ファームの新規参入球団、くふうハヤテと中日の試合を観た | 週刊テヅカジン

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 今季から、NPBに新規参入した静岡のくふうハヤテベンチャーズの試合を初めて観た。この日は、教育リーグとしてナゴヤ球場で中日と試合が組まれていた。果たして、どんなレベルでどんな試合をするのだろうかという興味はあった。

中日Dragonsと、くふうハヤテの試合が行われていたナゴヤ球場

 中日は、故障で出遅れていた岡林(菰野)がこの日は3番DH、降格してきたビシエドが4番に入っていた。投手は一軍格の福谷浩司(横須賀→慶大)が先発して5イニングを投げた。調子はもう一つのようで8安打を浴びた。それでも、毎回走者は出しつつも1失点に抑えたのはさすがと言ってもいいのか。それとも、やはりハヤテにもう一つチャンスに攻め入ってくる、決定力がないのかといったところだった。

 

くふうハヤテ 001 000 200=3

中日Dragons 002 010 20X=5

さすがにソフトバンクの一軍経験者の実力を示した福田秀平

 ハヤテは元ソフトバンク→ロッテの35歳、3番福田秀平(多摩大聖ヶ丘)が4安打放ち、さすがに一軍経験者らしさを示した。また、8番に入っている富山太樹(乙訓→國學院大→BCL栃木)は三塁打、二塁打、中前打と3安打して気を吐いた。ことに、福谷からの2本の長打は「どうして8番なのかな…」と思わせるくらいだった。

 先制点はハヤテで3回に一塁に福田を置いて5番深谷(飛龍)の右越二塁打で帰した。

 それでも、さすがに中日も、2四球とと重盗で二死二三塁としたところで、5番福永(天理→専大→日本新薬)の左前打で逆転。さらには5回にも福永の犠飛で追加。中日は、7回に追いつかれたものの、その裏には福永が左越ソロを放ちリード。さらには四球と盗塁と悪送球で一死三塁として代打モニエルが右犠飛を放って2点差と広げた。

安打されながらも併殺で取り、1イニングを3人で抑えた上田洸太朗(享栄)
 中日の投手は、福谷の後は上田洸太朗(享栄)が1イニングをきちんと投げたが、3人目の育成の加藤翼(帝京大可児)は「ウォッ!」と声をあげて投げ込んでいたが、気合の空回りみたいになってしまっていた。打者6人に対して4安打1四球で一死しか奪えず2点を失って同点としてしまった。こんな内容では、なかなか育成から昇格できないのではないかと思えるものだった。8回は、去年DeNAから移籍してきた砂田(明桜)、9回は石森(遊学館→東北公益大→熊本ゴールデンラークス)がともに3人ずつでしっかりと投げて、今季への期待を感じさせた。

今季、ある程度は期待できそうな石森大誠

 ハヤテの先発はドミニカ出身のモラで4イニング2失点だったが7四球。リリーフしたオリックスの育成だった西濱(関東学園→BC群馬)も4イニングを投げたが、7四死球で3失点。投球のリズムも悪く、いたずらに時間ばかりがかかっていたかなぁという印象でもあった。1試合で投手2人が14四死球では、ファームとはいえやはりプロというには、ちょっといただけないのではないのかなと思わざるを得なかった。

3安打を放った、くふうハヤテの富山太樹(乙訓→國學院大→BCL栃木)

 ハヤテは、一人で複数ポジションをこなさざるを得ないなど、チームとしての層の薄さも仕方のないところでもあろう。果たして今季を終わった時に、どのようになっているのかな…という気にもなった。こんなこと言っちゃあいかんのかもしれんけれども、戦力としては社会人野球の上位チームの方が上ではないのかなと感じてしまった。