劇場の予告編でも何度も見せられ、テレビでもパブリシティ番組なんかもあったということで、ある程度予習した情報を得て足を運んだ。だから、甘いラブストーリーを思わせそうなタイトルだけれども、そうではなくて親子殺人の背景を探っていく心理サスペンスタッチの社会派映画であるという認識は十分に持って挑んだ。
ただ、ある程度予習をしていると、むしろ、このタイトルの裏に隠されたものを見つけなくてはいけないという気になってくる。というか、なぜ、このタイトルなのかということを探るのも映画を見ていく興味となった。
そして、犯人とされた女子大生の心理を取材していこうというところから関わる公認心理士の北川景子と、その事件の担当となる若手の辣腕弁護士の中村倫也との二人の過去の関係。さらには、その兄(実は、義理)であり、北川景子の夫となっていて写真家の窪塚洋介との複雑な関係性などが、ドラマのサイドストーリーとして巧みに絡み合っていく。
また、この登場人物たちの誰もが背負い、引きずっていく子ども時代や青春時代の小さなわだかまり、親への不信感。そう言ったものが、事件の解決の背景にも、それを分析てしていく公認心理士の中にも露呈していく。
やがて、それらをカミングアウトしていくことで、それぞれがそれぞれの中で、覆っていた心の壁を少しずつ取り除いていく。
意表を突くかのように、美術大学キャンパスの引きの映像から始まった映画は、そこからカメラが寄っていくと、いきなりのトイレでの死体。さらに、血の付いた包丁を持って歩く女子大生というショッキングな映像で続いていく。時に、10年前の時代にフラシュバック的に戻していきながら、北川景子と中村倫也との過去の関係性も見えてくる仕組みになっている。また、容疑者となっている女子大生の少女期の体験やそこで起きていたことも露呈されていく。
そうこうするうちに、映画はいつしか法廷劇となっていくのだが、そこでは中村倫也の弁護士としてのキレ者ぶりが上手に表現されていた。このあたりは、法廷サスペンス的な味わいもあった。検察側の冷静にして陰湿な質問も、臨場感を増させていた。
映画としては、背景のテーマには家族があったと思う。映画表現にとって、家族というのは永遠不滅のテーマでもあるということも再認識することが出来た。
そして、「ファーストラヴ」とは、初恋ではなくて、初めて本当に愛する人という意味だという理解でボクの中で収まった。それが、恋人なのか親なのか、兄弟なのか、家族なのか…。それはそれぞれによって異なるてあろう。いずれにしても、人は誰を初めて本気で愛するのか。
何を本気で愛していかれるのか。「ファーストラヴ」とは、そういうことを意味しているのではないかと思った。


