シナリオの書き方の学校へ行くと、たぶん必ず教わる「ハコ書き」。
最初に、柱、ト書き、セリフ、などとシナリオ特有の書き方を覚えたら、次はストーリーをどう展開するか、となる。
そのいわば設計図となるものを、大バコ小バコといった形で作るのである。
大体の大まかな展開が大バコ、そのそれぞれに放り込むエピソードの数々が小バコ。
それはストーリーの一覧であり、一目で何がどうなるかわかる。これがハコ書きというもの。
まあいろいろと細かい認識が違うかも知れないが、私はそう捉えている。そして今でも基本的にはそうやって物語を作っている(シナリオに限らず小説も)。
大バコは、大体「起承転結」の4つ。出会いだとかその後の変化、やがて事件、そして結末、みたいな感じでざっと書く。
A4一枚で、「起」、「転」、「結」には各2,3行分くらいの空間を、残った全部は「承」に充てる。物語の根幹がほとんど「承」に仕込まれることになるからで、一番分量が多くなるのである。
その大体の割付が決まると、エピソードの一つ一つを付箋に書き付け、適当と思える大バコの中に貼り付けてみる。
最初の頃は書き込んでいたのだけど、結構入れ替えたり消したり新たに加えたりするので、付箋の方が便利と思ったから。
そうしてびらびらと洗濯物のように付箋がはためく一枚を見ながら、パソコンでベタ書きを始める。
これ、短編でも長編でも応用が利く。長編ならばこれを第一章、第二章等の章ごとに更に超小バコに分けたものを作っていけばよい。
まあ、これは私個人の進め方。
人によっていろいろなやり方があり、その人なりに相性の合う方法を、あれやこれや試して見つけていくのだと思う。
私の場合は、まずラストを決めてそれに向かって大バコを整え、その中の小バコ用エピソードを揃えていく。そういう準備が整わないと、書き始められない。
ただ最近は、8000字前後の短編ばかり書いている。
そうなると、このハコ書き、パソコンでずらずらエピソードを並べるだけで済ませるようになった。
この短さなら、それだけで何とか整理できるようになったのである。
で、ハコ書き用に取っておいたA4の裏紙や、ストックしてあった小バコ用の細い付箋などが、減らなくなった。
まあいくらでも別の用途があるから、どんどんそっちへ回っているのだけど。
もう少し複雑で長い、中編長編を書こうとしたら、そういったアナログな設計図が絶対に必要になるだろう(あくまでも「鳥頭」の私の場合は、です)。
でも今のところ、この酷暑も相まって、ややこしい物語を書こうという気が起きないので、しばらく付箋の出番はなさそう。
(了)
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