【保護情報】タヌキの赤ちゃん | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは

室中です!


早速ですが、今回は保護情報をお届けします。


4月28日(金)に、JWC に 1 本の電話が入りました。

お話を聞くと、職場近くのマンホールから鳴き声が聞こえ、子猫かと思い見に行くと赤ちゃんが数匹いたそうです。

手に届くところにいたのが2頭だった為、ひとまず救助し、その後、他の子達も救助しようと向かったところ、もう既に見当たらなかったとのことでした。

恐らく、お母さんが移動させたのでしょう。


翌日、他の方が職場に来て赤ちゃんを見た際に、本当に猫なのかと疑問に思って調べてみると、『タヌキの幼獣』であることが分かだそうです。

どうしたものかと行政に相談したところ『元居た場所に戻してください』と伝えられ、その日の夜に元の場所に置いてしばらく様子を見てみたそうですが、残念ながらお母さんタヌキが現れることはなかったようです。


保護当初、体重が100グラム程度しかない新生児だったため、ご自宅がある埼玉県からセンターへの移動の負担も懸念されたため、せめて体重が120gに増加するまでを目標にお世話をしていただくことになりました。

数日間は、メールや電話で連絡をとりながらお世話をしてもらいました。


なかなかミルクが飲めず、ご苦労が続いた中、2頭のうちの1頭が亡くなってしまいましたが、残った子の方は献身的なお世話の甲斐あって、少しずつ哺乳瓶からの授乳もできるようになり、体重も120gに到達しました。


そしてやっと本日、のづた動物病院にご来院いただき、診察をした後にセンターへやってきました。



お腹が空いたのか、キューキューと鳴き始めたので保温をしながら早速ミルクをあげました。



すると、しっかりと吸い付いてくれてグビグビと飲み始めました!

とりあえず、食欲はあるようで安心しました。

その後はお尻を擦って、うんちとおしっこを促すと小さなうんちをポロっと出して、おしっこもしっかりと出してくれました。



本日からしばらくは1時間おきに授乳をして体重の増加を図りたいとおもいます。


体が非常に小さく、恐らく親と離れたストレスや環境の変化のダメージも想定されるので、まずはこの1週間、様子の変化に十分注意して慎重に世話に当たりたいと思います。



 


【JWCからのお願い】

この時期は、タヌキの出産シーズンです。タヌキ達は、このようなマンホールや側溝の中に夜間、ひっそりと子供を産みます。











生まれたばかりのタヌキの赤ちゃんは猫のような鳴き声を出します。

もし、上記の写真のような場所から鳴き声が聞こえても、そのまま、そっとしておいてあげてください。

↑タヌキの赤ちゃんの鳴き声


生まれたばかりの赤ちゃんの近くには必ずお母さんがいるはずです。

野生動物のお母さん達は毎年命懸けで子供を産みます。どうか、お母さんから子供を奪わないでください。

どんなに私達が必死にタヌキの赤ちゃんを育てても到底お母さんには敵いません。やはり、本当のお母さんのもとで育つのが子供にとっては1番なのです。

声が聞こえても、すぐに手を出さないで温かく見守っていただければと思います。

どうぞ、よろしくお願い致します。