
2025年8月22日付 SNEPシングル&アルバムチャート
※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)
【シングルチャート】
1 Parisienne - Maître Gims, La Mano 1.9
2 Soleil bleu - Bleu Soleil,Luiza
3 Tu me rends bête - Maître Gims, Damso
4 Charger - TRIANGLE DES BERMUDES
5 Viano - RK, Genezio
6 Ruinart - R2
7 Air Force blanche - Maître Gims & JuL
8 Appelle ta copine - Maître Gims
9 Melrose Place - KeBlack ft.Guy2Bezbar
10 Adoriano - Niska
【アルバムチャート】
1 Le Nord se souvient:L'Odyssée - Maître Gims
2 D&P à vie - JuL
3 Terminal 7 - Djadja & Dinaz
4 Mega BBL - Théodora
5 HIT ME HARD AND SOFT - Billie Eilish
6 Nés pour briller - L2B
7 BĒYĀH - Damso
8 Focus - KeBlack
9 Diamant noir - Werenoi
10 BDLM Vol.1 - Tiakola
今週はMaître GimsとLa Mano 1.9による「Parisienne」がシングルチャートの新たな1位になりました。リリック(paroles)の「Avenue Montaigne(モンテーニュ通り)」は、パリ8区にある高級ブランドショップ街。前週まで1位の「Soleil bleu」は2位に後退しています。3位にMaître GimsとDamsoの「Tu me rends bête」(あんた、私をバカにするの)が初登場。リリックにさりげなく戦争反対のメッセージを忍ばせてくるMaître Gims先生は今週、トップ10に4曲がチャートインしています。
シングルチャートで前週の8位から5位に浮上した「Viano」(ヴィアノ)で23歳のアルジェリア系ラッパーRKとデュオしているGenezio(ジェネツィオ)は、2021年ソロデビュー。ヴェルサイユに近いイヴリーヌ(Yvelines/78)県Le Chesnay(ル・シェネ)生まれで、ヴァル=ド=マルヌ(Val-de-Marne/94)県ヴィルヌーヴ=サン=ジョルジュ(Villeneuve-Saint-Georges)出身の22歳。コンゴ系と言っても旧ベルギー領のコンゴ民主共和国(首都はキンシャサ)ではなく旧フランス領のコンゴ共和国のほうで、少年時代にその首都のBrazzaville(ブラザヴィル)に住んだこともあります。
アメリカのラッパーYoung Thug(ヤング・サグ)やアトランタのバウンス・ミュージックの影響を受けますが、コンピュータ好きで高校時代はサウンドエンジニアもやっていました。その頃、友人たちと音楽活動を始めた時のグループ名「la Gé」がステージネームの起源です。
アルバムチャート1位は7週連続でMaître Gimsの「Le Nord se souvient:L'Odyssée」でした。5位にアメリカの才女、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)が2024年5月に出した「HIT ME HARD AND SOFT」が、なぜか再浮上。彼女とDjadja & Dinazが割り込んできた玉突きで、以下のチャートイン曲は前週から順位を下げています。
ニューリリースが途絶える夏も、もうすぐ終わります。秋の新作ラッシュでどんなアルバムが飛び出してくるか、今から楽しみです。
Djadja & Dinaz(ジャジャ&ディナズ)
今週のアルバムチャートで、6月27日リリースで7月4日付では1位にもなった「Terminal 7」(ターミナル7)が3位でトップ10に再浮上したDjadja & Dinaz(ジャジャ&ディナズ)は、共にセーヌ=エ=マルヌ(Seine-et-Marne/77)県モー(Meaux)出身という幼なじみのマブダチ(マイメン)で、現在28歳のヒップホップ・デュオ。彼らについては2023年3月14日号で触れていますが、それから1年半が経過したので、その後の活躍も含めて改めてくわしくご紹介します。
本名は、DjadjaはGianni Bellou(ジャンニ・ベロウ/両親はアルジェリア系とイタリア系)、DinazはAzzedine Hedhli(アズディン・エドリ/両親はチュニジア系とアルジェリア系)といいます。デビューは2014年でしたが、その年末にリリースした「Laisse-nous faire notre biff」(「俺たちのやり方でやらせてくれ」という意味)によって全仏の注目を浴びます。と言っても曲それ自体ではなく、パーキングで彼らを交えた12人が「実弾射撃」を撃ちあうMVの映像が警察沙汰になったからでした。死傷者はいませんが裁判で4人が懲役刑の判決を受けています。
※ビデオ編集の段階で銃声音を入れれば逮捕されることはないのですが……。日本の刑事ドラマのロケではモデルガンの引き金を引くたびに俳優に口で「パン」「パン」と言わせて音入れのタイミングの目印にしていました。渡哲也さんが「徹子の部屋」で「子どもの遊びみたいで、すごく恥ずかしかった」と言っていました。
どこかのユーチューバーのように、ろくでもないことで有名になったこのコンビですが、2016年のデビューアルバム「On s'promet」は最高5位。2017年の「Dans l'arène」は最高4位、2018年の「Le revers de la Médaille」は最高2位、2019年の「Drôle de mentalité」は最高3位で、2021年の「Spleen」(「憂鬱」あるいは「脾臓」)が初の最高1位になります。2023年のスタジオアルバム「Alpha」も最高1位でした。「Terminal 7」は約2年ぶりの新作で、3作連続最高1位です。
シングルのほうでは2019年に「Possédé」が最高3位、「Un million par mois」が最高10位とトップ10入り。2020年の「Perdu」は最高4位。2021年には「À cœur ouvert」がシングル初の最高1位に、「Dans le réseau」が最高7位になっています。2023年は「La force tranquille」で最高7位、「Capitaine」で最高5位になっており、フランスのヒップホップデュオとしては今やPNL(ぺネル)やBigflo et Oli(ビッグフロー&オリ)と並び立つくらいの人気を得ています。
2023年12月にはパリのベルシー地区にある17000席収容のAccor Arena(アコー・アリーナ)で連続2日間のコンサートを成功させ、その動員力を証明しています。
では、約2年のブランク(充電期間?)を経て2025年6月にリリースされたシングル「Avancer」をお聴きください。アルバム「Terminal 7」に収録されています。そのリリック(paroles)は、たとえば「L'amour,c'est nocif comme le tabac」(拙訳:愛、それはタバコのように有害だ)というような物憂げなフレーズの連続。う~ん。アルバム「Spleen」から4年たっても、気分はいまだにボードレール(Baudelaire)ですか?
Djadja & Dinaz(ジャジャ&ディナズ) - Avancer
では、また来週
À la semaine prochaine!





























