2026年5月8日付 SNEPシングル&アルバムチャート
※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)
【シングルチャート】
1 Pocahontas - PLK
2 Melodrama - Disiz, Theodora
3 Pineapple - Leto
4 Elle voulait - RnBoi
5 Dracura - Tame Impala
6 Billie Jean - Michael Jackson
7 René Caovilla - Gambi
8 Beat It - Michael Jackson
9 Spa - Maître Gims, Theodora
10 Avec moi - RnBoi ft.Nono La Grinta
【アルバムチャート】
1 Numéro d'écrou - La Rvfleuze
2 Grand Garçon - PLK
3 My Eyes Only-Flashback - RnBoi
4 Michael:Songs From The Motion Picture - Michael Jackson
5 Le nord se souvient:L'Odyssée - Maître Gims
6 Arirang - BTS
7 Pyramide 2 - Werenoi
8 Mega BBL - Theodora
9 Sombre mélodie - Landy
10 DeBÍ TiRAR MáS FOToS - Bad Bunny
今週、シングルチャートは前週の1位と2位が入れ替わり。PLKの「Pocahontas」が3月20日付以来の1位にのぼりつめ、DisizとTheodoraの「Melodrama」は2位に後退しました。
6位に「Billie Jean」、8位に「Beat It」が浮上して、故・Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)の曲がシングルトップ10に2曲チャートイン。アルバム「Michael:Songs From The Motion Picture」の収録曲で、伝記映画『Michael/マイケル』の公開効果は絶大です。字幕作成の手間がかかるためか、日本では6月12日に劇場公開されます。主演は彼の兄ジャーメインの息子で実の甥、29歳のジャファー・ジャクソンです。
アルバムチャートでは今週、新作の登場はなく、La Rvfleuze(ラ・ルヴフルーズ)の「Numéro d'écrou」(囚人番号)が4月10日付以来の1位に再浮上しました。この24歳のセネガル系のドリルラッパーについては2026年3月3日号でくわしくご説明しています。前週1位だったマイコーの伝記映画のサウンドトラック盤は4位に後退しています。
8位のコンゴ系女性ラッパーTheodora(セオドラ)の「Mega BBL」(2月のヴィクトワール音楽賞で最優秀アルバム賞を受賞)と、10位のプエルトリコのアーティスト、Bad Bunny(バッド・バニー)の「DeBÍ TiRAR MáS FOToS(デビ・ティラール・マス・フォートス)」が、アルバムチャートのトップ10に返り咲きました。
PLK
今週、シングル1位に「Pocahontas」、アルバム2位に「Grand Garçon」がチャートインしたPLKは、2023年4月25日号、2026年3月24日号で少しご紹介したことがありますが、1997年4月、パリ14区生まれで現在29歳。本名はMathieu Pruskiといい、父親はポーランド系で、ステージネームのPLKはポーランド人を指すPolak(ポラック)の略です。母親は地中海のコルシカ島アジャクシオ(Ajaccio)出身で、皇帝ナポレオン1世、アリゼ(Alizée)と同郷です。
9歳で作詞、13歳で作曲を始め、14歳で近所の仲間とバンドを結成。ラッパーKrisyの助力で2017年6月、20歳でミックステープ「Ténébreux」「Platinum」でラッパーとしてソロデビューします。2018年10月にはファーストアルバム「Polak」を出して最高6位。Maître GimsがいたSexion d'AssautのメンバーLefaや、Sofiane、SCH、Nekfeuなどフレンチラップの有名どころともコラボレーションし、映画『Taxi 5』のサウンドトラック制作にも参加していますから、デビュー当時からその才能を見込まれていたのでしょう。
その後、アルバムでは2020年の2枚目の「Enna」が最高2位、2023年の「2069'」が最高2位、そして2024年の「Chambre 140」で初の1位になります。シングルでは2019年の「Un peu de haine」、2023年の「Demain」が最高1位でした。2024年にはGazo、Hamza、JuLとコラボしたシングルがトップ10入りし、2026年に入ってからは今をときめくTheodoraとコラボしたシングル「Sex Model」が最高3位になっています。そのようにPLKは今やチャート上位常連の一角を占めるまでになっています。2021年には、PSGとマルセイユが対戦するリーグ・アン伝統の一戦「ル・クラスィク(Le Classique)」にちなんでJuLが企画したパリとマルセイユ周辺のラッパーが集結するプロジェクト「Le classico organisée」に参加しました。
シングル「Pocahontas」は、3月13日にリリースされ最高1位になった17曲入りスタジオアルバム「Grand Garçon」の収録曲で、アルバムと同時発売されています。3月20日付では、それまで22週も1位を保持していたDisizとTheodoraの「Melodrama」を押しのけてシングルチャート1位の座につき、今週5月8日付で再び1位になりました。
シングルのタイトルのPocahontas(ポカホンタス)は17世紀のネイティブ・アメリカンのヒロインで、アメリカ人ならたいてい小学校の授業で習って名前を知っているほどの人物です。1995年にディズニーのアニメ映画『ポカホンタス(Pocahontas)』が劇場公開され、ヴァネッサ・ウィリアムス(Vanessa Williams)が歌う主題歌「Colors of the Wind」がヒットしました。
映画は現在のヴァージニア州の先住民ポウハタン族の首長の娘ポカホンタスが、村を訪れた英国人の開拓者ジョン・スミスと出会って恋におちながらも白人入植者と先住民の争いに巻き込まれ、なんとか戦いは食い止めながら最後は別れ別れになるというストーリーです。1998年には、ポカホンタスが別の英国人と結婚してロンドンに渡る続編『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち(Pocahontas II: Journey to a New World)』が製作されますが、本編のほうが史実を大幅に歪曲・美化したとネイティブ・アメリカンの団体がディズニーを批判したためなのか、劇場公開されずにビデオだけが発売されました。
さて、PLKの楽曲のほうのポカホンタスですが、歌詞(Paroles)は良く言えばセンチメンタル、悪く言えばデレデレなラブソングで、こんなフレーズをリフレインしています。
「Oh baby, dis-moi comment on fait? Nous deux,c'est comme dans les films, mais en vrai. Elle, c'est un avion d'chasse, oulala l'avion d'chasse. Dès que j'l'attrape, on trace loin, c'est ma Pocahontas」
(拙訳:おおベイビー。どうすればいいのか教えてよ。僕たち二人、映画の中にいるみたいだ。いや、現実なんだ。なんてこった。彼女は戦闘機だ。彼女を捕まえたらすぐに、僕らは遠くへ飛び立つ。彼女は僕のポカホンタスなんだ)
アニメ映画では愛と平和、自然との共生、異文化との共生などが盛り込まれましたが、それとは無関係なようです。
PLKは9月、Theodora、La Rvfleuzeなど、いまチャートをにぎわせている面々をゲストに、サン=ドニの「スタッド・ド・フランス」で2日間のスタジアム・ライブを予定しています。
PLK - Pocahontas(ポカホンタス)
では、また来週
À la semaine prochaine!





















