突然だけど、私はプロ野球はロッテファンである。初めて買ったロッテグッズはお気に入り選手のTシャツだった。「Nishioka」と入った背番号7の黒いTシャツ。
野球好きの方はご存じかと思うけど、侍ジャパンでも活躍した西岡剛選手である。ロッテが日本一となって彼がメジャーリーグへ去ったのは2010年のこと。もう12年も昔になる。
このTシャツを着てグラウンドに応援に行っていたのはそれ以前のことだから、もう一回り以上のお付き合い。
その間、試合観戦専用だったそのシャツがお出かけ用に変わり、色褪せてきたので部屋着用になり、更にあちこちほつれてきたのでパジャマに。現在は半袖の付け根に大穴が開いてノースリーブ状態になっており、家族には捨てろと言われている。
でもなあ。
思い出や思い入れという以外にもこのTシャツ、単純にものすごく着心地がいいので。捨てるに忍びない。
通常、こういったグッズはなかなかにお高い。このTシャツも例外ではなく、それ相応のお値段だった。
だからなのか、首回りがきつくなく、洗濯しても伸びなくて、裾の長さも長過ぎず短過ぎず、肌触りも柔らかくて、ついついヘビロテ。こればかりをそんなに酷使しなくても、他にもそれなりにTシャツは数枚持っているのに、どうしても手が伸びてしまうほど好きで。
でももういい加減にサヨナラする頃合いなのかもしれない(というより絶対そう)。思い出として写真に撮って、拭き掃除などに使ってから捨てようと思う。
このTシャツを捨てようかどうしようか、これまで何度も考えた。でも「まだ大丈夫」と思ってやり過ごしてきた。
この過程、何かに似ているなあ、と思っていたのだけど、ああ自分の「物を書く」ことか、と最近気づいた。
20代の頃から、「物を書く」ことに専念しようか、諦めてフルタイムで就職し直そうか何度も迷った。
(そんなようなことをテーマに書いた過去作がこちら→明日、花を探しに行きます
私は書くペースが遅いので、普通の会社員をやりながら書き続けるのは無理だと思った。でも、全く何も働かずに書くことに専念すると、それはそれでアイディアや社会背景の実感が不足する。すると1文字も書けない日が続いたりする。
なので今はアルバイトをしながら時間を作ってコツコツ書いている、という状態で、たぶんこれが一番性に合っていると思う。
ただ、このスタイルにたどり着くまでにはTシャツと同じように何度も悩んだわけである。
「物を書く」センスは色褪せてほつれて穴だらけになっているのに、書きたい思いを捨てられない。だって「物を書く」ことがあのTシャツみたいに肌に合って好きなんだもの。
他に楽しみややってみたいこともいろいろあるけれど、1日は24時間、最近は集中力も体力もそうそう続かない。
となると、やっぱり一番好きなことを優先したいなあ、と思うわけで。
Tシャツは捨てますが、「物を書く」ことはまだまだ続けます。
(了)
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