1995年 トニー・スコット監督、出演:デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマン
この映画、好きで何度も観てしまう。
最初は、他人事とは思えない親近感を持った。
核ミサイルの発射の是非という極限状況は特殊だけど、上司の二人の真逆の主張がどちらも正しくて、部下としてはどう判断すればいいかわからない――そんな、普通のサラリーマンでも起こり得る戸惑いに、ドキドキした。
その次に観たときは、セリフの妙に注目。
そもそもこの物語のドラマは、隔離された潜水艦内での艦長と副長の対立にある。
最初に来た電報が、核ミサイルの先制攻撃命令。が、その後に来た電報が途中で切れて読めず、GOなのかSTOPなのかわからない。最初の攻撃命令を実行するか待つかで意見が割れた。
結局は「降伏したから攻撃中止」という電報だったことが判明、待つという副長の判断が正しかった。
物語の途中、二人が談義する伏線がある。リピッツァナーという馬について、艦長はポルトガル生まれ、副長はスペイン生まれだと主張。
そしてラスト、艦長が「私が間違っていた」と認める。が、リピッツァナーは(ポルトガルではなく)スペイン生まれだった、という言い方で。
もちろん核ミサイルの件を言っているのだが、その謝罪の仕方がこう。非常に気が利いていて好き。
そして、その後観るごとに「いいなあ」と思うシーンが増える。
たとえば。
ラストの軍法会議の間、艦長の愛犬を、ペーペーっぽい水兵さんが明るい空のもとで番している光景が好き。上下関係がハッキリしていることが印象的でわかりやすい。
もう一つ。
艦長と副長の対立時に、副長に味方する部下がいる。けれどそれは副長を尊敬しているわけでも好きなわけでもない(むしろ嫌っている)。ただ、それが規則に則っているという理由だけ。元々は艦長との仕事が長いはずの人なのに、その潔さがすごいと思った。
これも印象的。
で、こんなに何度も観ているのに、この「クリムゾン・タイド」というタイトル、ずっと意味がわからないままでいた。
直訳すれば「深紅の潮流」。潜水艦で様々な出来事が繰り広げられるという感じがありあり。うん、なるほど、と思った。
が、もう一つ意味が。
この潜水艦が「アラバマ」という名前であり、アラバマ大学のスポーツチームの愛称が「クリムゾン・タイド」というのだとか。
う~ん、そんなところも洒落てて粋。
好きなだけじゃなくて、物語を書く立場でもお手本になる。
「対立」「セリフ」「印象的なシーン」「象徴的なタイトル」という、大事な要素をたくさん見せてくれる映画なので。
(了)
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