トヨタスポーツセンターで「中京大中京・横浜」の全国レベル対決 | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 夏本番まで、一カ月となった6月の高校野球。東北はまだ、地区大会の日程が残っているが、全国的には招待試合が組まれている地区もある。また、全国的な強豪各校は週末を利用しての遠征試合なども多く組まれている。

入念にグラウンド整備をする

 ことに、全国的な強豪同士の対戦カードが多くなるのもこの時期の練習試合の特徴と言っていいであろうか。お互い、現状の自分たちの力がどのくらいの位置にあるのかということを確認しながら認識していくことも大事な要素であろう。

 また、一方でベンチ入りの登録の期日も迫っており、各選手たちはこの夏の背番号を目指して最後のアピールもしていかなくてはいけない。指揮官たちも、実戦の中で、各選手の力量を確認しながら、戦い方をシミュレーションしていかなくてはならないのだ。

横浜の選手たち

中京大中京の選手たち

 9日は、愛知県豊田市のトヨタ自動車のグラウンドでもあるトヨタスポーツセンター野球場では中京大中京が神奈川の強豪横浜を迎えての試合となった。

 

中京大中京000 003 000=3

 横 浜 021 112 10X=8

 

 横 浜 010 000 000=1

中京大中京000 100 001X=2

 

 横浜は全国区の強豪だが、昨秋の神奈川県大会準優勝校で関東大会進出も果たしたが、初戦で花咲徳栄に競り負けた。今春の神奈川県大会は、昨夏の全国優勝校慶應義塾を破るなどでベスト4に進出したが、ライバル東海大相模に敗れた。それでも、夏の第1シードは確保した。

 全国最多の甲子園勝利数を誇る中京大中京は昨夏の愛知大会準優勝校でもあるが、昨秋の県大会は3回戦でタイブレークの末に愛産大工(現名古屋たちばな)に悔しい負けを喫して、そこからもう一度チームを再建してきた。今春は県大会で準優勝し、2位校で出場した東海地区大会では加藤学園、津田学園、菰野を下しての優勝。中京大中京健在ぶりを示した。

中京大中京・中井遙次郎君

横浜・奥村頼人君

 中京大中京はエース中井遙次郎君、横浜は2年生エースの奥村頼人君と両左腕が先発。投手戦になっていくかと思われたが、横浜は2回に奥村君自身の三塁打で先制すると、そこから7回まで細かく得点を重ねて中井君を攻略。

 中京大中京は注目の好打者山田頼旺君が6回に3ランを放って抵抗を示したにとどまった。中井投手は、もう一ついつもの切れがなかったようだ。

 そんな中で中京大中京は、この春の県大会から頭角を現してきた佐藤爽楽君が安定したところを見せた。1試合目は最後1イニングを絞めて、2試合目は4イニングまで投げて無死一三塁から併殺の間に1点を失ったがその失点のみ。安定ぶりを示して、高橋源一郎監督を安心させた。

3ラン本塁打してホームへ向かう中京大中京・山田頼旺君

 打線に関しては、高橋監督は「まだ、甘い球をとらえきれていませんね。相手は、そこを捉えてきました。その差がスコアの差になってしまいました」と見ていた。それでも、ロースコアで競り合った2試合目は、9回山田君からチャンスを作り、横浜3人目の安松辰君が、やや力んで暴投となってしまったという、中京大中京にとっては幸運な形でのサヨナラとなった。

 ミスなども多少はあったが、さすがに質の高い試合内容だったかなという印象でもあった。