲しい色も柄もなかったので

お店の方に聞けばいいやと思った。

 

 

 

 

 

ブランド店は

どうも居心地が悪い。

 

 

 

 

私以外の店内のお客様は

みんな私なんかとは比較にならない程

素敵な人たちに見える。

 

 

 

 

 

ルイヴィトンを買いに来る人は

女性客が多いのかとばかり思っていたが

なんと店内は男性のほうが多かった。

 

 

 

 

 

私が財布を選んでいる時に

いかにも高級そうなスーツを着て

高級そうな靴と時計を身に着けた

50代ぐらいの男性がいた。

 

 

 

 

 

そのお金持ち風の男性の前に

お店スタッフさんが

高そうなバッグを10個ぐらい

ずらっと並べていた。

 

 

 

 

男性はスマホで誰かと話しながら

バッグを見ている。

 

 

 

 

その光景からなんとなく分かったのは

スマホの向こう側には女性がいて

男性がバッグの詳細を女性に伝えて

どれを買っていいのかを聞いているのだろう。

 

 

 

 

 

スーツを着ている男性だったので

おそらく仕事の合間にお店に来て

一生懸命に店員さんに聞きながら

高そうなバッグを

女性のために選んでいるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

真剣にスマホに耳を傾けて

一生懸命話す男性の姿を見て

 

 

 

 

 

「いいなぁ・・・・・・」

 

 

 

 

と思った。

 

 

 

 

 

女性のためにこんなに真剣にバッグを選んで

買おうとしている男性の姿を

私は初めて見た。

 

 

 

 

 

それに比べて

当たり前のように

毎回自分で購入している私・・・。

 

 

 

 

 

アスカの心の中)

「ルイヴィトンの店内に

男性も多いのは

男性が女性のために

買ってあげたいブランドだからなのだ」

 

 

 

 

と腑に落ちたような気がした。

 

 

 

 

 

 

物が手に入るということよりも

女性のために懸命に何かを選び

お金を支払ってくれるという男性の姿に

私は心底感動してしまった。

 

 

 

 

その日の私は

財布とスマホケースを買うことは

いつのもように

その物自体が欲しいわけではないので

それほど楽しくなかったが

 

 

 

 

 

その男性の姿を見ることができたことが

私にとって考えさせられる経験になり

とってもありがたかった。

 

 

 

 

 

 

 

その男性のことを横目に

店員さんの説明を聞きながら

ようやく財布とスマホケースを決めた私。

 

 

 

 

店員さんから

財布にもスマホケースにも

名前のイニシャルを入れられると

説明された。

 

 

 

 

 

どちらでもよかったけれど

なんとなく

イニシャルを入れてもらうことにした。

 

 

 

 

 

 

ルイヴィトン財布

スマホケース

132,000円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前が入ったものを見て

心があまり動かなかった。

 

 

 

 

 

もともとどちらも欲しいわけではなかったし

イニシャルを入れるつもりもなかったから。

 

 

 

 

 

 

でも財布とスマホケースを買って

そこに私のイニシャルが入ったところを

J君には見せたいなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ルイヴィトンの財布とスマホケースを

購入できたことで

私なりに、またひとつ

大好きなJ君に近づけたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着々と

J君のお誕生日への準備が

進んでいる。

 

 

 

 

 

 

アメトピに初めて掲載して頂きました]

 

 

[ブログを途中から読んでくださる方へ]

私とセラピストJ君のストーリーは

こちらを記事を読んでから

読んでいただけますと内容が分かりやすいです。

 

 

 

 

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