家族を守ることをテーマとした『マイホームヒーロー』 | 週刊テヅカジン

週刊テヅカジン

手束仁が語る、週刊webエッセイ

 原作は大ヒットコミックということの『マイホームヒーロー』(青山貴洋・監督/船橋勧・脚本/原作=山川直輝)。テーマとしては大きく「家族を守る」ということが、むしろ過剰なくらいに感じられたところはあった。まあ、それは映画的な部分の誇張ということでは良しとしておこうかとも思えるので、いいかなというところではあるのかなぁ。

 

 希望的な明るさを感じさせるタイトルに対して「娘よ、君の彼氏をしました」というショッキングな宣伝コピーが踊っていたのも、ちょっと刺激的かなと思っていた。それと、佐々木蔵之介に関しては、このところ面白い作品が多いので期待も高かった。その妻役の木村多江にも期待はあったかなぁ。

 おもちゃメーカーの一営業課長であり、娘と年の離れた息子の一男一女の父親でもあるフツーのお父さんが主人公(佐々木蔵之介)。ところが、実は7年前に娘を守るために半グレ組織の男を殺害している。その罪を隠し続けていたのだが、皮肉にもその娘は正義心があり格闘にも強い刑事となっていた。親思いで、心も優しい娘(齋藤飛鳥)に育っていたのだが、そんな娘と年の離れた弟と優しい母親との平和で温かい家族での日々が続いていたのだが…。

 ある日、大雨によって土砂が流れて、山中から白骨死体が発見されるということがあった。しかも、その身元が元半グレの男だったということが分かる。そこから、事態は大きく進んでいくことになる。

 そして、そこからは展開もどんどんと過激になっていくのだけれども、主人公が趣味としてサスペンス小説を書いていたということも伏線になっていく。さらには、事件の解決が進んでいくにつれて、父親と娘の二人の絡みも見どころにもなっていく。

 事件の解決へ向けていく中で、思わぬ殺害事件や、半グレ組織の関係性などもわかってくるのだけれども、事件の結末へ向けては、いくらか強引な形で進んでいったのかなという印象でもあった。それに「よかった、よかった」のハッピーエンドではなく、まあ、着地していくのだろうなと思われそうな所へ着地したのかなと思う。

 だから、映画としては大どんでん返しがあるワケではなく、終わってみたら、納得は行く展開だったのではないかとは思う。どこにでもいる普通のミステリー小説好きのお父さんが半グレ組織と戦うという中で、命がけの戦いもしていく。そんな非日常性も「ノンストップファミリーサスペンス」ということなのだろうか。

 映像的には傷の治り方が早すぎるかななんて言うことも、気になったところではあったけれども、まあいいかというところだろうか(苦笑)。

  なお、この作品🎥は、イオンシネマ岡山で観た。かなり、大きなスクリーンはよかった😅。