【保護情報と訃報】2羽の巣立ち雛のスズメ | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。

JWCの佐草です。

 

さっそくですが、本日は保護情報と共に訃報をお伝えします。

 

7月19日(火)の夜、スズメのヒナが2羽保護されてきました。

ご自宅の庭で落ちているところを見つけ、巣も目視できたそうなのですが、戻せる位置ではなかった為、止む無く保護に至ったとのことです。

 

病院に着いた時点で、2羽とも目を瞑り、かなり衰弱した状態でした。

 

 

診察後、すぐにさとやま保護センターへ移動し、ICUで保温を行いました。

羽の生え具合から巣立ち雛と思われましたが、体重を測ってみると小さい子は10g、大きい子でも12gと、この時期にしては2羽とも体重が軽く、胸の部分の骨(竜骨突起)も突出していてかなり痩せていました。

 

少しでも栄養を補給できればと、フォーミュラーをブドウ糖で溶かしたものをほんの一滴ずつ与えていきました。

しかし、次第に2羽とも開口呼吸になり、最初に体の小さかった方が、その約1時間後には大きい子の方も静かに息を引き取りました。

 

 

自然の中では、大抵、兄弟の中で1~2羽は体の成長が未成熟な子が生まれます。

そういった子達は、少し残酷な話になるかもしれませんが、親から見捨てられてしまうこともあります。

それは、少しでも強い遺伝子を後世へ遺せるように、元気な子を確実に育て上げる為の重要な本能です。

この子達は、先述した通り、巣立ち雛にしては体重が軽かったので、もしかすると未成熟な子達だったのかもしれません。

 

しかし、こうして残念ながら巣から落とされてしまった子は、それこそ今当団体でも保護されているツミなどの猛禽類や、タヌキなどの大切な栄養分となります。

自然の中には、無駄となる命はひとつとしてありません。

 

今回の2羽は残念ながら亡くなってしまいましたが、次に生まれてくる時にはもっと元気な体で、長生きしてくれることを心から願います。

 

 

ということで、今日はスズメのヒナ2羽の保護情報と訃報でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

よく頑張ったね。お疲れ様。

 

 

 

《JWCからのお願い》
この時期、ほとんどの哺乳類・鳥類は子育てを行います。
ヒナや幼獣の近くには、親がいることが大半です。なので、見つけてもすぐに保護をしないようにしてください。
結果的に親子を引き離す結果となってしまう可能性があります。

 

 

※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。
一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します。

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