冷たい雨が降りしきる中、リコーBR東京とコベルコ神戸との試合 | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 第6節を終えて1勝5敗勝点7で10位のリコーブラックラムズ(BR)東京。リコー時代から創部70年となる名門である。昨季は7位まで浮上したのだけれども、今季は、ここまでいい試合をしながらも、なかなか勝ちがついてこない。いい試合をしているだけに、DIVISION2落ちは避けたい。まず10位以内には残って入替戦は回避したいところであろう。

入場するリコーBR東京(黒)とコベルコ神戸S(赤)の選手たち

 対するコベルコ神戸スティーラーズも1928年創部で神戸製鋼時代には幾多の名勝負を演じてきているし、多くの日本代表選手を輩出もした。日本ラグビー界に一時代を築いている名門である。トップリーグ時代になっても2019年にカップ戦で優勝を果たしている。それだけに、昨季の9位、現在の3勝3敗の8位は不本意であろう。

 

リコーブラックラムズ東京 17(10―10/7―17)27 コベルコ神戸スティーラーズ

 

 前日の冬晴れから一転、この日は午前中から冷たい雨も降っていて気温も低い。芝生も水を含んだ悪コンディションとなった。こういう日の試合では、手がかじかんでいるしボールも滑るのでノックオンやパスミスも多くなる。ゴール近くでのPKでは、角度によってはショットを、選択するケースも多くなるであろう。それだけに、DFとしてはゴール近くでの反則は気をつけたいところであろう。そんなゲームプランだったのではないだろうか。

 リコーのホストゲームということで、雨にもかかわらず、この日の駒沢陸上競技場には4000人を超える熱心なファンも多く詰めかけていた。

激しいFWの攻防はほぼ互角だった

 小雨の降る中、序盤は様子の窺い合いのような展開だったが、どちらも決定的な形にはなれなかった。スコアが動いたのは開始12分だった。神戸は正面30m付近からSO⑩ガットランド(NZ)がゴロパントで右へ転がし、CTB⑫マウラベ(NZ)が走り込んだところへボールが跳ねてそのまま抑えてトライ。

 その2分後には、リコーもPGを⑮マッガーン(豪)が決めて食い下がる。28分には今度は神戸がPGを決める。やはり、慎重なPG合戦にもなってきた。どちらもなかなか攻めきれないというとこもあったようだ。

 それでも、34分にリコーは相手22m内に攻め込んでPKから5mラインアウトでモールとなり、そのまま押し切ってNO⑧ヒューズ(フィジー)が抑えてトライ。ゴールも決まる。結局、同点のまま前半終了となった。

ラインアウトからモールという形で、リコーは2本トライを奪ったが

 後半に入って、最初の一本がどういう形でどちらに入るのかと注目していたが3分、あっけない形でトライとなった。神戸はルーズボールをWTB⑪松永(大産大附→筑波大)が足で引っ掛けて前へ運んでいたが、そこにDFに入った西川⑭(豊明→中京大)がアーリータックルの反側をとられてしまい、認定トライということになった。さらに、西川は10分間のシンビン退場となってしまった。

 神戸はその後、PGも決めてリードを広げる。それでもリコーも22分に、またしてもラインアウトからモールで進めて、今度はHO②武井(國學院栃木→明大)が抑えて食い下がっていく。これで次の一本で逆転もあり得るというところにまで迫った。しかし26分、神戸は敵陣に少し入ったところからのオープンパントで攻め、インゴールでWTB⑭山下(常翔啓光学園→京産大)がキャッチしてそのまま抑えた。ゴールも決まった。

 その後はリコーも反撃して相手陣内に攻め入っていた。しかし、神戸はしっかりと守りで堪え、リードをキープして辛くも逃げ切った。

毎節、いい試合を展開しているリコーBR東京だが、勝ちに恵まれない

 リコーは1勝6敗となってしまったが、負けてもいい試合は展開しているという印象である。何とか、切っ掛けが欲しいところだろう。