どうしてこういう物語を書いたのか?
そう聞いてくる方は、きっと「普段からこんな問題意識を持ってます」「こういったキャラが活躍する話を書きたかった」とか、何かすごいネタ宝庫的な答えを期待しているに違いない。
と勘ぐってしまうと、答えにくくなってしまう。
そう聞いてくださる方は、大抵その物語に何らかの気持ちが動いてくれたからだと思うので、とんでもなくくだらないところから出てきた、いやむしろひねり出しただけの棒アイディアだということを白状するのが忍びない。
結構長いこといくつもの物語を作ってきたので、そのきっかけがどれだけこじつけとか無理矢理だったか、という物を挙げたらキリがない。
そのうちの一つをご披露しようと思う。
それは、とある講座で出された課題。
「いつもと違う様子の猫。いったい何があってそうなったのか」という、伏線を張る練習のためのお題。
猫。猫……猫?
一般的に非常に身近だし、書きやすいだろうということで出題されたのだと思うが、私にとっては二進も三進もいかない素材だった。
飼ったこともない。飼っている友達もいない。どんな種類がいるのかもよく知らない。可愛さや愛着を持つ動きはこれだ! というのを身を持って体験したことがない。
となると、「いつもと違う様子の猫」と言われても、「いつもの猫」がどういうものなのかがわからない。
という人間が、どんなにそれっぽく書いたとしても、猫に詳しい猫好きな方が読めばすぐに「嘘くさい」「んなわけない」と察してしまうだろう。
で、そんな私はどうしたか?
仕方ないので、猫の一般的な習性として、靴の片方などを持ってきてしまう、狭い路地を歩いていくのが好き、必ず収まるお気に入りの場所がある……等々を、猫の写真集や猫に関する本を読んで把握。「世界猫歩き」のような番組も見まくって。
でも、「いつもと違う」という、微妙なニュアンスがどうしてもピンと来ない。
猫って、どういうときにいつもと違うように感じられるのだろう?
どうしてもそこから進まず四苦八苦。で、締切も迫って焦った私は暴挙に出た。
主人公に「違う」と感じさせるには、本当に「違う猫」、つまり別人(別猫)にしちゃえばいいんじゃない? と。
というわけで、「いつもと違って毛の色が薄く見えた」とか「収まる場所がいつもの場所じゃなかった」なんて伏線を張り、最後はその猫が別の兄弟猫と入れ替わっていた……という苦肉の策。
これ、この課題を出した先生に褒められた。自分でも気に入った結末になった。でも、実はこんな苦し紛れから出来たもの。
そんな感じで出たアイディアが意外と面白い物語に仕上がったりするので、創作とは奥が深い。
(了)
その課題から出来上がった話はこちら↓
「カラスのおみやげ」(ヒューマンドラマ)
↓「AI」がお題の短編です。6分で読めます。
backfire (ヒューマンドラマ)
↓「これからもよろしく」がお題の短編です。14分で読めます。
白のエマージェンシー 黒のエクスカリバー (現代ファンタジー)
↓「雨よ降れ」がお題の短編です。9分で読めます。
内緒のあじさい (青春)
↓連載完結しました。
野球女子らいと (朝ドラ風長編ヒューマンドラマ)
↓第193回コンテストで、優秀作品に選んでいただきました✨
最終回をさがして (恋愛)
「最後の〇〇」がお題の短編です。11分で読めます。
↓第187回優秀作品に選んでいただきました✨
正しい忘れ癖の治し方 (ヒューマンドラマ)
「忘れもの」がお題の短編です。14分で読めます。
↓第185回コンテストで入賞作に選んでいただきました♡
バラを育ててはいけません (ファンタジー)
「○○解禁」がお題の短編です。14分で読めます。
↓「追いかける」がお題の短編です。14分で読めます。
菫色のネガ (ヒューマンドラマ)









