古い映画2 「ドライビングMissデイジー」(23/12/17) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

今日は何の映画を観よう、と思ったときに、「この俳優さんが出ているから」という基準で選ぶことが多い私。

 

今回はモーガン・フリーマン。

 

ちょっと思い返しただけでも「ショーシャンクの空に」(1994)、「アウトブレイク」(1995)、「セブン」(1995)、「フラッド」(1998)、「最高の人生の見つけ方」(2007)、「インビクタス」(2009)と、そらで言えるものがぞろぞろ出てくる。

 

主役でなくても存在感がズッシリで、観てから何年経っても「○○に出てたよね」と忘れない。

忘れん坊の私にしては、そういう珍しい現象を起こしてくれる役者さん。

 

このところ、ちょっと日々にクサクサしていて、良質な映画を観たい、と思った。

録りためていたラインナップを見て即決したのが「ドライビングMissデイジー」(1989)。

 

話は、デイジーというユダヤ人の老婦人が運転を失敗したところから始まる。

運転手として黒人のホークが雇われ、二人の交流が始まる。

 

このMissデイジーがもう、すごくいい。

人を困らせる術に長け、困らせる言い方でズケズケ。

周りがよかれと思って進言しても聞きゃあしない、超頑固ばばあ。

 

でも、元教師ということもあり、世間一般でなく自分の物差しで人を見る。

黒人メイドに対して「彼女のコーヒーだけは真似できない」と褒める。

ホークが読み書きが出来ないと知ると、いつものやかましい口調は変えず、相手の尊厳も傷つけず、本人が「読めた!」と達成感を得るところへ誘う。

 

高圧的にホークに当たったものの、一人残されて不安になって「ホーク」と連呼したりして、かわいげもある。

 

私もこういう老女になりたい。

こういう頑固ばあさんになりたいなあ……。

 

気難しいと敬遠する人々も多いが、友人の条件で大切なのは数じゃなくて質。

信頼の置ける友だちや親類が、この人の周りにはちゃんといる。

麻雀をしているおばあちゃん4人の図は微笑ましいし、余談だけれど「ロン」を「マージャン」と言うのね、とちょっと笑った。

 

ホークは雇われ運転手ながら彼女の大切な息の長い親友となっていく。

賃金値上げ交渉術など、したたかさもありながら、デイジーと信頼関係を築ける誠実さ。

モーガンにぴったりの役。

デイジーの頑固な物言いへの、ホークの高らかな笑い方が観ていて楽しい。

 

用事があって一気観ができなかったが、その間中早く観たくて、楽しみでワクワクした。


ラストシーンで、ホークの手で料理を食べさせてもらうときの、ミスデイジーの信頼しきった笑顔に泣けた。

 

人種差別や老いの問題を含みつつ、優しい気持ちを思い出させてもらえる、本当に良質な映画。98分と短めでもあるし、オススメ。

 

(了)

 

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