失くし物のショック(23/9/10) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

小学生の頃、大事にしていた首飾りを失くしたことがある。

 

首飾りと言っても、ただキラキラジャラジャラの見た目がきれいなだけのおもちゃ。それでもそのときの私には、見るたびうっとり、首にかけてみれば幸せになる。そんな宝物だった。

 

それを、どこかで落とした。首に下げていたのか、手提げに入れてあったのか覚えていないが、とにかく家に帰ってから、ないことに気付いた。

 

そしてその日歩いた場所を全て辿った。道の右から左まで、どぶの中まで、目を皿のようにして探した。ちょっと外れた草むらとか塀の上に誰かが置いておいてくれたかも、とか、想像できるすべての可能性を考え、暗くなってもまだまだ探した。

 

なかった。

 

結局泣いて帰ったものの、諦めることができず、明日も明後日もずっと探そうと思っていた。

それで見つけたのなら大喜びしたことを覚えているはずだが、そんな記憶はないので、執着は日ごとに少しずつ薄れ、やがてあきらめたのだろう。

 

人から見ればどうでもいい失くし物だけど、本人のショックは結構大きい。

 

いい大人になってから、それももういい歳になった数年前も同じようなショックがあった。

 

その頃「ぬい撮り」というものに凝っていた。お気に入りのぬいぐるみと共に撮った景色やお料理をインスタに投稿するのである。


私の「ぬい撮り」はぬいぐるみではなく、とあるお菓子メーカーが一時的にコラボしていたときに引き当てたサンリオキャラのフィギュアだった。

小指ほどの小さなもので持ち歩くのにちょうどよく、いつどこへ行っても思い立ったら写真が撮れて、超お気に入りだったのだ。

 

それを、失くした。

 

それはちょっとした旅の宿泊先だと思う。珍しい置物や飾り付けがたくさんあって、一緒にバチバチ撮りまくったのだ。

そして家に帰ってみると……いつもその子を入れていた小物入れが空だった。撮影したどこかに置きっ放しにしてしまったのだろう……。


恥を忍んで、その宿泊先に電話してみたが、「ない」との返事。

 

人から見ればくだらないことだろうけど、ショックでしばらく立ち直れなかった。日々の忙しさに追われて薄れ消えるまで相当な時間がかかった。

 

そして、先週のことである。

 

コロナ禍でマスク必須の世の中になって4年余り。

外食のときに外したマスクを、携帯用の荷物フックに引っかけて食事するのが習慣になった。


頻度はそうないものの、4年も愛用していたそのフックは、重しのところの図柄が大好きで持ち歩くのに大きさも重さもピッタリの、今や自分の必需品だった。

 

それを、失くした。

 

というか、最後にそれを使った喫茶店は覚えていて、探しにも行ったし、忘れ物として届いていないか聞いてもみたのだが。

 

なかった……。

 

地味に大ショック。ちょっと今、凹んでいて気分が上がりません。

立ち直りに相当の時間がかかることは経験上わかっているので、心行くまで落ち込みます。

 

(了)


 

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