何年前の事だろう
と、思い返す
30年。。。いや、25年程前だったろうか
当時デパート勤務をしていて
フロアは違ったが仲良くしていた方がいた
ある日その方が退職されると言いに来て
そこで連絡先を交換したのだったか
その辺りはあやふやだけれど
彼女とは友人として
連絡し合うようになった
彼女は札幌で暮らす様になり
ルームメイトとひとつの部屋をシェアして暮らしていた
何度か遊びに行ったこともある
ある日
彼女は子どもを身籠った
それは不倫の末に身ごもったらしく
彼女は実家のお父さんに勘当されたと言っていた
彼女は子どもを産む決心をしていたが
不倫の末の妊娠が彼女の実家の家族にバレると
相手は逃げていったらしい
妊婦の彼女は精神面でも不安になり
かなり太った方だったので妊娠中毒にもなっていた
もちろん働く事も出来ず
実家からのサポートもなく
ある日
彼女は自分にお金を貸して欲しいと言って来た
今思えば変だったのが
彼女のルームメイトも一緒に自分にお願いしてきたのだ
子どもがお腹にいなかったら貸さなかったが
お腹の子供に罪はない
当時自分が出せる精一杯のお金を貸した
その後
彼女は無事に出産し
またお金を貸して欲しいと言い出した
不思議とそういう話をする前は
泣きながら不幸話をする
前に貸したお金が返ってきていないのに
これ以上貸すわけにはいかないし
貸せるお金もない
返すあてはなさそうなので
行政に頼る事を提案した
生保の申請が通るまで
彼女の不安定な様子はかなりのものだったが
自分にも生活はあるし
彼女を養っているわけでもない
無事に生保の申請が通ったらしく
彼女の不安は和らいでいた
貸したお金は
働ける様になったら返してくれたら良いと伝えていたが
生保を受け
彼女の生活がきらびやかになっていっても
お金が返ってくる気配はなかった
札幌から旭川に戻って来て
彼女は新しい彼氏と同棲を初めた
何度か家に遊びにいったが
行く度に新しい家電が増え
自分よりはるかに良い暮らしぶりだった
もう良いかなと思い
お金を返して欲しい事を伝え
毎月少しずつ返してもらったが
生保を受給している悪い見本の様な人で
お金を全て返してもらったあと
自然に連絡を取らなくなった
つづく