大学野球の味わい方とその魅力は、それはそれで奥深い | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 負けたら終わりの高校野球とは違って、大学野球は基本的にはリーグ戦という形で行われている。そして、そのリーグ戦で優勝したチームが集まって、ここからは負けたら終わりのトーナメントで戦っていくのが全日本大学野球選手権大会である。毎年、学生野球の聖地明治神宮球場をメインに東京ドームと並行して開催されている。

東京ドームの広島経済大と和歌山大の試合前、挨拶

 今年で73回目となる大会なのだが、大学野球の地方分散化が進んできた近年は、出場校も増えて、我々観る側にとっては、それはそれで興味深いものとなっている。

 

 この全日本選手権大会の楽しみの一つとして、普段はあまり見られない大学野球の試合が見られるということもある。高校野球よりも、規制の少ない大学野球では、上下色違いのツートンカラーのユニフォームというところも少なくない。東京六大学や東都大学連盟などの所属校など、歴史と伝統のある学校は、なかなかツートンにしていくということも難しいようだけれども、新しく台頭してきたところなどは、大胆なツートンカラーのところもある。また、古くからのところでも、新しい息吹を吹き込もうという意図や、リフレッシュしていこうということを含めて、ニューデザインのユニフォーにするということもあるようだ。

赤と白の社会人野球のようなツートンの帝京大のシートノック

 また、全国大会という舞台でもあり、各校の応援団を観ているのも楽しい。そもそも、そのルーツをたどると学生スポーツは、旧制高校時代の一高と三高、五高と七高造士館、四高と八高、あるいは早慶戦に代表されるように「対抗戦」というスタイルから始まっている。そして、それぞれが学校の名誉と誇りをかけての戦いというところからのものであった。そして、そこに応援団という存在もあったのだ。

吉備国際大の応援      和歌山大の応援

 大学応援団というと、かつては硬派というイメージもあったが、今はそうでもない。伝統の東京論大学野球や東都大学野球、関西学生六大学などはリーグ戦でも応援団が陣取っているが、応援のエールの振り方や動きも微妙に異なる。

 そんな光景を観るのもまた、楽しいものである

関西学生六大学リーグ代表の関西学院大応援団は動きが多い

 また、それぞれの連盟の運営スタイルの差異や、拘りなどを垣間見るのも面白い。例えば、かつては関西六大学野球だったのが、やがて分立して今は関関同立と近大、京大の6校が固定されている関西学生六大学野球と、大商大や京産大、龍谷大、大阪経済、大阪学院、神戸学院の関西六大学連盟の名称を継承したリーグはじめ近畿学生、阪神大学、京滋大学と関西の5連盟はそれぞれでしのぎを削っている。今大会では、関西5連盟の代表すべてが初戦突破を果たしたのも話題となった。天理大は勢いに乗ってベスト4まで進出した。

関西学院大は胸の表記は「KWANSEI」である。だから、ルビを振るのであれば「くわぁんせい」ということになる。これは、学校としての拘りでもある。ちなみに関西大学は「KANSAI」となっている。

 ユニフォームや応援スタイル、試合前のアップの入り方など、それぞれの文化の違いを発見しながら観ているのも楽しみの一つである。そういう意味では、ボクとしては大会序盤で各地区の連盟代表がグラウンドに姿を現した試合前の時間を見つめているのが至福の時間でもある。

 

 

ことに、

大会では、