まだ漫画というものが、子供に悪影響だと言われていた頃。うちの両親は特に禁止もせず、好きに読ませてくれていた。
本も読んだが、漫画の方が圧倒的に多い。忌み嫌っていた当時の大人の方に言いたい。漫画って、とっても勉強になる。
歴史とか理科などの勉強の解説のために描かれた漫画も最近多いが、そういうのではなく、純粋にストーリー漫画の話である。
まず、言葉。自分の場合、学校で習わなかったのにいつのまにか知っている言葉は、大抵漫画から来ている。
「ハコ」=少年院、「マッポ」=警察(巡査)、「銀しゃり」=米、などの隠語は中学の時にハマった「スケバン刑事」で覚えた――知らなくていいっちゃー知らなくてもいいとゆーレベルかも知れないが。
でも「お目付け役」「世のしがらみ」とかも、実はこの漫画で覚えた。たぶん誰でも普通に使うこういう常識的な言葉も、もしこの漫画を読んでいなかったら今でも知らないままだったかもしれない。
「ブラック・ジャック」も自分にとってはバイブルだ。メス、鉗子、ドレーン、人工心肺等々の道具類から、気胸、嚢腫、水頭症、腹膜炎、無頭児などの病名も小学生で記憶してしまった。まあこのくらいは今医療ドラマ全盛なので、ドラマ好きなら普通に入っているものなのかもしれないが。
ギャグマンガの「うる星やつら」にしても、表面張力とかインプリンティングとか、教室で習ったときにはすぐに忘れてしまった言葉が笑いに昇華されている場面があり、ここでしっかりインプットされた。
言葉以外にも、社会問題を知れるという利点がある。自分、恥ずかしながら新聞はあまり読まない方だった。身の回りのことだけで精一杯で、他の世界、例えば外国のこととか政治とか教育とか、触ったことのないスポーツとか。身近でないものには興味も意欲も湧く余裕がなかった。
けれど、漫画にはそういう背景が色濃く出ているものがある。
「ベルばら」のフランス革命は言うまでもないし、先の「ブラック・ジャック」でも公害やら細菌兵器やら水爆実験やらの被害者の叫びを描いている部分がある。ブラックジャック自身、不発弾でああいう見てくれになった。
また、「ワン・モア・ジャンプ」というスケート漫画では、チェルノブイリで被爆した天才少女が倒れる衝撃的な場面もあった。
他にもまだまだたくさん挙げたい漫画はあるのだが。
とにかくこれらがすごいのは、ストーリーに惹きつけられて読み進むうちに、自然とそうした背景も頭に入るところである。
子供の頃は、入口が小難しそうだとそこでほっぽり出す。下手をすると食わず嫌いで一生近寄らないなんてことにもなりかねない。良質な漫画は、そういうところをするりとくぐらせてくれる素晴らしいツールだと思う。
……漫画ばかり読んでいた子供時代を言い訳しています。
(了)
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