東京六大学で最初の女子野球チームということで、昨年設立した明治大の女子野球。チームを率いるのは、高知中央から消防士という仕事を6年経験した後に明治大に入学した藤﨑匠生監督である。現役の明治大農学部の学生でもあり、学生監督ということにもなる。その明治大女子野球が関西学院大を迎えての試合である。
関西学院大と明治大、女子大学野球チーム同士の交流戦
試合そのものは、少し洗練されているかなという印象の関学が、明治を圧倒したという形で5回のコールドゲームという形になった。
関西学院大331 61=15
明 治 大022 00=4 (5回コールドゲーム)
女子野球は現在、高校野球部は増えつつあるけれども、次の受け皿としての大学では、大会も限られているということもあるのだろうけれども、なかなか広がってはいない。そんな中で、六大学の雄でもある明治大が先に手を挙げたということでもあろうか。
明治大は硬派というイメージもあるが、元々、進取の気性があり新しいことを取り入れていくという姿勢は示している。六大学史上最初の女子部員も明治だったし、女子高校野球で光っていた神村学園の小林千尋という投手を迎え入れたこともあった。また、野球部員の移動時の服装を学ランからブレザーにしたのも明治が最初だった。そういう意味では、六大学で最初の女子チームを作ったのが明治というのも納得は行く。
マウンドに集まる明治大の選手たち。30番は藤﨑監督。
伝統ある男子と同じスタイルであり筆記体で紫紺の「meiji」と書かれているユニフォームを着られるということだけでも、野球好きの女子としては意味があるのではないかななんて言うことも思ってしまう。そんなことも思いながら、果たしてどんな野球なのだろうかという思いでもあった。
関西学院は関西学生六大学の男子のユニフォームとは異なっていたけれども、胸文字表記は「KWANSEI」となっていた拘りは何となく嬉しかった。
マウンドに集まった関西学院大の選手たち
そんな思いで観ていた試合だったけれども、送球が山なりだったり、攻守交代がゆっくりしすぎているのかなとか、内野飛球が安打になってしまうというようなことも多く、女子高校野球でトップレベルでやってやっているチームにも及ばないかなという印象でもあった。それでも、選手たちが楽しみながら、まずは先駆として畑を耕していく役割ということを考えていけば、こうした実績を作っていきながら、次へつなげていくことが大事なのではないかなぁなんていうことは思っていた。
試合後は、お互いの交流をしながら、ほのぼのとした雰囲気で、記念写真などのセレモニーが行われていた。まずは、こういう形で大学女子の野球という場を広めていくということからでもいいのではないだろうか。
尚、明治の女子チームは、この先の公式戦としては合同チームとして関東連盟のヴィーナスリーグに参戦していくということである。時間はかかりそうだけれども、少しずつでも育てていって貰えればという思いではある。
関西学院大の榎本投手
明治大・小室投手