
2025年6月13日付 SNEPシングル&アルバムチャート
※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)
【シングルチャート】
1 KYKY2Bondy - Hamza
2 Paris - Nono La Grinta
3 Impardonnable - Damso
4 Ninao - Maître Gims
5 Melrose Place - KeBlack ft.Guy2Bezbar
6 Pa pa paw - Damso & Sarah Sey
7 Piano - Werenoi, Maître Gims
8 Mia -Seysey,Bolémvn
9 Dolce camara - Booba
10 Ciel - Maître Gims
【アルバムチャート】
1 BĒYĀH - Damso
2 DESIRE:UNLEASH - ENHYPEN
3 Le Nord se souvient:L'Odyssée - Maître Gims
4 D&P à vie - JuL
5 Mega BBL - Théodora
6 Diamant noir - Werenoi
7 Focus - KeBlack
8 Nés pour briller - L2B
9 Hit Me Hard And Soft - Billie Eilish
10 Pyramide 2 - Werenoi
【Fête de la musique 2025】
今週の土曜日、6月21日はミッテラン政権のジャック・ラング文化相の提唱で1982年にスタートした「Fête de la musique(音楽の日)」です。フランス発祥ですが、この日を中心に全世界で、日本で、多くの音楽イベントが開催されます。
・フランス文化省の公式サイト(フランス語)
https://fetedelamusique.culture.gouv.fr/
・パリとイル=ド=フランス地域圏で開催される「音楽の祭典2025」のプログラム(日本語) https://www.sortiraparis.com/ja/nyusu/ongaku-sai/guides/53382-paritoiru-do-furansu-de-fangde-kai-cuisareru-yin-leno-ji-dian2025-jian-taosenaikonsato-puroguramu
・音楽の祭日2025(Fête de la musique au Japon/日本語) https://www.mediatv.ne.jp/ongakunosaijitsu/
・アンスティチュ・フランセ東京(東京日仏学院/6月28日開催)
https://event.exantenna.net/fete-de-la-musique/#google_vignette
Hamza(ハムザ)の「KYKY2Bondy」が3週連続シングルチャート1位です。Booba(ブーバ)が2024年2月にリリースした「Dolce camara」が9位に再浮上し、最高1位のMaître Gims「Ciel」も10位でシングルトップ10に返り咲きました。
今週も前週に引き続きDamso(ダムソ)の「BĒYĀH」(ベヤ)がアルバムチャート1位です。前週はその収録曲のうち4曲がシングルチャートのトップ10に入っていましたが、今週は「Impardonnable」「Pa pa paw」の2曲でした。
アルバム2位に韓国の男子7人組アイドルグループ、ENHYPEN(エンハイプン)の「DESIRE:UNLEASH」が登場。6月5日リリース。9位にBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)が2024年5月に出したアルバム「Hit Me Hard And Soft」が再浮上し、Werenoi(ウェルノワ)の4月発売のアルバムが6位、2024年10月発売のアルバムが10位に入っていました。ニューリリースに乏しい谷間の週だったので、シングルもアルバムも再浮上が目立っています。
Théodora(セオドラ)
5月29日発売の「Mega BBL」がアルバムチャートで前週4位、今週は5位に入っているThéodora(セオドラ)は、2003年10月生まれ、21歳の新進気鋭の女性ラッパーです。本名はLili Théodora Mbangayo Mujingaといい、コンゴ系。父親はコンゴ民主共和国で医師の資格を取りましたが、内戦がひどくなったコンゴを逃れ家族でギリシャ、スイス、フランス海外県のレユニオン島、フランス本土のボルドー、レンヌへと逃避行を続ける途中で、彼女はスイスのルツェルン(Lucerne)で誕生した「難民(réfugié)の子」「亡命希望者(demandeur d'asile)の子」でした。一家は最終的にパリ北郊のセーヌ=サン=ドニ(Seine-Saint-Denis/93)県に落ち着き、セオドラはここで育ってフランス国籍を取得しています。フランス政府による難民受け入れの「共和国モデル(République modèle)」を体現しているとも言えるでしょう。今週の金曜日、6月20日は国連が定めた「世界難民の日」です。
高校時代は柔道をやっていた「YAWARA!ちゃん」で、体力を活かしてダンスにも自信あり。ブルターニュのレンヌ(Rennes)にある「ENSレンヌD1準備クラス(Classe préparatoire ENS Rennes D1)」の政治学コースに入学して「ブルターニュ地方青年評議会文化委員長」にも選ばれますが、実兄のJeez Suave(ジェズ・スワヴェ)とともに始めた音楽活動に専念するために学業は中断しています。
15歳だった2018年に「La Thune」というシングルを出していますが、本格的なメジャーデビューは18歳だった2021年にリリースしたEP「Neptune」でした。以来、楽曲制作には実兄がずっと関わっています。2022年のシングル「Daddy Chocolat」、2023年のEP「Lili aux Paradis Artificiels」(Tome 1/Tome 2)の頃からメディア露出が増えて人気も定着。2024年のEP「Bad Boy Lovestory」を経て、2025年6月に行われたコンサートは大成功をおさめています。
写真を見れば「アフロなギャル系女子」っぽいルックスですが、ありのまま、奔放でダンサブルなノリに乗せて、男女のたわいもない交遊だけでなく、黒人女性の社会的境遇やその悲しみ、性暴力、苦悩、絶望までをも含むストイックな内容のリリックをラップする独自のスタイルを確立していきました。それは、コンゴの政治の混乱で難民になった一家の境遇もあって政治学を学び、将来は政治家になりたいと思っていた「硬派」の側面があることと、無関係ではないでしょう。
音楽的には、過去に住んだ場所でさまざまな音楽を聴いて影響を受けてきた「ワールドミュージック女子」でもあります。国境を越えての流浪、かえって福となす。父親が大の音楽好き。現在マネジャーも務める実兄が作曲もこなすミュージシャンだというファミリーのバックボーンもあります。「難民出身でスターになった女性」ということでメディアで注目される面もあるようですが、本人は過去で得たものを糧に、純粋に作品で評価されたいと思っています。
そんなセオドラの音楽の一つの集大成ともいえるのが、収録曲の「KONGOLESE SOUS BBL」がプラチナディスクを獲得した2024年のミックステープ「Bad Boy Lovestory」(略してBBL)で、新作「Mega BBL」はその再発拡大盤の形をとっており、同曲もしっかり収録されています。
なお、セオドラは自らを「Boss Lady」と名乗っていて、BBLは「Big Boss Lady」の略でもあるようです。今回はヒットした「KONGOLESE SOUS BBL」をお聴きください。80年代にドミニカ国(ハイチの隣のドミニカ共和国ではない方)発祥で隣の島、フランス海外県グアドループ島で発展した「ブヨン(Bouyon)」と呼ばれるカリビアンサウンドに乗せて、「Kongolese baby aimerait sa BBL」とリフレインする黒人女性賛歌になっています。アフロ・カリビアンなその仕上がりは、やっぱりワールドミュージック女子ですね。
Théodora(セオドラ) - KONGOLESE SOUS BBL
では、また来週
À la semaine prochaine!





























