参加している小説サイトで、「おくすり」というお題が出た。
最初に見たとき何で? とお題に疑問を持ったがために、全然ストーリーが作れなかった(言い訳……)。
つまり、何故「薬」ではなく「おくすり」という平仮名なのか?
そこに引っかかってしまい、一回引っかかるとなかなか抜け出せない私。
これはドラマや映画を観ていてもそうで、どうでもいいところに引っかかるともう、その後の展開が全然頭に入ってこなくなる。
だから、書く立場では本筋で関係のない些細なことで読者につまづかれないように気を遣っているつもりなのだけど。
お題の話に戻る。
「おくすり」とわざわざ平仮名表記なのは、単なる「薬」を絡めた話とは少し違う物が求められているのかな? と捉えてみた。
「薬」と「おくすり」。
「薬」ならいろいろバラエティがありそうだけど、「おくすり」となると、小さな子どもにお医者さんやお母さんが「苦いけど我慢して飲もうね~」と呼びかけるようなイメージ。
たぶん、多くの人がそう連想するんじゃないだろうか?
なので、私は自分の中で湧いたもう一つのイメージの方で書くことにした。
小さな子どもと同じような言い方で接されてるなあ、と常日頃思っていたのが、お年寄り。
「おめめ」「おてて」「おくち」「まんま」……ならば「おくすり」も? と思った次第で。
でも、そこからストーリーは全然膨らんでいかない。
膨らんではいかなかったけど、「おくすりおくすり、お~くすり~♪」などと頭の中や、実際口に出して連呼しているうちに変な節がついてきた。
じゃあいっそ、詩にしちゃう? いや、歌詞のつもりで作っちゃう?
という、創作歴○年史上初の試み。
イメージは「だんご三兄弟」。
「くしに刺さってだんご」「春になったら花見」「秋になったら月見」「しょうゆぬられてだんご」「できればこんどはこしあんの」のように、だんごの特徴をリズミカルに歌ったタンゴ調の大ヒット曲。
「おくすり」もこんな風にいかないだろうか? と。
で、私の思う薬の特徴を洗い出す。薬と言っても、危ない方向や辛い方向にいかない方針で。
というわけで風邪薬にしぼる。
これがなかなか難しい。
歌詞というのはたぶん語呂や文字数が合わないといけないだろうに、書きたいことがそうそうリズミカルにまとまらない。無理矢理合わせようとするとストーリーのある物語にならない。
四苦八苦した挙げ句、語呂も文字数も度外視、勝手に「自由詩」と名乗ることにし……
「だんご三兄弟」の作者、天才だな。
などと、シンガーソングライターや詩人の皆さんを改めて尊敬したという経験になりました。
(了)
↓詩を目指した(だけの)「おくすり」の話はこちら。3分で読めます。
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