ピクサー映画「WALL・E」の主人公が住んでいるおうちが気に入っている。
欲しいものがすぐに取り出せる機能的な整理っぷりがうらやましくて。
彼は誰もいなくなった地球のごみ掃除をしていてその中から気に入った物を持ち帰るので、決して不要な物がないわけじゃないのに、その収納能力がすばらしい。
最近録画で観た「MIB3」で、トミー・リー・ジョーンズがタイムトラベルへ行く前にくつろいでいた部屋。
その暖炉がひっくり返った裏側から、大量の武器が収まっている壁が出現。
それぞれがそれぞれの型にくり抜かれた場所に収まっていて、そのキチンとしたしまい方に感じ入ってしまった。
「鍵泥棒のメソッド」の、堺雅人さん演じる主人公が香川照之さん演じる殺し屋に成り変わる映画でも。
その殺し屋の住処がゴージャス。
彼は几帳面で、服にしろ高級酒にしろニセ身分証や札束にしろ、きっちりかっきり整理が行き届いている。
だらしない主人公がここに住んでグチャグチャにしてしまうのだが、代わりに貧乏アパートへ住むことになった殺し屋の方は、記憶喪失でありながら、無法地帯だった狭い部屋をきれいに整理して居心地のよい空間に変えてゆくのだった。
入れ物じゃないのね、住んでいる人の心がけ次第なのね、と思わされた。
私自身、何回か引っ越しをしたけれど、新居に入りたての頃は快適に暮らしていたのが、そのうち物が増え、その分捨てるということを怠っているうちにどこにも収納できなくなり、あちこちにはみ出してくる。
そうして、家の中で「死に体」の場所があることに目を瞑るようになる。
慣れてしまうとストレスも感じず、「普通」のような気がしてくる。
でも衣替えの季節になると、「ああ捨てなきゃな」と思い出し、憂鬱になるのである。
そう、まさに今。
長々と9月いっぱい残暑を引きずっていた気候も、この数日で急激に朝晩冷えるようになった。
空気も一気に乾燥が進み、クリーミー肌ローションが必需品。
暑さを理由にサボっていたあれこれが目立ち始め、そして衣替えは最優先事項に。
でもすぐに逆戻りする昨今の気候、全入れ替えする勇気が出ないので、中途半端に半袖や上着が入り混じり、かえってごちゃつく家の中。
はあ。
「WALL・E」が来て整理してくれないかしら。
そういえば、「旅かえる」というスマホゲームがあるのだけれど、これはかえるさんが旅に出かけたり帰ってきたりするおうちがベース。
インテリアもエクステリアも季節の変わり目で冬・夏仕様へと入れ替わる。
ロフト風で棚に並ぶキッチングッズや壁に地図を貼った下のベッドや旅行用の帽子掛けなどが機能的に並んでいる。
見るたび「いいなあ。旅かえるさん風に暮らしたいなあ」と思う私。
要は我が家をちゃんと整理すりゃいいのだけど。
とりあえずは衣替えの一部のみで疲れている。
(了)
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