十字架をあげた男の子(22/12/25) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

今日はクリスマス。


クリスマスといえば何を連想するだろうか、と考えてみて、

まあ、ツリーとかプレゼントとか靴下とかサンタさんをいつまで信じていたとか。

思いつくのはそんな普通のことばかり。

 

と、小学生の頃にもらった十字架のペンダントのことを思い出した。

クリスマスだったかどうかは覚えていないが、キリストつながりの連想。


それと、タイトルに「男の子」と入れたが、色っぽい要素は全くない話です。

 

子供会か何かの催しで、賞品だったのかどうか理由は覚えていないけれど、私は十字架のペンダントをもらった。


私は一応女子であり、「誕生日プレゼントに何が欲しい?」と聞かれれば「アッコちゃんのテクマクマヤコン」(=コンパクトミラー)と答える程度のお洒落欲はあった。

 

なので、そのキラキラとした十字架ペンダントは、もう本当に嬉しくて、大事な大事な宝物となった。

 

なのに。

 

学校へは持ち込み禁止だったろうから、どこかへ遊びに行ったときだろうか。

その十字架ペンダントをいたく気に入った男子がいた。確か学校で同じクラスだったと思う。

 

「もっと良く見せて」「いいなあ」「きれいだなあ」とかとか。

すごく羨ましそうだった。あんまり素直に欲しそうな顔をするので、ちょっと面倒くさくなってきたのだと思う。

 

で、私は「○○をしてくれたらこれあげる」とか言ってしまったのだ。

つまり、かぐや姫のごとく、無理難題を仕掛けてできなかったらじゃあこの話はおしまい、とばかりに。

 

ところがその子、あれをやって、あそこに来て、など何を言っても全部こなす(断っておくけれど、妙なひどいお願いはしていない)。

それでとうとうそのペンダントをあげることになってしまったのだった。

 

私だってすごく気に入っていたのに。

きれいで可愛くて大好きな(多分初めての)アクセサリーだったのに。

 

今思えば、私にはちょっと見せびらかしたい気分があったのかもしれない。

いいでしょ、羨ましいでしょ、といった優越感。

心からそれを「きれい」と思ってくれる子に、「でもそれは私のなんだからね」みたいに自慢げな。

 

スネ夫だな。

嫌な奴だわ、自分。

 

結局手放さざるを得ない状況を自分で作ってしまい、あとでどれだけ泣いたか。

バカな奴だわ、自分。

 

あの男の子は、まだ覚えているだろうか。まだ持っていたりするだろうか。

たぶんもうどちらもないだろう。それだけの月日が経った。

 

でも、ものすごく久しぶりに思い出したということは、これをネタに何かの物語にしてもいいということでは?

 

たとえば、仕掛けた無理難題のせいで事故死した男の子が仕返しに来るホラーとか。

 

という具合に、今の私は悔しさも後悔も、創作に転じることで折り合いつけてます。

 

(了)

 

 

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