交流戦で、ペナントレースの流れを変えるチームはどこか…? | 週刊テヅカジン

週刊テヅカジン

手束仁が語る、週刊webエッセイ

 プロ野球は、交流戦のシーズンとなっている。今季は、5月28日から6月16日までという日程で、6カード、各3連戦が組まれている(雨で流れた日程が17以降予備日に入る)。各チームとも都合18試合ということになるのだけれども、この交流戦をどう乗り切っていくのかということで、ここまでのペナントレースから流れが変わっていくというところも少なくない。

交流戦「中日ドラゴンズ・東北楽天イーグルス」

 ことに、これで勢いをつけて一気に浮上していくというところもあった。今季は、それが楽天のようで、ここへきて勢いがいい。7日からはバンテリンドーム名古屋に乗り込んでの3連戦となったが、最初の2戦を楽天が制して勝ち越した。しかも、3連戦初戦では、以前は中日にいた阿部寿樹(一関一→明治大→Honda→中日)がタイムリーを放ってその得点を楽天の早川隆久(木更津総合→早大)が守り切るという形で、中日は完封負け。

東北楽天イーグルス・早川隆久

 本当は中日こそ、この交流戦が浮上のチャンスかなとも思っていたのだけれども、そうも思っているようにはいかんようで、涌井秀章(横浜→西武→ロッテ→楽天)も、古巣相手に好投はしていたとは思うのだけれども、結局打てんという状態は続いていしまっていたということだった。

 この3連戦、下手したら3連敗かと思われた中日だった。それでも、何とか3戦目は逆転勝ちして交流戦5勝7敗となった。これで交流戦順位としては9位。スタートはそこそこいいのかなと思っていたけれども、何だか今の中日のおるべき場所にとどまってしまったという感じである。

中日の先発涌井秀章も、よく投げたんだけれどもなぁ

 ちなみに楽天は4カード終わって9勝3敗。交流戦順位は首位に立っている。まさに、交流戦で勢いづいたといっていいであろう。これで、パ・リーグの中盤戦は、また面白くなってくるのかもしれない。

 セ・リーグでは、最下位だったヤクルトが交流戦6勝4敗2引き分けでジワリと浮上してきそうだ。セ・リーグの順位ということで言えばDeNAと中日に迫ってきているのだ。

 ということで、中日はいよいよ尻に火がついてきた。それでも、週末のバンテリンドームは連日満員のようだった。

何だかんだ言って、よーさん人が入っとるバンテリンドーム名古屋

 

 ところで、ここでちょっとおさらいしておこう。

 交流戦は2005年からスタートしているのだけれども、その切っ掛けとなったのが前年のプロ野球選手会のストライキがあった。これは、水面下で進んでいた1リーグ制へ向けての球団消滅、合併などがあって、それに抵抗することからストライキとなったことに端を発する。結局、近鉄がオリックスに吸収合併されるような形になったのだけれども、12球団を維持するために新規参入してきたのが楽天だった。この時に、堀江貴文のライブドアなども手を挙げている。

こんなキャラクターが試合前なんかに現れるのも今のプロ野球

 そうした中で楽天が新球団となったが、その折に、当時はまだ「セ・リーグ>パ・リーグ」という人気構図もあった時代である。交流戦を行うということで人気をシャッフルしていこうというところもあったのかもしれない。

 いずれにしても、ここから始まった交流戦は、今やこの時期の一つのプロ野球のアクセントとなっている。普段はあまり見られないカードやチームが観られるということもあり、ファンにとっては楽しみな季節にもなってきているのだ。