【評価】【感想】響け!ユーフォニアム3 #10 | じゅんぷーのブログ

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▼本作の評価・感想・各話リンクは以下にまとめています。

 

目次
あらすじ
評価
感想
構成

 

つたえるアルペジオ

 

  前置き・・・

いよいよ第10話まで来ました。前回久美子と麗奈の確執があり、それを受けて久美子が滝の元に向かっての物語。非常に楽しみです。前回のくみれいの感じしばらく仲直りしそうにはないですよね・・・。それはそうと全体的なことに触れるともうそろそろ関西大会かなと思います。ひょっとしたら今回がそれかもしれない。というか入れないと全13話で終わらない。なんなら、関西大会、くみれいの確執、オーディション、全国大会、将来、卒業など回収できていないことが山積みなので13話で終わらせるつもりが鼻からなさそうな気がします。この後総集編の映画流して、響け最終章の映画をやってくれそう。というかしろ。

 

  あらすじ/スタッフ

先日のオーディションを経て、大会ごとに演奏メンバーが変わる制度について部員たちから不満の声が漏れ始める。
久美子や秀一がなんとかなだめようとするも、一度入った亀裂は修復しきれず、関西大会を前に部の雰囲気は最悪なままだった。
さらに麗奈と秀一の言い争いも起こり、久美子と麗奈の関係もギクシャクしはじめて……。

脚本:花田十輝
絵コンテ:太田 稔
演出:太田 稔・北之原孝將
作画監督:岡村公平

 

  評価:15/15点

 *各5点満点で評価する

脚本(シナリオ+構成)

  点数:5

ポイント:

キャラクター

  点数:5

ポイント:

演出(作画+美術+音響+etc)

  点数:5

ポイント:

 

  感想

おかしな話ですが、第10話目にしてようやく私たちに馴染みのある「響け!ユーフォニアム」が顔を出したなと感じました。1話の中で凝縮した内容を提供してくれる秀逸な構成と、馴染みのある思ったことを口に出す久美子がいることがそう感じた要因でしょうかね(あすかがいたから懐古しているわけではないです多分)。全体構成については、”滝への相談と躊躇→幹部の衝突→田中あすかと中世古香織→関西大会”という感じ。それぞれ明確に分けられているので久美子の心理描写を順序だてて考えることが出来た。というか単純に滝→幹部→OGと相談し答えを出したうえで、最終的に部員全員に考えを伝えるという流れが建設的で好き。久美子も序盤から薄々気づいていたわけだが、何かをするのは自分だと気づいた瞬間は気持ちよかったですね。
それでは細かく振り返る。
***
(1)滝への相談と躊躇
遠回しに、編成を変えた具体的な理由を尋ねる展開。暗に滝を信じていないことを口に出しているようであまりに失礼。だが最も聞きたかったソリを変えた理由については口に出すこともできなかった。このパートは本作におけるアバンに当たる部分でのやり取りでした。なので尺も短い。前回のひきのやり方的に、このやり取りがきっかけで滝が部に何かを施すものかと思っていました。この短いやり取りの中でそうならないということは、別の要因が部に変化をもたらす必要があるわけですね。
(2)幹部の衝突
前回から判明していたことですが、オーディションごとに合奏練習のメンバーが変わる体制となり、練習中の雰囲気が絶望的。見かねた最上級生がどうにかできないかと幹部達に相談する展開から、オーディションは幹部が提案したことまで発覚するも滝の登場により部員全員を巻き込むやり取りは終了。ちなみに後の展開のためにコメントすると、この時久美子は自分の意見を発言していない。それは前回もそう。麗奈の意見と同じとか。で、その後の秀一と麗奈との掛合いに対しても久美子は、他の部員に聞こえるからと注意をした。とにかく部員に幹部の声が届くことを恐れているように感じますね。この時、真由が声をかけようとしていましたが、何を言おうとしていたのか理解度の浅い私にはわからない(笑)。
河川敷でのやり取りについて。滝に相談することを麗奈に提案する展開でした。私の考えとしては、麗奈は久美子に対して正答を持ち合わせていないが、どの行動が誤りであるかについては明確に示すことが出来る存在だと思いました。だから最後の問答で久美子に対して答えを示せないことはその実苦しかったのではないでしょうか。これによりその場を去ったものと私は考えました。で、前回のやり取りと合わせて久美子には最悪だと感じてしまったんでしょうね。
(3)田中あすかと中世古香織
麗奈と喧嘩別れしたことで本来なら最悪な気分になる視聴者一同のはずなのに今話はそうならなかった。今話は特別な仕掛けがなされていたからに他ならない。田中あすかが登場したのだ。コメントを忘れないうちに、、香織が良い感じに変わってなくてエロさを感じた。現場からは以上。で、久美子がはがきを持ってこの部屋に繰る時、それは麗奈と喧嘩した時だとズバリ予見してみせた田中あすかはユーフォ理解度、つまり久美子理解度が高い証拠。で、本題について。久美子が無責任に吐き出した言葉にあすかは響いた。その言葉で部員達に響かせるしかないんじゃないのか。私はあすかの考えをこう受け取りました。あすかは滝も、真由も何も言えない状況の中で部の雰囲気を変えることが出来る人間は久美子であることを瞬時に見抜いたんじゃないでしょうか。それを少しばかりの恥ずかしさを抱えながら、自身の過去を交えて伝えたんだと思う。
この後の幹部ノートのやり取りもよかったですね。久美子が滝に不信感を抱いていることも明記していたが、久美子が起こす行動に対しては秀一を肯定する形で同意をした。秀一の真似をした記述から、麗奈も否定をしたかったわけではないんだろうなと感じて好感度が上がりました。というか街を、橋をかける久美子・・・。そうかこの描写が一年生の頃を懐古させるのか。アニメ特有だと思うのですが、キャラクターが何かの為に必死に走る姿はこみ上げるものがありますよね。
(4)関西大会
残りの尺的に関西大会の演奏機会を失った北宇治高校吹奏楽部。そして視聴機会を失った画面の向こう側のみんな。何ですか、これ?
すみません、冗談が過ぎました(笑)。チューニング室に向かう前の真由の一言から彼女だけ全国大会を目指す理由が異なることがここで明確になりましたね。真由が吹奏楽をやっているのは好きだからとかそんな感じでしょうが、コンクールで全国を目指す理由はわからなかったんですが、他人のソリのためとか・・・しかもこのタイミングとか・・・(笑)。彼女の真意はこの時点では何もわからないです。
そして滝先生からのありがたいお言葉はスキップして、久美子の演説に移る。内容はいたってシンプル。どうしてオーディションの形式を変更したのかの説明とその謝罪、そしてわがまま。「ここにいるメンバーと、不満も戸惑いも全部吹き飛ばす、最高の演奏をして全国に行きたいんです。」このセリフが本当の本音。本当にただのわがままなんですよね(笑)。でも理路整然としたことより響くことってあると思います。久美子にはそういうことを現実にする力がある。部長になっても大事なところが変わってなくて私は素直にうれしかった。そしてそれを形にした黒沢ともよさんの演技は間違いなく神がかっていた。すばらしい。黄前久美子のキャストが黒沢ともよで良かった。1期からずっと感じていたことを今期ようやく感じた気がします(だいぶ失礼かもしれないですが)。そして当然演奏の尺はなく(笑)。でも演奏メンバーが笑顔で吹き終えた姿を見て、”不満も戸惑いも全部吹き飛ばす、最高の演奏”が出来たんだろうなと思いました。結果発表は出来レースなので次回に向けてワクワクドキドキは特にない。龍聖と立華も全国いけるといいなって感じ。
***
シリーズ構成は苦言を呈されても仕方ないと思いますが、今話の出来はそのシリーズ構成を考慮に入れつつ最高の脚本を書いていたなと手放しに称賛できます。ガルクラも含めて花田はやっぱりすごいなと思いました。それはさておき今話はやはり田中あすか。帰宅直後の眼鏡オフで髪の毛を巻いている姿には気圧されてしまいましたが、その後眼鏡を装着したことで私のHPは全回復しました。この作品はいろんな2人組(いわゆるカップリングともいう)が存在しますが、私は独特な距離感と関係性からあすかと久美子が最もお気に入りです。恐らく1年ぶりの対面なのにあの時と同じように掛け合えるこの2人の関係はやはり至高だと再認識できました。残念なのはOGはグッズ化されないだろうことか・・・(笑)。
あらためて今話で一年生の頃のユーフォを懐古できたのは、お馴染みのメンバーが全員不器用で、そのキャラ達の発した言葉を久美子がパズルのようにひも解く様があの時のそれと似ているんだと思います。
第6話から小さくない不安を感じていた本作ですが、関西大会を終え佳境に入るこのタイミングで不安を払拭できるクオリティを見せてきたなと感じています。残るは全国大会のみ!と言いたいところですが、そこに向けてもう一度オーディションがあります。真由との関係性についても決着はついていません。また吹奏楽以外の面としても久美子の将来については第7話以降全く手が付けられていません。残り3話でこれらを回収したうえで、アニメシリーズ内での自由曲の演奏まで作りこむことが出来るのだろうか・・・。
以上。

 

  構成

【起】滝への相談と躊躇

 /オープニング
チューバの人数を4人にした理由を尋ねる。低音の薄さをカバーする必要がある。
滝が目指す音楽の方向性について尋ねる。部員の上達に結果が伴う音楽。コンクールに特化した音楽が果たして存在するのだろうか。今考えているのは全国金賞を目指すことだけ。
滝からラムネを受け取る久美子。
一番聞きたかった、ソリに真由を選択した理由を聞くことはできなかった。

【承】幹部の衝突

【つたえるアルペジオ】
合奏練習。オーディションの度に合奏のメンバーが変わることに不満を漏らす部員達(3年生)。それに対して自身の不満をオーディションのせいにしないようにと麗奈。
オーディションのやり方を提案したのは幹部という話を出す麗奈。これに対して部員から、滝に意見することで前の形に戻せないかという声が上がる。久美子は理解を示しつつ今年はこの形で進めること口にする。部員からはそれは今年はあきらめるということなのかと。麗奈は滝先生がこの方法がベストだと。それはわかるが部の雰囲気をどうにかできないかと。
滝の到着により剣幕は終了。


 /
合奏後、麗奈と秀一のやり取り。久美子の登場で解散。
秀一から滝に相談しないかと提案される。
 /
近くにいた真由は久美子に何か声をかけようとするも、奏に声を掛けられ中断。
 /
放課後。
あの時の回想、幹部ノート。幹部ノートのやり取りがこれまで通りであることから、麗奈があの時のことを考えないようにしていることがうかがえる。
 /
車内のひまわりの広告を見てあすかからもらったはがきを思い出す久美子。
麗奈に今から離せないかとメッセージを送る。
 /
駅で集合し、河川敷で会話する。
滝と話すことを麗奈に相談する。
部員全員が滝を信用しないとこれ以上演奏できない、1年生の時の全国出場を果たした奇跡の演奏を知らない層から信頼を得ることが難しい。そして今の問題が起きたのは滝の選考によるもので、この話を秀一も賛成している。今のままでは関西大会を突破することすら難しいと考えている。
麗奈は賛成できない。滝がオーディションについて何か発言をすると、それこそ部内がバラバラになる。オーディションの結果に不満がある人は、オーディションの結果が変わらない限り納得しない。
久美子は、それでも何もしないで関西大会に臨むことはできない。
麗奈からは滝に相談すること・頼ることが”部長が何かする”ことなのか。奏者として正しいことを曲げるのは今もこれからも北宇治のためにならない。
麗奈がその場を去る。久美子は麗奈との糸がぷっつり切れたように感じた。


 /アイキャッチ

【転】田中あすかと中世古香織

あすかの家に向かう。インターホンにて佳織の応対。
あすかとルームシェアをしている。


 /
佳織と久美子の会話。
はがきを使って家に来るときは、麗奈と喧嘩した時だというあすかの予言が的中した・・・。
あすかの帰宅。
 /
帰宅するなり靴を見て久美子が部屋にいることを察知する田中あすか。
眼鏡がなく、髪の毛を巻いているあすかだが、久美子は変わっていないと評する。


 /
北宇治の現状を話す。
あすかは久美子と麗奈の痴話げんかを望んでいた。
あすか「辞退を受け入れて、久美子がソロを吹けばいい」
久美子「それではオーディションの意味がない、北宇治は実力主義。そうやってきたのに自身が破ることはできない」
あすか「それって久美子のわがままなのではないか、うまい人に吹いてほしい、選ばれなかったらその理由を滝に説明してほしいのは自身がすっきりしたいからなのでは?。みんな答えを出してから行動をしているとは限らない。つまり滝も真由も迷っているのではないのか。2人の演奏レベルに大きな差がない、だからこそどちらかを選んで堂々としているほかない。滝も部の雰囲気には気づいているが、迷っているところを見せると部が終わるとも思っている。だから何も言わない。」
久美子「どうしたらいいか、関西大会は次の日曜日」
あすか「久美子のいいところは、無責任に自分の言いたいことを言えること。私の時みたいに。あの時のことは少しも正しいと思っていないけど、わがままを無責任に言われたから折れるしかなかった。ギリギリにならないと動かないのはいつものことでしょ」
あすかはシャワーを浴びる形で退散。
香織「うらやましいな・・・響いたんだよ」


 /
久美子帰宅。
あすかの言葉が響いたことを伝えるよう香織にお願いする久美子。
 /
あすか宅にお辞儀して走って帰宅。
幹部ノート。
麗奈と秀一の喧嘩からちゃんと向き合えばよかった。すべてを理解しているからこそ何も言えなかった。でもいい演奏をしたいからこそ久美子が思っていることを話すことにした。
麗奈「上に同じ」

【結】関西大会

冬服に着替えて関西大会の会場に向かう。
 /
みんなでチューニング部屋に向かう。
真由「ソリ頑張るね、ここで終わっちゃったら久美子ちゃんがソリ吹くチャンスなくなっちゃうからね」


 /
チューニング。
初めから全員揃えて合奏。
滝からの一言。
久美子が挙手
 /
久美子が前に立ち発言。
考えていることが口に出てしまう久美子。
「私は1年生も3年生も同じ土俵で競い合って一つの目標に向かって進める北宇治が大好き。その北宇治で全国金を取りたい。2年間ずっと思ってきたけどどうしてもそこに届かなかった。ここにいる2年と3年、そしてきっと滝先生も思っている。なんでだよって。だから何かを変えなきゃいけないって幹部でそう考えて今年はこのオーディション形式を提案しました。それが間違っていたとは思いません、より北宇治らしい方法だとも思いました。ただ、そのことで戸惑いを感じた人がいたことも事実です。部長としてこの場で謝らせてください。すみませんでした。」
秀一と麗奈も頭を下げる。
「今さら謝られても納得できない人だっていると思います。でも、それでも私は北宇治で全国金を取りたい。わがままかもしれない。でもここにいるメンバーと不満も戸惑いも全部吹き飛ばす、最高の演奏をして全国に行きたいんです。1年間みんなを見ていて思いました。こんなに練習しているのに上手くならないはずない、こんなに真剣に向き合ってるのに響かないはずない。北宇治なら取れる。私たちならできるはず、だから自身を持って。今までやってきたことを信じて、、私が伝えたいことは…」
部員から拍手と賛同の声が挙がる。
そしていつもの拳を突き上げるあれ



 

 /
演奏
 /エンディング
笑顔で演奏終了
 /
そして、次の曲が始まるのです。