「Abortion」
僕のホストマザー,マリリンはおぞましそうに言う。
赤ん坊はGodから授かるものであり、
それを殺す事は殺人だと。
そんな事をしたらGodが怒ると。
だから、ダメだと。

僕は一度、堕胎を考えた事がある。
その時、考えに考えた末、
僕は堕胎を選ばないという決断に至った。
結局、心配は杞憂に終わり、妊娠さえしていなかったのだが。

その時、両の秤に乗せていたのは自分の人生と他人の生命。
生命、人生というものについて深く深く考えた、
それは想像上ではなく、2ヶ月先のスケジュール帳を繰りながらという事。
その余韻は今でも僕を深く包み、前と後では少しだけ僕は成長したと思う。

堕胎をした人も、子供を産み結局は離婚した人も、何人か知っている。
是非を言いたいのではなく、皆それぞれに決断をして来たと言う事。
「病院まで行った。堕胎って薬か何かでできると思ってた。
でもミキサーでグチャグチャに押しつぶすって聞いて、生むって決めた」
「子供はもう4人目だった。経済的な理由で産めなかった」
「彼氏からどうしてもと頼まれた。彼氏が好きだから仕方なくおろした」
「時々死んで詫びたくなる。子供に。それでもあの時は仕方なかった。弱かったから」
「まだ高校生だったから」

僕の会った人は皆それぞれに後悔を秘め、それでも美しくありたいと生きていた。
「Godが怒るから」という言葉は、彼女らの言葉に比べてとても軽く、僕には響いた。
最初から選択肢を一つ、誰かに削ってもらう事はとても楽な事。
何も考えずに、「マル」をつけておしまい。美しい答案用紙のできあがり。
それでも、何度も何度も書いては消し、また答えを書き込んだ、
どこか滲んでいる彼女らの用紙の方が、僕には忘れられない。



※ 堕胎と女性の権利、あるいはどの段階からの胎児が人間として(ヒトとしてでなく)認められるか、という問題に関しては、僕はここでは言及していません。

Little Britainというコメディ番組を見た。
Matt Lucas 、 David Walliamsの二人組がやっているコント番組なのだが、
とにかく内容が過激。
下ネタ、同性愛、障害者など、日本だったらまず放送できないだろうという代物。
その中でも昨日一番驚いたのが、こんな内容。

あるおばさんが友人の家を訪ねると、
友人の娘が彼氏を連れて来ていた。
その彼氏は黒人だった。
娘がパイを差し出すと、そのおばさんはおいしそうにパイを食べる。
そこにその彼氏が「僕がカットしました」
その瞬間、おばさんは口からパイをこっそり取り出す。
今度はケーキを差し出され、おいしそうに頬張るおばさん。
そこにその彼氏が「僕のお母さんが作りました」
おばさんは猛烈な勢いでケーキを吐き出す。
そんなことを繰り返すコントなのだが。

正直、これにはびっくりした。
黒人を汚らわしく思う白人のおばさんの話。
こんなの放送して大丈夫なのか?
しかも夜の9時というゴールデンタイム。BBC。

一つの解釈なら簡単に。
「これは、未だにそういった人種的偏見を持ってしまっている
偏屈おばさんを風刺しているのである」
そういった低い次元でまだ溺れている憐れむべきおばさんのパロディと。

是非はともかくとして。
一番自分を刺したのは、自分の観点。
僕がどこに立ってこれを見ていたかという事。
どちらかというと、「白人的」立場で、僕はこれを見ていた。
その事は今、否定できない。

http://www.bbc.co.uk/comedy/littlebritain/
↑ Little Britainのホームページ。ビデオを見る事もできます。

今日飛行機のチケットが届きました。
「QR」カタールエアー。
London→Doha→Incheon
ちょっとドキドキ。

前回バンコクからイエメンに行った時にカタールエアーを使ったのだが、
その時は帰路便が搭乗5日前になってキャンセルになった。
結局2日早い便に振り替えになりバンコクに戻ったのだが、予定狂いまくりだったなぁ。
そんなこんなでちょっと不安。

HighTeaの後、部屋に帰ろうとすると、Sに呼び止められる。
今日の授業での事を謝りたいとのことだった。

Sはドイツ人で、ピアノの教師をしていた。
少し変わったパーソナリティを持っていて、
とにかく感情の起伏が激しい。
例えば。

授業の最初に宿題の答え合わせをする。
Sは宿題を忘れていると、目に見えて不機嫌になる。
会話の途中で彼女の分からない単語を使ってしまうと、
「私はそんな単語は知らない」と会話を打ち切られてしまう。
授業中に分からない事があり質問しても要領を得ないと、
「私もうやる気ありません」モードに突入し、反応がなくなってしまう。
席が隣なので、そういう時、ちょっと困る。

今日は「Informal letter」を実際に書いてみようという授業。
その前に書く内容をペアでディスカッションして決めるというものだったが。
ここでSが「あなたは私を分かってくれない」モードに突入。
一人で勝手に書き始めたので、ちょっと強く言ってみる。
「先にプランを二人で建てて、二人とも同じプランに沿って書かないとダメだよ」と。
教師のベッキーも助け舟を出してくれて、まあなんとかプランだけは二人で建てたのだが。
僕が書き終えると、「あなたはWritingがうまいけど、私はダメだ、その証拠を持っている」とかなんとか。
正直ちょっとうざったく、さっさと課題を提出して教室を出た、というのが「今日の授業での事」

「私は今日よくなかった、本当にごめんなさい」
そう言われて悪い気はしなかったが、ちょっと拍子抜け。
自己中心的で在る事には時々僕も腹を立てるが、少し羨ましくもあったから。
でもきっと授業の後、ずっと気になっていたんだろう。
だからHighTeaが終わってわざわざ僕を追いかけて、一言謝ったのだろう。
気にしなくていいよと言って別れた。

最近、他人の見ている風景というものの距離について考える。
それは果てしなく遠く感じたり、時には同じ風景を見ているとも思えたりする。
今日ほんの少し、Sの見ている風景を覗けた気がした。
まあ明日からまた元のSに戻るんだろうけれど。
なにぶん気分屋さんだから。。。
また授業中に隣に座っているSの横顔を見ながら、
「こいつとは遠いなぁ」と思うんだろうなぁ。

苦笑まじりの「やれやれ」です。

MOCK(FCEのプリテストのような)の結果が出た。

Reading 75%
Writing 68%
Use of English 62%
Listening 50%
Speaking 62%
ーーーーーーーーーーー
合計平均  64%


というわけで、合格ライン(6割)には達している訳だが、、、
、、、それにしてもListeningの50%はひどいねぇ。
マークシートでありながら半分とは。まあ多分に勘頼りとはいえ。

Writingが前回は45%だったので、この結果は素直に嬉しい。
本番まであと10日ほど、ListeningとUse of Englishに重点を置いて
勉強しようと思っている。

Londonは夜中でも市内バスが走っている。
もちろん30分に一本などと便数は減るが、なかなかに便利。
Victoria駅からKings Crossまで。
日曜日の深夜、N73ナイトバスに乗る。

運転手からして少しぶっ飛んでる。
半袖からのぞく両腕は入れ墨でびっしり。(おしゃれタトゥーではない。)
乗ってくる乗客も酔っぱらいや、
真夜中にLondonに到着したばかりという人が多い。
バス停でチケットを買ってバスに前から乗り込むのだが、
その際、運転手にからむ乗客が多い。

「札しか持ってないんだ!コインに両替してくれ!」 運転手は両替できない様子。
「娘の誕生日にねぇ、、、」と延々孫娘の自慢話を続けるおばあさん。
「誰かが俺の靴を盗みやがって!」 怒りを運転席にぶつけている若者。裸足。
「バス代がないの。キスしてあげるから乗せて」 スクリーン越しにキスを求めるおばさん。却下されている。
「Victoriaステーションには行きますか?」 駆け込んで来たフランス語のバックパッカー。ここですからと諭されて無言で下りていく。

夜のLondon市内をバスが走り抜けていく。
バスには車内放送が無いため、
しっかり外の景色を見ておかないと乗り過ごす。
Novotelのホテルが見えて、Kings Cross駅の青い看板が見え始めた。
Stopのボタンを押し、マフラーを首に巻き付ける。
減速、停車、ドアが開いて。
「今日は冷えるねえ」なんて言いながら、
タラップを駆け下りて、ホテルまでの道を歩き始める。

学校が終わったらしばらく、Londonにいるのも悪くないと思い始めている。