現在投稿し続けている小説サイトの短編コンクールは、2週間ごとにお題を変えて募集されるのだが、一度だけ「入賞」に選ばれたことがある。
「大賞」「準大賞」の次の3番目の賞なので、大健闘と言えると思う。
でも、自信があったわけでも、狙ったわけでもなかった。
というより、箸にも棒にもかからない期間が長かったので、毎度提出するだけの自己満足で、月に2回のルーティンと化していた。
だから、ある意味無欲の勝利というか。
でも思い返せば、その作品を書いているときは、とても筆が乗った。
楽しかったし、わくわくした。その世界観をより際立たせようと、いくつも工夫を思いつき、何度も手直しし続けた。
ただ、やっぱり最初はいつもと同じように、お題で頭を抱えたんだった。
だって、「○○解禁」で書けと言われて、何を思いつく?
○○禁止、と言い換えたとしても。
テスト前のテレビや漫画とか、願掛けの甘い物断ちとか、鶴の恩返しとかアダムとイブとか……よくあるパターンしか出てこなくて。
中で少し異色な思いつきだったのが「禁酒法」。つまり法律における禁止。
これ、どうにか使えないかなあ、と、図書館で資料を借りてみたが、史実は奥深くて短い中に取り入れるのはなかなか難しそう。
視覚的にはどんなイメージ? と、映像がなかったかと記憶をたどり。
確か、「Once Upon a Time」とか、「アンタッチャブル」とか。
それらの映画や舞台映像を観直してみて、何となく雰囲気はつかんだ気がしたものの、やはり実際あった「禁酒法」を扱うと、恐らくあれこれ齟齬が出るよね、と躊躇。
で、「バラ禁止」なる架空の法律に置き換えてみる。
これを、禁止→解禁→禁止となる感じて進めてみては、と考えた。
そして、そこに巻き込まれ、解禁運動の先頭に立つ羽目になった「少女」を、ジャンヌ・ダルクをイメージした主人公とする。
世界観は、私が学生時代にハマりまくった漫画家和田慎二さんテイストで。
でも8000字という短さで、「ご禁制のバラに魅せられる」「その美しさが人々を変えてゆく」「解禁へ」「解禁後の争いごと」「再び禁止」との流れが全部入るだろうか? と疑問だったけれど、どうにか何とか押し込めた。
逆にこれだけの量のエピソードを盛り込める長さなのだ、と8000字制約の絶妙さに感服したりして。
ブラックなメルヘンとする予定が、そう成り切らず、結局ファンタジーにジャンル分け。それでも今風のリアルさも盛り込んだつもりで、書いていてすごく面白かった。
こういうノリノリになれる感覚はたまにしか起きないのだけど、それがあるから書くことをやめられないんだろうな、と思う。
(了)
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