【注意喚起】ヒナ鳥の保護に関するお願い | JWC NEWS

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野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは晴れ

室中ですにやり

 

連日、各地で雨が降ったり止んだりの状態が続き、肌寒いと思ったら、また暖かくなってきましたねびっくり

気温差が激しいため、毎日の服装に困ってしまいますあせる

皆さん、急な気温差で体調を崩さないようにお気を付けください!

 

さて、今回はヒナ鳥の保護に関するお願いがあります。

 

日本のほとんどの野鳥は春先から夏にかけての草木が伸びて、餌となる昆虫や魚などが多く姿を見せる時期に子育てをします。そして、野鳥の保護件数が多いのもこの時期ですが、実は保護する必要があるヒナと保護する必要がないヒナがいます。

 

地面にいるヒナを見つけると、巣から落ちて迷子になっていると思い、心配になりますが保護してあげる前に、そのヒナに怪我があるのかをまずは確認してください。そして、最も重要なのはそのヒナが巣立ち前のヒナなのか、巣立ち後のヒナなのかを確認するということです。

 

巣立ち前のヒナは、羽がほとんど生えておらず、目も開いていない状態が多く、きちんと立つことが出来ない様子が見られます。

一方で巣立ち直後のヒナは、羽毛は一通り生えそろっていますが、羽色が淡かったり、親鳥に比べて尾羽が短く、体は小さいですが、しっかりと立って歩くことができます。

 

巣立ち前のスズメのヒナ

 

巣立ち後のスズメのヒナ

 

巣立ち前のヒナを見つけた場合はまず、近くに巣がないか探して、もし、見つかったら巣の中に戻してあげてください。

巣が見つからなかった場合、初めて『保護』という手段を視野に入れることになります。

巣立ち直後のヒナを見つけたときは、怪我している場合を除いてそのままそっとしておいてあげてください

 

種によって異なりますが、一般的な野鳥のヒナは巣立ち直後に親鳥から飛び方、餌の取り方、外敵からの身の守り方、仲間とのコミュニケーションの取り方など非常に多くのことを学びます。そのため、ヒナにとって巣立ち直後は大人になるための非常に大切な期間です。巣立ち直後のヒナはまだまだ一人前ではないのでうまく飛べずに地面に降りて休憩したり、親鳥が運んでくる餌を地面で待っていることもあり、近くに親鳥がいることが多いです。しかし、その場所が車の多く通る道で会あったり猫やカラス等に襲われている場合は安全な場所に移動させてあげましょう。

 

巣立ち直後のヒナを保護することは、結果的に親子を引き離してしまうことになります。そして、かわいそうだという気持ちで保護しても、逆に弱って死んでしまうかもしれません。JWCでも毎年保護されたヒナを育てていますが本当に大変で、私たちの手ではどうしても至らない点もあります。親鳥がヒナを育てることが大切なことだと実感しました。

 

一羽でいるヒナを見て、どうしたのかなと関心を持つことは素敵なことだと思います。そう思った後の行動を適切に行うことが、ヒナのために私たちができることです。

 

もし保護できなかったとしても、その子は他の動物のエネルギーになります。鳥視点で言えばかわいそうかもしれませんが、そのヒナ鳥たちもタヌキやイタチにとっては生きていく上で大切な食糧です。

哺乳類もだいたい同じ時期に子育てを始めるので、もしかすると赤ちゃんを育てる為の母乳になるかもしれません。

本来であれば、人の手が加えられることのなかった命です。ヒナ鳥を見つけたとき、たとえ助けられなかったとしても、その命は必ず無駄にはなりません。他の動物の命に繋がったんだと思っていただけると嬉しいです。

 

今後、道端や公園、家の庭先などでヒナを見かけたとき、保護を迷ったときに今一度保護が必要なのかを考え直していただけたら幸いです。

 

ということで今回は、ヒナ鳥の保護に関するお願いでしたビックリマーク

 

お読み頂きありがとうございましたチューリップ

 

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