占ったりお願いしたり見ないふりしたりするより、キャリア自律です

「終身雇用守るの難しい」ってトヨタ社長がおっしゃってます。ガチ本音だね。

トヨタ自動車といえば、終身雇用遵守！という会社で（自主退職はいるけど）、まあ出向とか遠い関連会社に片道で行くのもあるけど、最近も吹き荒れている大企業の大規模リストラみたいなことはない、というのが定説だったわけです。そのトヨタがね・・・としみじみしましたよ。令和だね（←違）

こういうこと聞くとたまに「じゃあ〇〇はどうですか」「どこなら一生安泰ですか」って問う人がいるんだけどね（本人よりむしろ親）、そんなこと誰にもわかりませんよ。ただ「トヨタも言うか～」はインパクトあるなと。

なんども書いてきたけど、そもそも安定しているのは「組織を生かそうと変化していく」企業体そのものであって、そこにいる「個人」ではありません。公務員だとしても同じこと。個々人が「変化を嫌って安定という名の安住ができる」という意味ではないですよね。

だからさ、みんなこういうことは織り込んでおく必要があるってことですよ。どこかの大企業に入社しているとしても。
なのに、そういう合理的で総合的な判断をしないで、「わたしがいる間は大丈夫だと思う」「そう願う」みたいなこと言って、見ないふりしている人、そのお願いは、人間ドックで再検査って言われたけど、「多分大丈夫だし、行かない」っていうのと同じくらい危ういよね。占いか神頼みか、っていう非現実的な判断。

毎日大好きなスイーツを食べているけど、「怖くて体重計には乗れない」って言い続けて、ある夏の日、みんなでハワイにいって水着に着替えたら「お・・・」ってそのとき慌てても遅いよねえ。やっぱり現実は直視しなくちゃ（イタイ…）。

キャリアコンサルタントが国家資格になったのは、そんな世の中を予見してのこと（のようですよ）。

きっと40代以下はみな70歳までは最低でも働くのでしょう。年金も先送りになっていくし、人不足だし、って考えたら、人生は二毛作も三毛作もありでしょ？いや、同じ会社にずっといたとしても、20代から社内で与えられたことだけやっていて、その与えられた仕事が「運よく先々まで見通されていた」なんてことは、あるはずもない。裏切られた、とか言うのも違う

言われないけど自ら磨いていたスキル、外でのつながり、職場の中で請け負ってきていた業務、それらをどう掛け合わせて自分像を何度も書き直していくのか、なんてことは自分が責任もってやる必要があるのですよ。

…って法律に書いてあるのだよ。実際。

★職業能力開発促進法（2016年に改正）より
【基本理念】
労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとすること（第三条の三関係）

それをいきなり「自己責任」って言ってるわけではなく（当然）、そのために企業も「キャリア自律できるようにお手伝いするんだよ」ということも法律の中に（努力義務だけど）書いてあるのですよ↓。

【企業の努力義務】
事業主が必要に応じ講ずる措置として、労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関する目標を定めることを容易にするために、業務の遂行に必要な技能等の事項に関し、キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うことを追加すること（第十条の三第一号関係）

わたしもブログにはあまり書いてないけど、企業との契約で、社員の方のキャリアコンサルティングをやっています（もっとやりたい）。上司の支援でもあるんだけれどね（上司もゆとりがなくて部下の話を聞き切れなくて、早期離職になることを避けたいという意図もある）。

ほんとに職場の中でも「そんなことさえ、言えてないんだなあ」とか、「こんなことさえ、伝えられていないんだなあ」が蔓延していますよ。キャリア自律どころじゃない。モッタイナイ。

今日はね、これを読んでくれた一人一人が、自分のこととして「自分のキャリアを人任せにしない」という決意だけはしてほしいなあと思います。

そしてその先のやり方に迷うときは、ぜひ相談してください。あなたの職場ごとよくしたい、上司にも考えてほしいという人はぜひ、法律の趣旨を伝えながら社内にキャリアコンサルティングの導入を勧めてみてくださいな（そのご相談にも応じていますよ）。

人任せにしないってことはね、会社任せにしない、上司任せにしない、だけじゃなく、

「稼ぎ手の夫任せににしない」はもちろん「家計は妻任せにしない」も含んでますからね。

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