いつも悩んでいた。
自分が書く物語、ジャンルは一体何なのか、というところ。
ラブコメ全盛の少女漫画で育ったせいか、三谷幸喜さんのファンだからか、コメディ要素があると何度か言われたことがある。
なので、「コメディ」らしきものを書くことに挑戦してみたら、これがものすごく難しかった。
登場人物の望むことと周りの反応や出来事が異なり、そのズレで笑わす、という感じで短編を書いた。
が、読み返してみたら、読み手が笑いそうになってもハテナ? と立ち止まってしまうかも、の繰り返しといった様相になっている。
どうにも中途半端な不発感は否めなかった。
自分が読み手の立場だと、ミステリーが好きで、他のジャンルも読むが、買うとなるとミステリーばかり。
てことで、そういうものが書けたらいいなと長年思っていて、何度か挑戦してみたこともある。
が、自分の頭がザル過ぎる、という事実がその度突き刺さっただけだった。
映画やドラマは何でも観るが、珍しい職業や視点が背景にしっかりハマったものが好き。
そういうのも書いてみたいと「お仕事もの」にトライすれど、これもかなり高度。
自分が無知なので、調べれば調べるほどどれもこれもが、「へえ」「ほお」「何てこと」と感心してしまう。山積みになったそんな情報を全部使いたくなってしまい、結果、研究発表会の陳列みたいになってしまうことが多かった。ストーリーやキャラをうまく絡ませるのが難しくて、物語としては面白くもない、先の展開に興味は持てない、みたいな。
いろいろわからなくなってしまい、とにかく悲しいにしろ楽しいにしろ、面白いと思える物語を書きたい。そういう原点に立ち戻ることにする。
そのためには、キャラかストーリーを先に考える方が自分の場合うまくいくことが多い。
または「このセリフが書きたい」とか「ラストはこの一言で終わりたい」とかのテンションが強いとき。あるいはいきなりタイトルが浮かんだときも割にいける。
その方が、自分自身が思う面白さが出やすいという結論に達したわけなのである。それに見合う背景や場面に必要な調べ事はそのあと。何ならテーマや趣旨さえ後付け。
で、そんな作り方をしていると、ジャンル何? という物語がよく出来上がる。だから、小説にしろシナリオにしろ、コンクールはどの雑誌、どの分野に応募すればいいのかいつも悩んだ。
今、ネットサイトで短編小説を定期的にアップしているけれど、ここでも必須ではないがジャンルを設定できるようになっている。読者が検索しやすくするためと思うが、やっぱり毎回困ってしまう。結局は「ヒューマンドラマ」というオールマイティなくくりに入れてもらうしかないってことが多い。
でも最近、あるフォロワーさんから、「自分がこのジャンルだと言えばそうなんだ」というお言葉をかけてもらった。
うん。
だからまた、ジャンルを定めてから書く書き方もありだなと思っている。
「青春」や「ホラー」のジャンルも好きなので、今のところ読み専だけど、いずれトライしてみようかと思う。
(了)
↓「夕立」がお題の新作短編書きました。12分で読めます!
↓「おやすみ」がお題の短編です。10分で読めます!