最近ブログを書きながら、ずーっと気になっていることがありました。
4月4日記事「スズメノカタビラ」についての、根の塊りに関する題材の件です。 根の中に入った土を落とす作業が大変ですとの話でした。
 
まず、問題の写真をもう一度。(上の方の大きな草と根の塊りです。下の2つはスズメノカタビラ単独株です)
イメージ 1
この写真の葉は、幅・葉先の反り具合(舟先ふう)等を見て、スズメノカタビラ主体だと思いますが、シバムギ(ヒメカモジグサ) ホソムギも混じっていたのではないかということです。
 
 
いつも掘り起こしに難儀する時期はもっと遅いGW頃の、全体の畑耕しの時です。 その頃は、次の写真のように「どんころ <方言:塊り>」となった一つの山のようになっています。
イメージ 2
4月では特徴的な花穂も出ていませんが、葉は細くなってこの写真のように密集しています。
そして、時期が過ぎて6・7月になって出てくる花穂の形は、いつも上の写真と同じものです。
要するに、スズメノカタビラの花穂ではありません。
 
そこで、この「どんころ」を1つ掘って、分解する作業をやりました。
イメージ 3
泥をすべて落としてから、分けられるものは分けようとしました。
イメージ 4
端の一部は何とかちぎれましたが、本体は力を込めても分けようがありません。 地下茎が出ていますし、左から2つ目のものは地下茎でつながっています。 ですから、シバムギとスズメノカタビラが混じった「どんころ」だったと思います。 ⇒ シバムギではなく、ホソムギ(ペレニアルライグラス)なので地下茎と違ってひげ根が発達しています。
  
 
シバムギにしては穂の背丈が低いようですが、それは下の写真のように、たまに刈っているからだと思います。  ⇒ ホソムギの芝品種であることと、刈り取っているため低いのです。
イメージ 5
ウィキペディアでは「アレロパシー」(他感作用:一般に根が他の植物に害する物質を出すこと)を有すると書いてありますが、これを当てはめれば確かに周りは地面だけになっています。
 
イネ科の植物に深入りするのはやめておきますが、一応の結論として「多年生のシバムギ ホソムギの芝品種の中にスズメノカタビラも混生していて、一緒に芽を出していた」としておき、引き続き勉強していきたいと思っています。
なお、シバムギが密生し矮性化しているのは、いつも踏まれており、また地面も固いことによるのだと思います。(株立ちした塊り部分の話です⇒ ホソムギの芝品種のためです。
 
 
(2017年訂正)
ずっと疑問に思っていたことですが、やっと理解ができました。 20年以上前に、業者の方が敷いた裏庭の芝生は、ホソムギ(ペレニアルライグラス)の芝用品種だったようです。 そして今回、ホソムギとシバムギの区別法も判明しました。 どちらも小穂が花軸の両側で2列に並び、同じように見える花穂ですが、違いがありました。
 ・ ホソムギの花穂の小穂では、第一苞穎が無いために苞穎が1つしか見えません。
  シバムギの花穂の小穂では、2つの苞穎が同じ長さで見られます。 また、小穂1つ当たりの小花の数は、ホソムギより少ないです。
ホソムギは、『北海道の野の花』図鑑には掲載されておらず、盲点になっていました。
 
※ 2021年追記 : ホソムギ、シバムギのもっと簡単な区別法は → こちら