前回の記事でオニウシノケグサを取り上げましたが、十勝にも分布しているというヒロハノウシノケグサ(Festuca pratensis Huds.)はどこにあるのか探し始めました。

 

意外と近くの歩道の横にありました。 近年道路新設工事がなされていた所です。

 

ナガハグサひと束分と比較して写してみました。 草丈が低く膝の高さぐらいだからです。

 

葉舌は短く、葉耳の発達も悪く縁には開出毛はありません。

 

何はさておき小穂に芒があるかどうかですが、画像を見ると殆ど見られません。 でも、外見ではわからないので、識別はルーペが必要だと思います

 

開花しかけた小穂を大きく写しました。 やはり、殆んど芒は見られず無いか有っても1mm以内です。

 

比較のために、オニウシノケグサの同じ時期の写真を1枚載せておきます。

こちらは、だいたい3mmぐらいの芒が多いです。

 

 

 

そこから、少し離れた同じ歩道沿いに別な塊りがありました。 帯広競馬場の敷地内に農協連ビルを建築しているトラック類の出入口です。

こちらは少し草丈が高く、翌日での測定ですが60cmありました。 もっと塀の近くに高いものがありましたので、膝から太腿ぐらいといってよいと思います。 多年草で年数は短いのに株立ちしているのが分かります。

 

開花している花穂ですが、曇天で低温(最高で12.8℃)でしたので十分な開き様ではありません。

 

上の花穂を裏返しにして写してみると、

意外にも緑色だったのです。 要するに、花穂の色は関係ないということです。

 

後日、白い塀にくっついて開花している小穂を撮ってみました。

 

今回は、だいたい一連の場所での観察になりましたので、もっと別な場所で見つけた場合には追記で紹介したいと思います。

 

 

ここからは、ウシノケグサ属を調べていて自分勝手に感じた各種の命名についてです。

ウシノケグサは英名がシープフェスクのようで葉が細長いことから、オオウシノケグサは本体はとても小さいのに本物の牛毛より長いので「大」、ヒロハノウシノケグサは基本同じ仲間で葉が広いので「広葉」、オニウシノケグサはその大型のものの代名詞で「鬼」、とついたのではないかと思いました。