今さらだけど、この年末年始は最悪だった。
タミフルの後発薬が不足しているとニュースになった。そんなインフル猛威の網に、私もかかった。
相方が発熱、でも2日寝込んだ後復活した(検査は陰性……でもこの検査が早すぎて反応せず、移されたと思われる)。
遅れて私も微熱は出たが、同じように2日程度で回復するだろうと高を括っていた。インフルじゃないんだから、と。
が、その後熱はぐんぐん上がり、解熱剤を飲むと多少下がるが、切れるとまた体温計が振り切れるほどに上がる。
それを3日繰り返し、とうとう病院へ行った。
年末だから開いている病院が限られ、混雑が予想されて、できれば行きたくなかったのだ。
でも食べ物が喉を通らないし、ついに紅茶さえも飲むと気持ち悪くなった。
これはコロナじゃないだろうか? そう思ったから、検査してもらった方がいいな。と、よろよろふらふらしながら出かけた。
開院時間前に着いたのだが、既に入口には長い列。
同じく熱に苦しんでいる人が、行きつけの病院が休みのため、こぞって押し寄せたのだと思う。
受付を済ませ、「空いている席でお待ちください」と言われたが、どっこも空いていない。
診察に呼ばれた人の後に椅子取りゲームみたいに座る。そしてぐったりもたれて待った。
周りも総じてそんな調子。
受付の列は途切れる様子もなく、私が待つ間だけでも外まで伸びまくり、百人は下らないように見えた。
今はコロナとインフルいっぺんに検査できるということでお願いし、一瞬鼻に検査棒を突っ込むだけでそれは終わった。そこまで一時間。
それから診察室に呼ばれて、「インフル陽性でした」と言われるまで更に一時間。
タミフルと咳止め出します、と言われ、「あの~、既に〇〇と××の解熱剤を数日飲み続けてるのですが、大丈夫でしょうか?」などと聞いたが「ああ大丈夫大丈夫」とさっさと診察は終わった。
後から確認したところ、その日の休日当番医はそのお医者ただ一人。
たった一人でその大人数をこなしていたわけで、患者一人一人の細かい言い分を聞いている余裕など到底なかったと思われる。
それからまた薬局で30分待ち。咳止めが不足しているとかで、もう何でもいいです、と返事した。
やっと家に帰れてすぐに無理やり何か食べ、タミフル飲んで寝た……熱が完全に下がるまで2日。
でもタミフルは5日間飲み切ること、と固く言われたので、飲み続けたが……たぶん、強くキツイ薬なのだろう。ずっと気持ち悪さと頭痛と目痛が続く。
で、寝てばっか。
ようやく食事も喉を通るようになり、久しぶりに外に出てみたら。
世の中のお正月は終わっていた。大掃除もお料理も初詣も挨拶回りもすべてすっ飛ばした年越しだった。
(了)
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