小説なりシナリオなりのコンクールに応募しようとすると、大体が「梗概」をつけろという指示がある。
梗概とは、あらすじのことで、これが微妙に面倒。締め切りギリギリに本文を仕上げたとき、まだ梗概書いてなかった! と気づくと青くなる。
だから私の場合、この梗概を含め、登場人物表、個人情報一覧等、公募先から指示があるものは、先に作ってしまう。
もちろん、本文が出来上がってみて書き始めたときの思惑と変わってしまった部分もあるし、強調したい点が抜けてる、とか気づくこともあって、後から直すことが前提ではある。
でも、「直す」のと「全く白紙から作る」のとでは、かかる時間も心の追い詰められ方も全然違う。
400字原稿用紙50枚なり100枚なりの応募作を、さっと一望できるように、梗概は1枚~2枚指定のところが多い。
その中で、こういう主人公がいてこんなことがあってそれがああ展開してそういう結末になった、との流れを書く。
私が注意しているのは、まず登場人物がどんな役割なのかがわかるように書くこと。主人公の邪魔をするのか味方なのかその他大勢の多数意見の代表なのか、等。
それから、人物名の読み仮名を振ること。
これは自分が読み手の時、読みにくい名前を正確に読めないまま延々引きずったせいで、最後までその人物に感情移入できなかった悲しい経験に基づく。
それと、よく言われるのが、結末までちゃんと書くこと。
犯人捜しとか、どんでん返しなど、最後が気になるストーリーは魅力的。だから、さわりである梗概には「……というわけで主人公危うし。さてこの先どうなるか、請うご期待」と煽って終わるものが結構あるのだとか。
ワクワクしながら読んでもらいたい、という気持ちはわかる。すごくわかる。とってもわかる。
でも、それではあらすじを添付する意味がなくなる。
応募する側からすると、犯人や結末がわからないまま最後までドキドキして読んでほしい、伏線にも気付いてほしい、そして最後に「そうだったのか。いや参った!」と手を打ってほしい、と思う。
でも、選考する側からすれば、そうかそうか、こういうどんでん返しがあるのか、とわかった上でそこまでの持っていき方を見たいんじゃないかと想像する。
応募作のどんでん返しは、書き手が思うほど読み手を驚かせないものが多いらしい。
だから、エピソードの積み重ねが丁寧かどうか、そこに個性があるかどうか、というのを見るんじゃないだろうか。
そして、選考者はたくさんの応募作を読まなくてはならないので忙しい。だからあらすじが魅力的でない段階で弾かれる候補になってしまうかも。雑に書いてしまうと本文に行く前に×と判断されてしまうかも、なのだ。
そうはなりたくない。だからとにかく本文をちゃんと読んでもらうための導入として、しっかり書いておかねば、といつも思う。
……だから、結構面倒なんだな。
(了)
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