皆さんこんにちは。
室中です。
早速ですが、今回は、5月8日に保護されてきた2羽の裸雛についての保護情報と訃報をお伝えさせていただきます。
保護した方によると、庭の剪定を業者さんにお願いしていたところ、巣があることに気づかずに木を伐採してしまい、雛が地面に落ちてしまっていたところを発見したそうです。
近くに親も見当たらず、巣も無くなってしまった為に、戻せなくなったことから保護に至ったとのことでした。
この子達は、まだ羽も生えておらず、目も開いていない、いわゆる『裸雛』と呼ばれる状態でした。
体重も、それぞれ3gと4gほどしかなく、体の大きさは小指の第二関節ほどくらいしかありませんでした。
センターに到着するとすぐに保温・強制給餌を始めました。
※雛鳥の正常体温は、41〜45度と言われている為、適切な温度の保温が非常に重要です
酸素室に入れ、付きっきりで給餌を行いました。
餌も、これほど体が小さいと、ミルワームを与えても消化不良を起こしてしまう為、柔らかくした練り餌を少しずつ与えていきました。
二羽とも、その日の夕方頃までは口を開けて糞もしていましたが、そもそもがかなり衰弱していた点と、目は開いていないものの環境の変化と親と離れてしまったことによるストレスも大きかったようで、次第に口を開けなくなってしまいました。
そして、翌日の早朝、二羽とも静かに息を引き取りました。
この子達のご遺体は、センターに埋葬しました。
二羽とも、とても小さな体で最後まで良く頑張ってくれました。
ここのところ、少しは『雛鳥や幼獣の誤認保護』について周知され始めたのか、例年よりも雛鳥や幼獣の保護件数は少なくなっているような気がしています。
その為、最近、センターに運ばれてくる子達は、誤認保護ではなく、保護が必要な衰弱してる巣立ち前の雛鳥が多いです。
そのような子達は、その日を乗り切ることが非常に難しいです。
それでも、一羽でも多くの子達を救うことができるように、これからも私達にできることを続けて参りたいと思いますので、どうか温かく見守っていただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【野鳥の保温についてのお願い】
野鳥の保温を行う際、使い捨てカイロは絶対に使用しないでください。
理由が二つあります。
一つ目は、使い捨てカイロを使用すると、体が異常に温まりすぎてしまい、火傷をする可能性もあるからです。
使用条件にもよりますが、使い捨てカイロは、最高で60℃以上まで発熱します。
それに加えて、ちょうど良い温度で保つことができず、中身の鉄が酸化しきるまで熱が上昇し続けます。
二つ目は、一酸化中毒になる可能性があるからです。
使い捨てカイロは、熱を発する時に周りの酸素を消費します。
空気の入れ替えがない密閉した空間にカイロを入れてしまうと、その中の酸素濃度がどんどん低下して酸欠を引き起こしてしまいます。
保温を行う際は、ペットヒーター、または40℃ほどのお湯を入れた湯たんぽやペットボトルをタオルで包み、箱の側に入れてあげるようにしてください。
※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。
一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力のほど宜しくお願い致します。
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