かなり昔、「娘の入試を替え玉受験したパパ」という物語を書いたことがある。
これは、当時ニュースにもなった実際にあった事件を元にした。でもほぼフィクションで膨らませたコメディになっている。
だって、いいオジサンであるパパが娘の替わりに受験会場に出かけるなんて……女装も若作りも必要だし、トイレにしたってコメディ過ぎる。どう考えても無茶苦茶だろうって。
この物語、最後はくしゃみでバレるオチ。オッサンのくしゃみって何であんなにオッサンなんだろう、と常々思っていたことを反映。それにしたって笑える話でしかない。と思って書いたのだけれど。
あまり笑えない「替え玉」が、昨今横行しているらしい。
(以下、LINEのNHK NEWS2021/10/20 就活「替え玉受検」「ウェブテスト代行の実態」を参考にしています)
最近の就活では、エントリーシートを提出すると、テスト形式の適性検査によって絞られてから、面接に進むケースが多いという。
適性検査には性格検査と能力検査の2種類があるのだとか。で、能力検査は読解とか計算とか、いわゆる一般常識か基礎知識のようなものだと思われる。それを、友人や代行業者が替え玉受検する、というのである。
私が就職活動をしていた頃とは全く様相が違うのでピンとこないが……
人気企業が、多すぎる志望者を絞るためにそれらの検査をオンラインで行う傾向があり、このコロナ禍でオンラインはますます拍車がかかった。オンラインというのは割といろいろズルができる……というのは、テレワークを経験した身としては想像しやすい。
何だかなあ。
そういう能力を偽って面接に至っても、まあ端々でいろいろと本性がわかってしまうだろうと思うのだけど。
ただ、実際面接して自分でこの企業とは相性が悪い、などと感じ取れればご縁がなかったとしても納得は行く。その気持ちはわかる。だから面接にたどり着く前にはじかれることを避けたい、という気持ちも。
企業側もこの不正に感づいてはいるらしいが、対策は遅れているようで。
その適性検査が、入社後の配属や転勤にかかわるところもあるらしく、ミスマッチも当然起こるだろう。偽りがその後の長い会社員人生で辛い思いにもつながるかもしれない。
……私が昔書いた、入試をパパが替え玉、なんて笑いはどこにも出てくる余地がなさそう。
ではもし、この題材で物語を作るとしたら。
「シリアスなヒューマンもの」にするならそのままだから書きやすいかもしれないが、ドキュメンタリーを超えられない気がする。
敢えてブラックな笑いとして「コメディ」に料理するとか? あるいは「ファンタジー」的な要素を入れるか?
また、視点を本人にするのか、替え玉した友達にするのか、代行業者にするのか、または幽霊などの第3者にするのか。
切り込み方はいろいろありそうで、書き甲斐もありそう。
ところで、「受験」と「受検」。
受験は試験を受けること、
受検は検査・検定を受けること、
だとか。(デジタル大辞泉・小学館)
今まで「受検」をあまり使った覚えがないけれど、そういえば英検とかはそうだな。とすると、就活の適性検査もそうなるんだな、と妙なところも気になった……。
(了)
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