物語を創るとき、私の場合ジャンルを絞るのが苦手。
出来上がったものが何に属するのかわからず、結局いつも「ヒューマンドラマ」の端っこにそれとなく混ぜてもらう。
ただ、やっぱり違和感で。
ヒューマンドラマというと、大河ドラマとか人間愛とかそんなビッグなイメージがあるので、私の書いた狭い世界の小さな出来事が、それらと並んでいるのがいたたまれない感じがしてしまう。
読むのはミステリーやサスペンスが好きで、ホラーもグロくなければ好物。
だから書くのもそういう系統を目指すのが普通の流れなんだろうし、実際何度か試してみたけれど。
ミステリーもサスペンスも、警察の介入するような殺人事件的なもの、自分には書けないという結論に至った……((T_T))。
で、フツーのささいな話を、その謎解きの流れや構成の作り方だけミステリー手法っぽい書き方をしている、という現在である。
だから、ミステリーのようなシーンもサスペンスもどきの展開も多いけど、よく読むとどうってことない話なんです、すみません。
ホラーを書くのにも挑戦したことはある。ノウハウがわからないので、まず自分がどんなことになったら怖いか、を考えてみた。
昔殺人があったという幽霊屋敷で何か起こる? 先祖から呪いをかけられた少女に何か起こる? どこまでも追いかけてくるフッた相手の怨念で何か起こる?
……うーん、どっかで見たような、自分なりに料理もできないような、って感じ。
でも、そんな数少ないひねり出したアイディアの中での一等賞は。
「人に置いていかれること」
これでした。
同年代の友だち、一緒に過ごす家族、同じ目標を持つ仲間。そういった人たちが自分と時間の流れが違ってしまったら。つまり、みんなと自分の年を取る早さが極端に違うとしたら。
自分が先に、例えば3倍速でぐんぐんいってしまうか、逆に人が30歳になったときにまだ10歳にしかなれないのか。(そんな映画、ありましたね)
どっちも怖い。
ホラーらしく人より髪や爪が伸びるのが異様に早いとか、肌が急激に衰えるとか、体力が違うがために同じ歩速で歩けないとか。そんな味付けも考えた。
これを書こうとしていたのは、30代の頃だったと思うが、同じ悩みを分かち合える人がいなくなる、というのが本当に怖かった。
でも、今現在、いい歳になってしまうと当たり前のこと。
学生時代の友人やライフイベントが重なった人とも、いずれ違った道を行く。それを怖がっていたのは昔のことで、今はそれが面白くもある。
かの3倍速物語だけど、それ以上の展開が思い浮かばずに放り出してしまった。今はそんな悟りのスタンスになってしまったので、ますますホラーにならない。
でもホラー、そのうち書いてみたい、という野望は相変わらず。
(一応書いてみたホラー未満のホラーもどき→「誕生日の不幸」)
で、怖いことって何だろう、と今も探している日々(病気や事故は除外という自分ルールです)。
(終)
↓「雨音」がお題の超短編書きました。2分で読めます。珍しく童話。
↓「ドキドキの理由」がお題の短編です。11分で読めます。ちょっとだけ時代劇絡み。
↓「レンタル○○」がお題の短編です。10分で読めます。
↓「芽生え」がお題の短編です。10分で読めます。





