【保護情報と訃報】左翼を骨折したヒヨドリのヒナ | JWC NEWS

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野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは

室中です。


早速ですが今回は、保護情報と訃報をご報告致します。

8月2日に1羽のヒヨドリのヒナの保護依頼が来ました。

家の前で飛べずにいたところを発見し、しばらく近くで様子を見ていると、左翼が下がっていて羽ばたく様子も無く、辛そうにしていたことから保護に至ったのだそうです。


すぐに患部を確認すると、左翼の骨が折れて、外へ飛び出している状態でした。


※○部分が骨折箇所になります


レントゲンを撮ってみると、折れているのは左翼の尺骨だということが分かりました。

骨が外に露出している、いわゆる開放骨折の状態で、雑菌による感染症を引き起こす可能性があった為、早速、骨折箇所の洗浄・消毒で処置を行い、抗生剤と痛み止めの薬も処方してもらいました。


非常に弱っていて、ほとんど目を閉じて辛そうにしていた為、さとやま保護センターに到着次第、すぐに酸素室の中に入れて保温をしました。



そこからは、数分置きに患部の消毒と強制給餌を行いました。
ほとんどの時間、目を閉じてじっとして、鳴き声もあげませんでしたが、何とか頑張って口を開けてくれて少しずつご飯を食べてくれていました。


次の日、非常にか細い声ではありますが、お腹が空いたと鳴き声もあげるようになりました。

前日に比べて目を開けている時間も増えたように感じ、このまま良くなることを祈っていたのですが、8月6日、段々とご飯を食べなくなり、目も閉じて、翌朝に静かに息を引き取りました。


また、8月6日の深夜、関東周辺ではゲリラ豪雨に見舞われました。夜中のうちに、非常に大気が不安定になり、衰弱していたこの子の体には負担が大きかったのではないかと思われます。



まだ小さな体で大きな傷を負い、非常に辛かっただろうに、数日間、本当に良く頑張ってくれました。


次生まれてくる時は、怪我をせず、元気に生涯を全うしてくれることを願うばかりです。



ということで、今回は、開放骨折をしたヒヨドリのヒナの訃報でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


 

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