ラグビーシーズンは終盤、D2とD3入替戦は古豪対決で、ハードな戦いになった | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 まもなく梅雨を迎えるシーズンになってくるのだけれども、12月から始まったラグビーシーズンは、今週末で今季のJapanラグビーリーグONEは幕を閉じることになる。ということで、ボクは今週末はラグビーウィークということになった。この日は、飛田給のAGFフィールドで行われたDIVISION2とDIVISION3の入替戦に向かった。

 D2は6位に沈んだ日本製鉄釜石シーウェイブス。1959年創部で、かつては黄金時代を築いたこともあた新日鐵釜石が母体の名門チームと言っていい存在だ。D3から浮上を狙うのはクリタウォーターガッシュ昭島。こちらも前身は1962年創部の栗田工業で関西社会人リーグに所属していたが、ホームを東京都昭島市に移転して今日に至っている。

 

入場するクリタWG昭島(水色) 日本製鉄釜石SW(赤)

 

クリタWG昭島昭島 26(14―24/12―17)41 日本製鉄釜石SW

 

 JapanラグビーリーグONEは来季からは3チームが新規参入するということが発表されている。そのことで、現状6チームのDIVISION2は8チームになる。従ってDIVISION3の上位2チームはそのまま自動昇格となった。ということで、3位のクリタが入替戦に臨んでいくということになった。

前半の立ち上がりは、赤の釜石が圧倒して3トライとゴールを奪った

 

 前節の1回戦は釜石が37対19と2トライ2ゴール差以上で勝っており、クリタとしては厳しい状況での戦いとなった。その試合では、WTB⑭阿部竜二(黒沢尻工→関東学院大)がMOPになっている。釜石は開始早々の4分に、その阿部が左ラインアウトから右展開で右スミにトライ。さらに、2分後には自陣からのカウンターで追加点。19分にもFB⑮ヘンリー(NZ)からWTB⑪小野(磐城→東海大)に出てトライ。序盤で3本トライして21点差となった。これは、やはり釜石がそのまま圧倒していくのかなとも思えた。クリタとしてはSO⑩ピアーズ(イングランド)が早々に負傷退場となったのも痛かったかと思われた。

熱心なファンも多く、入替戦に足を運んできている

 ところが、クリタも反撃して29分に一本返し38分にもWTB⑭ホセア(トンガ、大東文化大)の巧みな走りでトライを返して10点差。後半へ興味を繋いだ。

 後半はクリタの流れとなってはじまり11分にWTB⑪濱副(つくば開成→拓大)のトライで追い上げる。そして23分にはSH㉑杉原(大阪桐蔭→帝京大)から再び⑪濱副へ出て同点トライ。㉒林田(天理→天理大)がゴールを決めて逆転。試合としての興味は増してきた。

 しかし、クリタの抵抗もここまでだった。釜石は34分、38分とさらにはロスタイムのラストプレーで3つのトライを奪って、たちまちリードを広げてしまった。結果的には、D2をシーズン戦ってきたチームと、D3の3位チームとの力の差を見せつけたということになった。これで釜石は、D2に残留ということになった。

 クリタは来季は、新規参入の3チームを含めた6チームでD3で戦うことになる。なお参入チームは、セコム・ラガッツ(狭山市)、ヤクルト・レピンズ(戸田市)の埼玉県2チームとルリーロ福岡(うるま市)と発表されている。ボクとしては、こうしてすそ野が広くなっていくことはいいことだと思っている。だから、来季はDIVISION1はもちろんのこと、江東区の清水建設ブルーシャークスが昇格したD2や、クリタらのいるD3の戦いも楽しみである。