法政大が健闘したが、流通経済大が残り10分で逆転して力を示す | 週刊テヅカジン

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手束仁が語る、週刊webエッセイ

 関東大学ラグビーのリーグ戦グループの試合は、11月27日の試合でシーズンの日程を終了し、あとは2週間後の入れ替え戦を残すのみとなった。今季は、二部から上がった東洋大と立正大が健闘して大いに盛り上がった。流通経済大も、昨季はやや不本意な成績だったが、今季はここまで勝ち点21の5勝1敗で2位が確定。全国選手権への出場が決定している。最終戦は、法政大との試合となった。

法政のラインアウト、激しいボールの奪い合い

 

流通経済大 42(14—25/28—7)32 法政大

 

 もっとも、打倒東海大を掲げて、リーグ戦制覇~全国選手権ベスト4以上を目指している流通経済大としては、ここはまだまだ通過点である。

 ただ、リーグ戦最終戦となったこの日は、法政大が残り10分まではリードを奪う大健闘。法政大は早いタイミングのタックルで、展開ラグビーと個人技を身上としている流通経済大を、早め早めに潰していって前半は、試合をキープしていっていた。

 戦力的には上かと思われる流経大に対して、臆することなくぶつかっていく法政大のタックルも見ていて非常に素晴らしいと思えた。そして、そのタックルそのものの仕掛けも早いので、流経大が展開しきれないという状況でもあった。

流通経済大(白)と法政大(青・橙)の両校入場

 

 法政大としては、この先のポストシーズンがあるわけではないけれども、伝統校としての意地を見せてくれていた。そんな思いで、ボクも、思いはいささか法政大に傾いて行っていたところだったがさすがに流経大は勝負強いというか底力はあった。

 立ち上がりの3分に流経が№⑧ティシレリ君(1年・トンガ)の力技のトライで先制。キッカー⑭堀井君(4年・大東文化大一)も安定していた。これに対して法政も5分にPGで3点を返す。16分には30m以上のやや角度のあるPGを⑮石岡君(3年・御所実)が決めて1点差とした。しかし流経大は19分にFB⑮中村君(2年・常翔学園)が50m近くを独走してトライ&ゴールで突き放す。

長い距離のキックを決めた法政のキッカー⑮石岡君(3年・御所実)

 

 ところが、20分過ぎから法政が猛反撃をしていき、試合は見どころ満載となっていく。24分、ゴール前の右展開からHO②井口君(4年・静岡聖光学院)が抑え込んで反撃。ゴールも⑮石岡君が決めて再び1点差。さらに29分には22mライン付近のPKはSH⑨小山田君(1年・桐蔭学園)がチョン蹴りから突進しRW⑭坂田君(4年・東海大大阪仰星)につないでトライで逆転する。なおも、40分にも自陣からのカウンターアタックでFB⑮石岡君が走り切ってトライで25―14で法政リードで前半終了。

法政は、早いタイミングのタックルが功を奏して中盤をリード   

 

 後半開始早々は、中盤の攻防が続いたが、12分に流経大はLO➄アピサロメ君(4年・フィジー)がタックラ―を引きずりながら強引にトライ。その直後の14分には法政がキックオフボールからFWが一体となり、RC⑬中井君(2年・大分舞鶴)→№⑧高城君(3年・高鍋)につないでトライ。どちらも難しい角度のゴールも決まる。こうして法政リードで30分近くになって流経が見事なオープン展開でLC⑫土居君(4年・流経大柏)が右中間に飛び込んでゴールも決まり4点差。

 残りを何とかリードをキープしたい法政だったが、ここで流経大の突破力が爆発。カウンターから RW⑭堀井君が40m近く走り切って逆転トライ。ゴールも決める。さらにロスタイムになっても、再び⑭堀井君が切れ込んでダメ押しのトライとゴール。

 こうして、最後に展開力と個人技で勝る流通経済大が底力を示した。この試合のPOM(プレーオブマッチ)には堀井雄登君(4年・大東文化大一)が選ばれた。