2018年8月31日(金)

 

新宿ロフトで、Anly。

 

ひとりきりで約2時間20分。楽器はアコギだけでも、ジャカジャカ鳴らしたり静かに鳴らしたり、ループペダルでリズムとメロを反復させたりと幾通りもの演奏形態で。歌も透き通った高い声から迫力ありの低い声まで表現に幅と説得力があり。MCも決められた言葉なんかじゃなく、その場での観客とのやりとりを彼女自身が楽しんでいるようで。だから少しも長さを感じさせず、ずっと引きつけられっぱなし。ツアー初日ゆえ昔の曲で歌詞がぶっとんだりもしたけど、アドリブで笑いに変えてむしろ一体感へと変換させる逞しさも身につけてた。

 

ライブアーティストとしての成長〜進化の度合いがハンパない。それはもう驚くほど。ベテランだって2時間20分をひとりだけで飽きさせずやるのってなかなかのことですからね。素晴らしいじゃないか、Anlyちゃん。まだみんな気づいてないけど、ほんとにたいしたライブアーティスト。これからもずっと全力で応援してくって改めて心に誓った夜。

 

 

2018年8月26日(日)

 

新宿レッドクロスで、夜のストレンジャーズ。

 

週末は2日続けて新宿のレッドクロスに。一昨日はザ・たこさん。昨日は夜のストレンジャーズ。ザ・たこさんが結成25周年で、夜ストが20年(因みにレッドクロスは15周年)。メンバー交代とかもありながらとにかくあれこれ乗り越えて続けてきて、そんで今が最高の状態にあるって、それ、素晴らしいことだよなぁと実感した2日間でやんした。バンドっていいねえ。以下、昨日の夜ストにしびれて、帰ってビール飲みながらしたツイートです。

 

「夜のストレンジャーズat新宿紅布。ベースがキリに変わってから初めて観たんだが、超最高だった。三浦さんの言う通りロックンロールバンドとして「死んでたわけじゃないけど息を吹き返した」感じ。ぶっとばしてたなぁ。なんたって笑顔がすげぇ増えてて、3人ともキラキラして見えた。惚れ直しました。」

 

「曲と曲の間にときどき(チューニングなどで)静かな間があったのが以前のライブだったが、今夜はそれが全くなく、次から次へと流れよく曲を繰り出していった。よってこっちの気分はどんどんアガってく一方。だから2時間10分くらいの長尺ライブがあっという間に感じられた。」

 

「ロックンロールの持つ怒りも切なさも励ましも希望もロマンチシズムも夜ストの曲は含んでいるわけだけど、何より今は楽しい成分がドバドバ溢れ出てる感じ。ロックンロールはこんなに楽しくて、聴いててこんなに嬉しい、ってことを今夜のライブは強く思わせてくれたなぁ。」

 

あと、こんなふうにも思ったな。
僕はマキ子さんのベースが大好きだった。ピックでギターみたいにベースを弾くマキ子さんだったけど、なのにそこからソウルの香りやときどきブルーズの香りがした。昨夜キリくんにかわった夜ストを観てて、そういうソウルやブルーズっぽい香りはそんなにしなくなったけど、ロックンロールやブギの強度は倍増してんな、と。彼の人懐こいキャラによってか、三浦さんもテツオさんもとにかく楽しそうで。あと、曲と曲の間でミウラさんがチューニングなどしていて静かになったときに、場の空気を察してキリくんがすぐに何か言葉を発して繋げるのがすごくいいよなと。つまりムードメーカー的なところが彼にはあらかじめ備わっているようで、それによって三浦さんもテツオさんもお客さんもみんなリラックスして楽しめる、ってことなんだな。そんなわけでバンド全体、ライブ全体にいい意味での軽みが出てきてた。まさに新生夜ストって感じ。

 

それにしても名曲だらけ。僕は、ロックンロールって夜ストのことなんじゃないかとすら思ったよ。ああ、今の夜ストをフジロック・苗場食堂で観てみたい。もっといろんな場所で観てみたい。

 

 

2018年8月25日(土)

 

新宿紅布で、ザ・たこさん結成25周年記念ワンマン。

 

前売り完売につき満杯、ギュウ詰め。初めて観に来た人もけっこう多かったように見受けられた(安藤のお馴染みの動きにもいちいち爆笑が起きてたり、馬場出現時に「あれ、なに?」「馬場の真似なんじゃない?」という会話が近くで聞こえたりw)。それ、ベスト盤効果か、サブスク解禁効果か。恐らく後者が大きいのだろうが、なんにせよ初観の方のツボに入る場面あり、昔からのファンのツボに入る場面ありと、どっちも楽しませた約2時間15分であったかと。

 

驚いたことに初っ端からいきなり代表曲「我が人生、最良の日」を演奏。いつもと違う始まり方に「おおっ!」と興奮したが、そこから前半の数曲は珍しくペースが少しばかり乱れたのかバタついてた印象。まあそれもまたライブの面白さだが。

 

久々の演奏曲としては、ヘヴィファンク曲「レバー・フォーレバー」のえぐ味に、「こんなやばいのやれるバンド、ほかにないよな」と改めて思ったり。先月の大阪・味園ユニバースからレパートリーに加わった隠れた名曲「ニガ笑いマディ」の「おっお・おおっお~」というコーラスアレンジを聴きながらかっこええなぁと思ったり。

 

「我が人生~」がくることの多いアンコールのいいところにこの夜もってきたのは「猪木はそう言うけれど」。悶々としてた時代に作られたその曲をそこにもってきたのは、安藤にとっての原点確認の意があったのかどうなのか。わからぬが、その曲の熱唱が個人的には昨夜もっとも感動したところ。そしてその曲でステキに締めてもいいものを、そうせずにお豆ポンで締めるあたりが安藤特有の美意識と言えるか。自分的には最後に「サヨナラ生活」を期待してもいたのだけど。

 

先月の味園ユニバース・ワンマンではお豆ポンでMV同様ゾンビダンサーズが登場するなどレアな演出もあったが、そうした仕掛けは一切なし。セトリも根本的に変えて、あの日とはまったく異なるストーリーを作っていた。そのことを別にしてもやはりハコが変わればムードもずいぶん変わるもの。25周年の特別感が強かったのは味園のほうだったが、やはり両方観てよかったと実感しました。

 

祝・25周年。変わる部分あり、変わらぬ部分もあり。30周年はどんなかな。

 

2018年8月24日(木)

 

新宿ReNYで、Rei。

 

ユニバーサル移籍にあたってのプレミアム・ショーケース。「のる」ではなく、品定めするようにジッと「観る」ディーラーとマスコミ関係の方々を前に、しかしReiちゃんとバンドはがっつり気持ちと熱を込めたパフォーマンスを展開。そのパッション、真正面で観てた僕にはバリバリ伝わってきたぜ。これからいろいろ面白くなっきそう。

 

2018年8月18~19日

 

海浜幕張で、サマーソニック2018。

 

1日目。ソニマニでオールして、ホテルにチェックインして寝たのが朝だったこともあり、午後に起床。風邪気味だったのでゆっくりランチしてしばらくカラダを休ませてから部屋を出た。BILLIE EILISHもIAMDDBも観たかったんだが、夜も長いしと自分に言い聞かせて諦め、会場に入ったのは16時ちょい前。遅い出勤でございます。

 

この日観たのは以下の通り。

 

KELELA→THE BEATNIKS→MARIAN HILL→NED DOHENEY&HAMISH STUART(前半3曲)→KAMASI WASHINGTON→TAME IMPALA(後半3曲)→DYGL(3曲程度)→女王蜂(後半2曲)→The fin.(前半3曲)→SPARKS→yahyel(前半2曲)→WOLF ALICE。

 

まずKELELAがよかった。私のはスローな曲ばかりでフェス向きじゃないのよ~みたいなこと言ってたけど、音出し男性とふたりだけのライブでありながら彼女の魅力に引き込まれまくった。美人で、スッとした佇まいで、声に色気があって、音がモダンで、最後の「アリガト~」の一言が可愛らしくて。ファン度が倍増しました。

 

そのあとはビルボードジャパンステージとビーチステージを行き来。その距離、近くて、たいへんよろし。ビートニクスは去年ライジングで観たときとセトリなど大きくは変わってなかったけど、持ち時間が限られているため喋りが少なく新旧取り混ぜて曲をどんどんやってくれたのがグッド。後半で抜けてビーチに動くと、そこは気候も手伝って最高の気持ちよさ。徐々に日が沈んでいったその1時間くらいは文字通りマジックアワー。そんな時間帯にミニマルな編成と音で心地よく楽しませてくれたMARIAN HILLのライブが合っていた。フジのホワイトでエレカシ観てたときの空をさらに上回る、美しすぎるあの夕焼け。芸術的とも言えるほど。何年か経っても覚えていられそう。

 

ところで、ここ数年のサマソニで自分がもっとも和める場所として好きだった(長時間いた)のはガーデン・ステージだったんだが、今年はそこがなくなってしまって、けっこうしょんぼり。替わって新しくできたのがビルボードジャパンステージということだったんだろうけども。うーむ。

 

そのビルボードジャパンステージで観たネッドさんとヘイミッシュさんは初っ端からあの曲この曲と名曲連打。ビートニクスに続いて大人リスナーをうんと楽しませてくれるベテランの安定感とステキさね。最後まで観たかったが後ろ髪惹かれる思いでビーチのカマシに移動。ベストな状態でその音に浸りたかったため、かなり前のほうのど真ん中の位置をとって始まりを待った。

 

で、カマシさん。どうだったかというと、それはもう素晴らしいなんてもんじゃなく。サマソニ史に残るベストアクトと言いたくなるくらいのもの。フジでのライブはただただ圧倒されたが、今回のそれは圧倒されるというより心の深くに響き入ってくる感じ。なんか途中で涙が出てきた。終わってからまわりの人とハグし合いたくなる感覚すらあった。そこはまさに地上でありながら天国のようだったよ。ああ、音楽が好きでよかった、と心底思いました。余韻に浸ってしばらくそこから動かずにいたら、またちょうどいいタイミングで花火ボーン。そのときの多幸感といったら、このまま死んでも悔いないんじゃないかってなほど(大袈裟?  いやいや)。

 

カマシと花火でもうこのまま帰ってもいいかと一瞬よぎるくらいの満足感を得たのだが、大好きなウルフ・アリスを観るまでは帰るわけにゃいかん、と思い直してメッセへ。しかしカマシの感動から耳も気持ちもなかなか切り替わらず、楽しみだったはずのテーム・インパラはぼんやり眺めるだけに。そのあと国内の若いバンドなどいくつか観て(DYGLの鳴らし音がよかった。ルー・リード好きなのかな)、久しぶりのスパークスでようやく気持ちがポップ・ロック・モードに。さすがベテランならではの楽しませ方。ロン兄さんのダンスで観る者みんなが幸せな気持ちになったはず。

 

で、自分的にはこの日のヘッドライナーとも言えるウルフ・アリス。そういえばサマソニで初めてこのバンドを観て、僕は好きになったのだった。そこから数年。今回は前回の日本公演ともまったく違う行き方(セトリ)の膨らみあるライブで。ほんと、観る度にスケール感が増してくねえ。それでいてパンクな気持ちもまったく無くしてない。大満足で帰宿。会場にいたのは10時間。

 

 

2日目。前日、カマシやウルフ・アリスのライブのことを思い出しながらホテルに帰ってしばらくビール飲んだりしていて、結局寝たのが5時過ぎだったため、この日もゆっくり出勤。ビーチで聴く七尾旅人はいいだろなー、とか思いつつも、メッセ到着は14時過ぎ。観たのは以下の通り。

 

REX ORANGE COUNTY→JORJA SMITH→TOM MISCH→CHANCE THE RAPPER→BECK→GEORGE CLINTON&PARLAMENT FUNKADELIC(終わりの15分くらい)。

 

レックス・オレンジ・カウンティは、まだ20歳らしいが、才能ありまくり。ジェイミー・カラムからジャジー要素抜いて脱力させた感じ?とか思いつつ見てたら、ビーチボーイズみたいな夏の終わりの切なさ感あったりなんだりで思いのほか楽曲に幅あるし、鍵盤もギターもイケてて、しかもコミュ力もあるし写真よりカワイイし。おっさんの僕でもキュンキュンしたくらいだから女の子たちはたまらんでしょうな。事実、終わったあと近くの女性たちがみんな目を輝かせて「よかったねー、ホントよかったねー」とか言い合ってました。

 

続いて自分的にはこの日一番の目当てだったジョルジャ・スミス。出てきた途端、若い女の子たちからキャーキャー声援が。そっかそっか、彼女、同世代の同姓の共感をすごく得てるんだな。録音ぶつ聴いてたときは歌い方にエイミーの影響感じたけど、ナマで聴くとそこはあんまり出てなくて、どっちかというとリアーナの歌い回しに通じてた。いやぁ、それにしても佇まいも歌声も全部が魅力的。リズムセクションの音の鳴りとグルーブも最上。まだまだライブ慣れしてるとは言い難いかもしれんが、彼女の生きてきた道がそこはかとなく出てるようにさえ感じられた。レックス・オレンジ・カウンティのアレックスくんが20歳で、ジョルジャが21歳。若いミュージシャンたち、みんな輝いてるなー。

 

トム・ミッシュをビーチに観に行った時間帯は、マウンテンでアレッシア・カーラ、ビルボードステージでコスモ・パイクと観たいのが3つどん被りしててギリギリまでどう動くか迷ったんだが、前日の夕方のビーチの気持ちよさを思い出してトム・ミッシュを選択。若いのにみんな楽器が上手くて、洗練されすぎ。スムースすぎ。ロケーションのよさと気候のよさも相まって、ホント気持ちよすぎ。「すぎすぎ」連発してるのは、つまり気持ちよすぎて眠くなっちゃったくらいだからなんですよ。もう動くのやんなっちゃったもんね。

 

今年最初のスタジアムは、チャンス・ザ・ラッパー。トム・ミッシュのモードを引きずって上のほうでビールとたこ焼きキメながら観たことを途中から酷く後悔。あれはステージ近くでスタンディングで気持ち入れてしっかり観ないとダメなやつだった。すまん(って誰に謝ってるのか)。

 

で、トリのベックがすごかった。最高の上を行く最高さ。なんたって過去最高にミック・ジャガー度が高かった。ロックスターであることを完全に引き受けたスタジアム仕様のパフォーマンス。ああやって場所によっていろんな行き方のライブを組み立てられるところもこの人の強さだよなーとか思いつつ、でも今回のこれは頭で考えてそうしたというよりも今の彼の正直なモードなんだろうなと思ったりも。ジェイソンくんもいつにも増して大きめの動きでギター、ぎゃんぎゃんかき鳴らしてましたな。で、こういうライブは50代後半~60代のストーンズ好きのおいちゃんたちにも観てもらいたいよなとか思ったりも。きっとベックの評価が変わるはずだもん。ただひとつ、後半、ゲストで登場したDAOKOさんには、せっかくこんな大舞台に大抜擢されたんだからもちっとビシっと気合入れてやりなはれと言いたくはなったけども。

 

ベックの最高のロックライブと花火でわかりやすく昂ったあと、「よし、まだ間に合う」とビーチステージにダッシュ。パーラメントを終わりの15分くらい観たんだが、ソニマニ以上に混沌としたパーティー状態でこれまた昂った。ジョージ・クリントン、ほぼ座ってんだけど、終わりのほうではけっこう前に来て大いに煽ってて。まだまだお元気。これをもってライブを引退するそうだけど、いつでも撤回してまたやっていいですからね。っていうか、そうしてくださいね。みんな待ってますから。会場にいたのは7時間。

 

 

 

 

 

2018年8月17~18日。

 

SONIC MANIA。久々の幕張オールナイト。かつてのエレグラとかより年齢層が低いような気もしたが、そんなことないのかな。どうなんだろ。単に自分が歳とっただけか。ちょいと風邪気味で体調的にいまいちだったんだが、すげぇライブはそんなこと忘れさせる力がある。僕は何歳までこうしてオールナイトのフェスで子供のようにはしゃいでいられるのだろう。今の感じだと還暦くらいまでは余裕で行けそうな気もするが……。

 

観たのは以下の通り。DORIAN CONCEPT→GEORGE CLINTON&PARLAMENT FUNKADELIC→覗き見程度にNINE INCH NAILS→ほんの少しだけMARSHMELLO→THUNDERCAT→MY BLOODY VALENTINE→通りがかりに5分だけPETIT BISCUT→FLYING LOTUS。

 

CORNELIUSを捨てて観たDORIAN CONCEPTが想像以上によかった。音のいい会場だったらさらに引き込まれたはず。パーラメント/ファンカデリックはフェス映えするし、クリントン御大、まだまだ元気やなぁ。ライブ引退とかまだしなくていいんじゃないか。昔あんなに好きだったマイブラがいまひとつピンとこなかったのは音響のせいなのかなんなのか。3D眼鏡かけて観た「飛び出すフライングロータス」は特に映像の面でチョー刺激的だった。見せて楽しませることの上手さ。音響はメッセだからあんなもんだが(また音の続け方も単調と言えばそれまでだが)、それでも一番気持ちがあがったのはやっぱしフライングロータスでした。ROSS FROM FRIENDSも観たかったんだが、さすがに疲労がきて会場をあとに。5時過ぎに千葉駅近くのホテルにチェックイン。窓から見る朝の景色がキレイだった。

 

 

2018年8月10日(金)~12日(日)

 

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO。

 

10日に観たのは以下の通り。

 

スカート→水曜日のカンパネラ→電気グルーヴ→ウエノコウジ50生誕祭EXTRA IN EZO(ウエノコウジ、藤井一彦、堀江博久、白根賢一 ゲスト:Caravan、増子直純、Dragon AshのATSUSHI)→フィッシュマンズ(茂木欣一、柏原譲、小暮晋也、関口“ダーツ”道生、沖祐市、原田郁子、ハナレグミ)→KenKen(DJ)。

 

けっこう楽しみにしていたThe BONEZが出演キャンセル(JESSEが頚椎症性神経根症を発症したため)となり、夕方のいい時間に観たいものが特になし。なので、スカートを観たあとはしばらく食べたり飲んだりテントでまったりしたり。そうこうするうちに雨が強まったこともあって、この日は省エネな動きになった。

 

水カンも電グルも観るのはちょい久々だったが、どちらも新しめの曲を要所に置きながらいろいろアップデートされたライブを見せていた。水カンは歌で聴かせる割合が多くなった。電グルはギタリストの途中参加もあった上、終盤では“あの”日出郎(ショーダンサー、ドラァグクイーン)がステージに登場。たっぱがある上、華もあって、しびれた。さすが、見せ方をわかってらっしゃる。知らなかったんだが、日出郎と電グルのつきあいは長く、今年になって92年のデビュー曲「燃える!バルセロナ」を卓球がリメイクしたこともあっての共演だったようだ。日出郎ありの電グルを観れたことは今年のライジングの収穫のひとつ。

 

ウエノコウジ50生誕祭EXTRA IN EZO(ウエノコウジ、藤井一彦、堀江博久、白根賢一 ゲスト:Caravan、増子直純、Dragon AshのATSUSHI)は、50になったウエノへの祝福感が終始満ちているあったかいステージだった。最後だったかにCaravanを中心に歌われたザ・バンドの「The Weight」の日本語カヴァー(石やんや清志郎が歌ってたあのバージョン)がグッときましたね。旅は続くってことなんです。

 

そしてフィッシュマンズ。佐藤亡きあとのフィッシュマンズはアラバキほかで数回観たことがあるが、自分的には今回の音が過去最強に深く響いたし、セトリにもしびれた。わけても5曲目「WALKING IN THE RHYTHM」から「WEATHER REPORT」ときて「ナイトクルージング」に続いたその流れ。たまらなかった。欣ちゃんがこのステージにかける気持ちの強さがビンビン伝わってきたし、永積くんのヴォーカルも素晴らしく、いまフィッシュマンズを歌い継いでいくのは彼しかいない、とか言いたくなる感じ。

 

フィッシュマンズの音の余韻に浸りながら、まだ終わりたくなくて外でコーヒー焼酎など飲みながらまったり。雨は俄かに強まって、豪雨と言っていいほどになったが、KenKenのDJが楽しくてしばらくそのまま飲み続けたあと、お店も閉まりだしたので午前2時頃にテントへ。激しい雨は確かに辛かったものの、それなりに楽しんだ1日に。

 

それにしても、ライジングのお客さんの雨対策はユルい。ゴアテックスのしっかりしたレインウェアじゃなく、ペラペラの(コンビニで売ってる500円くらいの透明の)レインコートを着てる人がけっこう多いし、びしょ濡れのTシャツにサンダル履きの人も普通にいたりして、フジロッカーなんかとはフェス意識が全然違うのが面白い、というか妙な懐かしさを覚える。風邪ひかないのかなって心配になったりも。

 

続いて11日。観たのは以下の通り。

 

緑黄色社会(4曲ほど)→リンダ&マーヤ→よよかの部屋(Char、Kenken、奥田民生らが参加)→スチャダラパー→DARUMAbrothers(武田英祐一&竹原ピストル)→ザ・クロマニヨンズ(2曲)→山下達郎→Char→The Birthday→エレファントカシマシ(遠くから数曲)→竹原ピストル→Dragon Ash(遠くから数曲)→東京スカパラダイスオーケストラ

 

1日目に対して、この日は体力の限界まで動いてがっつり観た感じ。ですが、こちらの感想は(理由あって)簡単にすませます。すまぬ。

 

リンダ&マーヤ、ふたりだけで気合入りまくった全力ライブ。ドラムレスで慣れないリズムボックスを操作しながらもそれを笑いに変え、マーヤは人の上にのぼってゴリゴリとギターを弾きまくった。これぞロックンロール。/ 突然決まった竹原ピストルのおもしろユニット、DARUMAbrothers。ソロでのピストルとはまったく違って、リラックスしながらおふざけ全開。たまたまだったが観れてよかった。/ 達郎さんは、これぞ神セトリってやつ。特に後半は硝子の少年〜ハイティーン・ブギ〜(竹内まりやも加わっての)アトムの子という畳み掛け。さらに恋のブギウギトレインときて、最後がさよなら夏の日。大大満足。/ そんな達郎さんのライブにまったくひけをとらないくらい、自分的にはCharのライブに感動。あの余裕、アドリブの出し方。達郎さんにはないいろんなかっこよさがCharにはある。/ エレカシは宮本くん、ずいぶん声を出すのが苦しそうで、フジのほうが10倍よかった。/ ピストルは間近で見ると生ギターと声の迫力がとてつもなく、故に歌が(歌詞が)ぶっ刺さりまくり。/ そしてトリはスカパラと多くの友人ゲストたち。大団円。そのセトリは以下の通り。

 

①火の玉ジャイヴ with中村達也 ②スキャラバン with中村達也 ③美しく燃える森 with奥田民生 ④カナリヤ鳴く空 withチバユウスケ(The Birthday) ⑤銀河と迷路 ⑥流れゆく世界の中で withキヨサク(モンゴル800) ⑦SKA ME CRAZY ⑧野望なき野郎ども withTOSHI-LOW(BRAHMAN) ⑨追憶のライラック withハナレグミ ⑩星降る夜に with甲本ヒロト(ザ・クロマニョンズ) ⑪水琴窟 ⑫爆音ラヴソング with尾崎世界観(クリープハイプ) ⑬白と黒のモントゥーノ with斎藤宏介(ユニオン・スクエア・ガーデン) ⑭ちえのわ with峯田和伸(銀杏BOYZ) ⑮めくれたオレンジ with峯田和伸(銀杏BOYZ) ⑯DOWN BEAT STOMP ⑰Paradise Has No Border

 

達郎、Char、スカパラ。その、普通じゃ観れないようなライブの中身の圧倒的な充実度。満足度。北海道まで観に行ってつくづくよかった。さすが20周年。

 

 

山﨑彩音さんのメジャー・ファースト・アルバム『MERTOPOLIS』が発売されて1週間が経った。自分はそれを何度も繰り返し聴いている。まったく飽きない。相当好きなアルバムだ。

 

歌詞を“読んで”も初めはピンとこなかった言葉が、何度か聴き返すなかで、あるときストンと胸に落ちたりする。そういうことは音楽を聴いていてときどきあることだけど、このアルバムにおけるその頻度はとりわけ高い。そしてそういうアルバムは、長く「残る」ものになることを、自分はリスナー経験上、わかっている。今すぐ“見つける”人が仮に多くなかったとしても大丈夫。時間をかけて多くの人に、ちゃんと“発見”されるアルバムになる。それは間違いのないことだ。

 

これまでのイメージを覆すポップな曲がいつくかあって、それが(それも)いい。インタビューの最中に彩音さんにも伝えたけど、その歌声の質感によってポップなメロディ&サウンドの曲もロックになる。ポップになった、とか、いやこれはロックだ、とか、そんなことはじじいの戯言みたいなものであって本当はどうでもいいことかもしれない。かもしれないけど、でも、このアルバムはロックを肌で理解している人が“ピンとくる”ところの多いアルバムであるのは確かだし、彼女も好きなコートニー・バーネットとか、今なら(彼女と同い年の)スネイル・メールとか、レコード店でそういうSSWの作品と一緒に並んでいるのがピッタリくるアルバムだと思う。歌声そのものにどうしようもなくロックの成分とか匂いのようなものが(わりと多分に)含まれているということだ。

 

アルバムのなかでもとりわけポップな曲調の「ロング・グッドバイ」がとてもいい。「大好きなうた 大きな声で唄ってさ 生きているんだって感じるんだ 涙がとまらない」。「過去も未来も 現実も幻も どうでもよく思えたんだ 自分でいれることが うれしくてさ」。ほかの曲のように比喩表現を用いたりファンタジックな書き方をしていない、これは極めて素直で直截な歌詞だが、ひねった書き方なんかはしないでどうしてもその気持ちをそのまま声に出して歌いたかった……という彩音さんの衝動が(歌詞からもヴォーカルからも)びんびん伝わる。それに何より、50を過ぎた僕も、今も、「大好きなうた 大きな声で唄って」「生きているんだって感じる」ことがよくあるし(つい先頃もフジロックでまさにそんなだった)、そうしながら涙が出てくることもよくあって、だからこれが自分の歌のように感じられたりもするわけで。なんかね、これ聴いて歌ったりしながら、鼻の奥のほうがこうツンとなって目が潤んだりもするわけです。「大好きなうた」だな、「ロング・グッドバイ」。「誰にも触れない風を掴んで」というところは、それこそ何度か聴き返していてあるときストンと胸に落ちた名フレーズだったりもする。

 

さておき。音楽ナタリーで山﨑彩音さんにインタビューして、このアルバムの話をしてもらった。

https://natalie.mu/music/pp/yamazakiayane

 

アルバムの終わりに収められている「海へ行こう」の話を最後にした。以下が、その部分だ。

 

――アルバムの最後はスローの「海へ行こう」で余韻を残しつつ終わります。歌詞がとてもシンプルですが、その中で「運命も奇跡も嫌いな言葉 だけど体験するんだ、言葉を」というフレーズがありますね。ここに彩音さんの言いたかったことが全て集約されているんじゃないか、このフレーズこそが今作のテーマなんじゃないかと思ったんですよ。

 

おおっ!  そこを読み取ってもらえて嬉しいです。まさにそうです。私は運命とか奇跡とか、あとは夢とか、そういう言葉がずっと好きじゃなかったんですよ。だけど実際に自分がこうして音楽の活動をしていけばいくほど、そういう言葉に向かっていってる感じがするのも事実で。

 

――そうした言葉の感覚を実感する機会が増えている。

 

そうですね。体感するというか。

 

――どうですか?   こうしてフルアルバムを作り上げて、新しい世界へ踏み込んでいってる感じはしますか?

 

うん。作ったことによって、次はこういうのがいいなとか、新しいアイディアも浮かぶようになりました。いろいろ発見がありましたね。自分自身のこともそうだし、歌い方もそうだし。

 

――新しい歌い方を発見してワクワクしている感じが、曲を聴いていると伝わってきますよ。

 

あ、伝わりますか?  よかった(笑)。そう、なんか自分にとって自信の持てるものが初めてできたのかなって思いますね。だからいっぱい聴いてもらいたいし。いい!って言ってもらいたいし。本当に素直にそう思うんです。

 

記事はここで終わっているが、実はこのインタビューの「あとがき」的な文も数行書いて入稿した。が、ナタリーではインタビューの終わりにさらに筆者の文を入れる形はとっていないとのことで、結局そこはカットとなった。でも、「海へ行こう」という曲に込めた彩音さんの思いを理解する、これはひとつの導線にもなるかと思い、このブログで読んでもらいたいと考えて掲載することにしました。以下がそれです。

 

 

 インタビューが終了して撮影に向かう道の途中、彼女の連載コラムについての話をした。その連載の第25回に、昨年末のラジオ番組でパーソナリティを務め、ゲストで出演した仲井戸“CHABO”麗市と会話したことについて書かれている。母親の影響で彼女は中学の頃からRCサクセションを好きになり、「いつかチャボのギターでRCの曲を歌うことを夢見ていた」そうだが、それは2016年、リクオが主催するコラボレーション・ライブイベント「HOBO CONNECTION」で早くも実現。「自分はまだこんなに未熟なのに大きな夢がひとつ叶ってしまった」と彼女は話していた。そして昨年末のラジオ番組で再び仲井戸と会い、「自分にとって言葉とは?」というテーマでじっくり対話。手の届かないと思っていた憧れの人から心に深く響く話を聞き、運命の不思議さを実感して、奇跡は起こるし夢は叶うのだと思ったという。そう、「海へ行こう」のあのフレーズは、そこから書かれたものだったのだ。

 

 

 

 

 

2018年7月31日(火)

 

ビルボードライブ東京で、CARLA THOMAS & HI RHYTHM W/VERY SPECIAL GUEST VANEESE THOMAS。

 

フジでも観たカーラ・トーマスをビルボードライブにて(2ndショー)。やっぱりフジで観るのとでは音的にも絵的にも印象が違うもんです。開放感大ありのフジに対して、ビルボでは演奏の細やかさも感じとれたりして。

 

まさしくザ・メンフィス・オールスター・レビューというあり方のなか、僕はとりわけチャールズ・ホッジズさんの鍵盤/オルガンの音がたまらん感じでした。

 

主役のカーラさんの前に、序盤で妹のヴァニース・トーマスが歌って、で、そのあとカーラさん。後半は共演という構成なんだけど、その後半の共演パートが特によかったすね。姉妹だけあって息がピッタリ…ではなく、それぞれが自分ペースで力強くて個性のある歌を響かせる、その感じがかっこよし。父ちゃん・ルーファスの「ウォーキング・ザ・ドッグ」で、やっぱゴキゲンになっちゃったな。

 

2018年7月30日(月)

 

渋谷クラブクアトロで、泉谷しげる×仲井戸“CHABO”麗市。

 

この日は午後2時頃に苗場から帰宅し、ちゃちゃっと書き仕事など済ませてジムのプールで泳いですっきり~。で、夜はクアトロで泉谷しげる×仲井戸“CHABO”麗市。約3時間、もちろんスタンディング。我ながらなかなかタフでござる。

 

前半はふたりで数曲。中盤にそれぞれのソロパート(ジャンケンで先攻後攻を決めた結果、泉谷が先にやってチャボがあと。この順番でよかったと思う。チャボのパートが「ガルシアの風」のリーディングなど深みありすぎで、あれを先にやられたら泉谷はやりづらかっただろう)。で、後半で再び一緒にロック曲・代表曲をたっぷりと。泉谷楽曲を聴き慣れた藤沼のギターじゃなくチャボのギターで聴くというのがまず新鮮だったし、泉谷の打楽器ギター(「弾く」ではなく「叩く」)もロック的昂揚感ありでよかった。

 

以下、帰宅後の感想ツイートです。

 

「泉谷しげる×仲井戸麗市 at 渋谷クアトロ。実にいいライブだった。ミュージシャンとしての泉谷のよさをあんなふうに上手く引き出せるのはチャボだけだ。泉谷はチャボの前だけでは空威張りや誤魔化しを一切せず(できず)、歌手としての本気を出して生身をさらす。そういうときの泉谷はやっぱり凄い。」

 

「チャボはいつだって相手のよさを最大限に引き出す人。それはギターでだけじゃなく、愛と敬意に満ちた言葉もそうだが、加えてライブで相手に何を歌わせるかにも表れる。今夜の最後、泉谷は自分のライブでも滅多に歌わない「陽が沈むころに」を歌った。ある時チャボの胸に深く響いた曲だそうだ。沁みた。」

 

「泉谷しげる×仲井戸麗市。ふたりの懐かしい話はそれが知ったエピソードであってもグッとくるものがある。でもこれは初めて聞いたかな。ルーザー時代、ポンタと吉田建と下山はライブが終わると飲みに行き、チャボと泉谷だけは部屋にこもってその日のライブをビデオで見直してたって話。」

 

「夏はオレ、ブルース(が気分)なんだよな」というチャボの何気ない一言もよかったな。こういう言葉が日本で誰よりも似合う人。