格別寒かったかなぁとも思わせられた今年の冬だったが、それでも確実に季節は移ろっている。野球界でも3月の声とともに、九州四国などの暖かいところでキャンプを張っていたチームも早いところは戻ってきて、いよいよシーズンを意識した実戦練習となり、オープン戦なども組まれている。社会人野球で言えば、3月2週目には通称「スポニチ大会」と言われている、アマ球界で最も早い時期の大会のJABA社会人野球東京大会が開幕する。
その後は各企業大会や大学との交流戦や各JABA大会などを経て、社会人野球の最大目標でもある、夏の都市対抗を目指す戦いとなっていくのだ。そこへ向けての戦いということになる。神奈川県横浜市鶴見区にある東芝は、ホームに愛知県豊川市の東海理化を迎えての練習試合が組まれていた。
東芝(赤)・東海理化(青)
東芝は都市対抗での優勝7回を誇り、社会人野球の激戦区の神奈川県でもENEOS(旧日本石油カルテックス)とともに、引っ張ってきた存在である。母体である企業の状態が多少厳しい時でも、社会的意義も含めて休部などをしなかったということに対しても、素晴らしいと思っている。まさに、企業スポーツの価値を会社として評価しているということであろう。鶴見駅からバスで15分ほどで到着する総合グラウンドは、その象徴的存在でもある。
東海理化の選手たち
東海理化は最激戦とも言われている東海地区で過去には都市対抗は一昨年も含めて7回、日本選手権は昨年も含めて5回の出場実績を誇っている。東海地区では、中堅チームとしての位置をキープしている。
そんな両チームのシーズン初めのオープン戦は、思わぬ展開の試合となった。
東海理化 001 000 036=10
東 芝 230 030 000=8
7回までで8対1とほぼワンサイド気味で東芝がリード。東芝は先発笹森(白樺学園→上武大)が4回まで投げて、北村(龍谷大平安→青山学院大)が2回2/3を投げて工藤(鶴岡東→神奈川工科大)がワンポイントを投げて、トータル1失点のみ。ここまではほぼ大河原正人監督のイメージ通りの継投だったであろう。しかし、4人目として試合の締めを託された浅野(遠軽→東北福祉大)が掴まってしまい、2イニングで9失点となってしまった。
東海理化の4番武藤(愛工大名電→中部学院大)が8回には2ラン、9回にも4連打などで1点差となった場面で、2死一二塁から同じようなライトの位置に3ランを放った。試合の流れとしては劇的な逆転劇ということになった。
8回と9回に2ラン、3ランを連発した東海理化・武藤健司(愛工大名電→中部学院大)
そして、東海理化は8回から5人目としてマウンドに立った池田(柏日体→拓大)か゜2イニングを完ぺきに抑える形で、完全な負け試合をひっくり返してものにした。シーズン最初の遠征試合をこういう形で勝利したことで、今年の東海理化はいい感じのシーズン入りになったと言ってもいいであろう。
東海理化は、先発の髙橋(愛産大三河→東海学園大)が立ち上がりから掴まってしまい、7安打2本塁打2二塁打を浴びるなどして2回持たずに降板。大いなる誤算だったが、2番手新地(明徳義塾→拓大)らが何とか踏ん張って試合を維持した形だった。そして、それが結果的には8回、9回の逆転を導いたという形になったと言っていいであろう。
東海理化・川上丈太郎(名古屋市立)
シーズン当初のオープン戦ながら「野球は以後まで、どうなるかわからんよ」ということをいきなり示してくれた試合ということにもなった。
東海理化は3番川上(名市工)や5番河田(享栄)にリードオフマンの木村(下関国際)など、高校から直接入った選手も活躍している。チームとしても若い選手が多いので、今季もいきおいに乗ったら、一波乱起こしそうな勢いはある。東海地区の社会人チームとしては注目の一つとも言えよう。
東芝・浅野駿吾(遠軽→東北福祉大)
東海理化の新人、桑垣秀野(中京大中京→立教大)





