今は建設工事中で入れなくなった競馬場の草むらで、昨年に撮った写真です。(草むらも敷地として掘り起こされてしまいました)
イネ科で果穂がもう枯れていますが、葉が非常に細くて短いことに驚きました。
栄養が良く大きな株で育ったものもありました。 枯れた果穂からイチゴツナギ属に近い感じがします。
(以上についてはウシノケグサ(Festuca ovina:シープフェスク)だと思います。2022年6月)
次は今年になって、図書館の駐車場の植樹桝の中に生えていたものです。
これも時期が遅く穂は枯れていますが、同じタイプで最も葉の細い変種だと思います。 ほぼ葉身全体が丸まっています。
思い出せばブログを始めた13年頃に、この手の植物はときどき法面に生えていることに気が付き、いろいろ調べたのですが思い当たる植物は見つからず諦めていました。
これらも今年の、よく行く川岸近くの段差の法面とその上の平面に植えられていたものです。 明らかに芝生として植栽されています。(上の平面では、踏み固めで表土が消え株が分散していました)
それで本格的に調べて、やっとイネ科オオウシノケグサ属のオオウシノケグサ(Festuca rubra L. :別名レッドフェスク、クリーピングフェスク)と判明しました。 ウシノケグサ属では、オオウシノケグサだけが走出枝を出すので芝生用として使われるようです。
なお、イチゴツナギ亜科とのことですから最初の果穂の見立ては合っていました。
そのあと随分時期が過ぎてから、一部を採取してきてアカマツの葉と比べてみました。
葉が短く針状で丸まって堅いのが特徴です。 拡大してみると、葉の中央脈がやっと見え、先端の方では松葉のように完全に丸まっています。
この種の芝生用は欧州原産の外来種のようで、種内でも変種(品種)は多いようです。
その後の見聞より、オオウシノケグサは寒冷地十勝では結構な頻度で芝生として利用されていることが分かりました。
追記 : 2022年6月2日
本文の川岸段差の法面で、出穂の始まりの時期を写真に撮りました。
タンポポが咲き始めサクラの開花中の季節に花穂を出すのですから、7月には果穂が枯れているのは当然です。 亜寒帯に分布するようですから花期が早いのでしょう。
次に、同じ場所の開花の時期を撮りに行きましたが残念ながら全体が草刈りされていました。 しかし、道路を挟んだ川岸側に花を咲かせている個体がいくか見られました。
閉じてた小枝を広げ、ちょうど開花している花穂です。
他のウシノケグサ属と似た形をしています。